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釣りの方法と学び

これは、お父さんから教えてもらった釣りの極意です。

 お父さんは、釣りの名人であったと思う。例えば、四万十川で巨大な鮎を釣るわけではない。また、ヘミングウェイのような巨大なカジキを釣るわけでない。家から歩いて行ける数メールくらいの川で、鮎や山女などを釣るのが上手かった。

山王川

 道具は、そう高い物は買わない。釣り糸や針や浮などは、当時(昭和30年代)のお金で年間1000円ぐらいだったと記憶する。お父さんなりのスローライフであったと思う。しかし、それには理由があった。
 お父さんは、子どもの頃から釣りと野鳥の飼育が好きだった。しかし、育ちの理由から釣り道具を買えなかった。そこで、なるたけまっすぐの竹を切り竿を作った。糸は木綿の糸、餌はうどん粉を練ったものたったと。友達とは、断然惨めな物だったらしい。それでも、なんとか大きな魚をたくさん釣りたいと思ったと。

 そこで、魚が集まるところを探した。どうやら、石の下流で流れの緩いところにいることがわかった。そして、そこに練ったうどん粉を散らして巻いたところ、もっと多く魚が寄って来た。さらに、石の上流から撒くと、流れの緩いところにうどん粉がちょうどよく流れてくる。また、石の下流は渦を撒くので餌が停滞するわけだ。お父さん流の魚の寄せ方を確立した。

 ボクに釣りを教えてくれた時には、いちばん大切にしている竿を使わせてくれた。餌はシラスだった。はじめに、魚を寄せる。それからは、大きい魚から釣れる。中くらいとなると入れ食いだった。苦手は捨て、得意をあみ出した極意を教わった。主にアユやオイカワやウグイを釣った。
 魚がいるところ探し、川を荒らすことはしない。魚が集まりそうなところに魚を寄せる。今考えると、凄い発見だと思う。釣った魚は、川に戻す。芯から魚釣りが好きだったなと思う。

汽水域

 海の投げ釣りも教わった。川が海に流れ込んだところに、真水と海水が混ざる汽水域がある。その混ざるところには、川と海のプランクトンなど豊富であると。大きなボラやスズキが釣れた。海釣りも闇雲でないことを教わった。

今に思えば、遊びの工夫は楽しみだけではない。物事を考える方法を学べると知った。

かわせみ💎

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