【読書記録】2021年2月(後半)

ごきげんよう。ゆきです。

2月後半の読書記録です。2月は表紙で選書をするのがテーマだったので、普段読まないジャンルの本に出会えたりして思った以上に充実していました。読み慣れていないことが裏目に出て、読了数はいつもより少なくなってしまったのはご愛敬。

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時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。
強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。
ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。
しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚、開幕。

平積みされた文庫の中で目を引く豪華絢爛な表紙に惹かれ購入。それもそのはず、カバーイラストを手掛けているのは私が画集を買っているほど好きなイラストレーターさん、マツオヒロミさんだった。マツオさんが描く女の子はどちらかというと柔らかい顔の子が多くて、そんな少女像が私は大好きなのだが、このきりりとした花魁もたまらなく美しくて感嘆。尚月地さんと並んで好きな和イラストレーター(漫画家)さんだ。

本作は言うなれば女性版『鬼滅の刃』である。内容はあらすじの通り。天明を舞台にした花魁ファンタジーということで、私にとって初めて触れる小説ジャンルだ。見た目はラノベっぽさが拭えないが、中身は本格的な時代小説である。前半は時代背景や花魁の説明が緻密になされているので、物語としての面白さは正直ない。それだけ、ラノベのようなふんわりとした歴史ファンタジーではなく”本格時代小説”としてこのシリーズを書き始めたのだという筆者の強い意思が伝わってくる。

それぞれのキャラクターが把握でき、当時の知識を多少頭に入れたところで物語がぐんぐん進んでいく後半は、前半の冗長さを忘れてしまうほどスピード感が生まれる。終盤に描かれる遊郭の人間模様は涙なしでは読むことができない。瑠璃の仲間たちが本当にいい味を出している。瑠璃に懐く妖たちも、異形ではあるが皆憎めなくてほっこり。禰豆子がいっぱいって感じ。

ufotableにアニメ化してほしい。こちらも鬼退治ものだし、この時代の流れで作ってみてほしい。できれば劇場版で。

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住野よるが贈る大人気「麦本三歩」シリーズ第一弾、待望の文庫化。好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しいー
図書館勤務の20代女子・麦本三歩のなんでもないけど
幸せな日々を描いた心温まる日常小説。

普段本屋に行っても文庫コーナーしか見ていないので、本シリーズの最新刊の単行本表紙がBiSHのモモコグミカンパニーさんと知って膝から崩れ落ちた。なんで文庫じゃないんだよぅ。単行本は基本買わないんだよぅ。

私、モモコグミカンパニーさんがめっちゃくちゃタイプで。モモコさんを見たときに「え?!可愛い!!なんだこれ可愛い!!!」しか言えなくなって、毎日画像やMVを見て恋焦がれている。私と20センチ身長が離れているらしい。なんだそれ可愛い。横向いたときに尖っている唇が「くちばし」と呼ばれてチャームポイントになっているらしい。なんだそれ可愛い。愛くるしい見た目で高学歴で手掛けた歌詞も多い。なんだそれ、もう好きになる要素しかないじゃん。こんな女の子になりたかった。BiSHのライヴorイベントに行くことが今年の目標に加わった。

激しく脱線しましたすみません。本書は『君の膵臓を食べたい』で有名な住野よるさんの作品。『君の〜』を読んだのは大学生の頃だったから、私にとっては実に数年ぶりの住野作品である。図書館で働くちょっとマヌケな個性的20代女子の日常をほんわかしたタッチで描く連作短編集。語り口が軽妙なので苦手な人は苦手かもしれない。個人的には三歩ちゃんの雰囲気が伝わりやすいので、この文体がクセになって好き。

私は三歩ちゃんと同じく大学で図書館司書資格を取得しているので、だんだん三歩ちゃんが私の友達のように思えてきた。たまーにいるいる、こんな子。憎めないドジっ子。お気に入りの章は「麦本三歩は君が好き」。ここで放たれる三歩ちゃんの心を形にしたセリフは、きっとたくさんの人の心を救うだろう。かくいう私も、いつかの荒んだ自分が成仏した気がした。まさか三歩ちゃんに泣かされるとは思ってもみなかった。気付けばすっかり三歩ちゃんファンである。

表紙のせいか本当に雰囲気が似ているのか、読みながらずっと三歩ちゃんのイメージがモモコさんだった。しっくりき過ぎ。可愛い。ああ、可愛い。

現在芸能事務所で働いている私もかつては図書館勤務を夢見た1人なので、いつか三歩ちゃんみたいな仕事するのも楽しそうだな、と思ったりした。いいよね、図書館の匂い。

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もっと読みたかったな。2月は28日しかないし、と言い聞かせて、3月に取り戻したいと思います。3月は海外作家ものをテーマに(全部そうなるかは未定)選書していきます。

お付き合いいただきありがとうございました。

またお会いしましょう。ゆきでした。

See you next note.


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