【読書記録】2021年11月

ごきげんよう。ゆきです。

出産のため里帰りしている今、ようやく落ち着いて読書ができる状態になったので久しぶりの読書記録です。5月の読書記録で短編集縛りの選書をしていたため、その名残を感じるラインナップ。積読本が消化できてよかったです。

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信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か？　捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生！　傑作５編を収録。

『神様ゲーム』『蛍』と読んできて、すっかりハマってしまった麻耶雄嵩ワールドに再度没入すべく選書。おそらくこちらが1番有名な作品だと思われる。ドラマ化もしているのでタイトルに覚えがある方もいるかも。

代表作ではあると思うのだが、個人的には先に挙げた2作品の方が好きだった。同じ探偵をモチーフにした短編集なので致し方ないとは思うが、どの話も展開は同じなので途中でどうしても冗長さを感じてしまうのだ。もちろん事件の中身やトリックは申し分ない。もう少し展開に捻りがあったらもっと楽しめたな、と少々残念な気持ちが残る。

続編が出ているそうで、そちらに新たな登場人物が増えるみたいなので期待。

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『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を受賞した青山美智子の2作目が待望の文庫化。 
失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社で、お尻に星のマークがついた猫――ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり、「西向き」のマンションを買った少し苦手なおばの家を訪れるが……。中学生の娘と仲良くなりたい父親。なりたいものが分からない大学生……。なんでもない言葉をきっかけに、思い悩む人たちの世界がガラッと変わっていく――。 お告げの意味に気づいたとき、ふわっと心があたたかくなる。7つのやさしい物語です。インスタフォロワー数250万人超のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています。

『木曜日にはココアを』にいたく心を癒されたので、またあの温かさを求めて手に取ってしまった。悩みを抱える人間が、神社に現れる不思議な猫にお告げをもらって明るい未来に近付いていく物語集。このあらすじだけでほっこり。

『チケット』と『タマタマ』がお気に入り。不器用な人間に光が差す物語に弱い。アンハッピーエンドが好きなわりにこの2編をお気に入りに挙げるあたり、自分がよく分からない。妊娠を機に、少し嗜好が変わってきたのかもしれないな。

短編集をまとめあげるラストの章もとてもよかった。本を閉じる際、思わず口角が上がっている自分に気付く。

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孤独な空中散歩者が空から落下した、としか思えない墜落死体。163人の観客の前で毒殺された俳優。など、不可能状況下の事件の数々を、難なく解決する奇妙な青年。ユーモアとペーソスとそして愛に溢れた連作推理の傑作。

これは傑作！大満足の1冊。いくつかの小話が最後に1本の線に繋がる、というタイプの短編集が大好物なのだが本書はまさにそんな感じ。途中で「あれ？」と思った箇所がラストに種明かしされた時の、「やられたー！もっと考えればよかったー！」感が悔しいけれど楽しい。多分この最後を予想できる読者、いないんじゃないかなあ。

収録話は本当に系統も文体もバラバラ。複数の作家によるアンソロジーを読んでいると錯覚するくらい。そこまで言葉を操れる作家も珍しいなと感心しながら読んでいたら、あとがきにあまりにも腰が低い筆者の文章が載っていて驚いた。そんなに謙遜しなくてもいいのに。意外な筆者のキャラクターも含めて、最後まで楽しめた1冊。今月のハイライト(と言っても3冊しか読めていないけれど)はこちらで決定。

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買い溜めしていた短編集が片付きました。『猫のお告げは〜』だけは里帰り中に衝動買いしたものです。やっぱりちょっと趣味嗜好が変わったのかしら、ちょっとほっこり系の書籍に惹かれる自分に気が付きます。出産直前に物騒な物語を選ぶ気分にはなかなかなれないですしね(笑)。

久しぶりにちゃんと読書が出来る幸せを噛み締めています。文字を追うだけで気分が悪くなってしまっていた半年前のつわり期には、もう一生本が読めないとさえ思っていました。回復してよかった……！息子の誕生をそわそわと待ちながらゆっくりと文字を追う生活なんて、今しかできないと思うのでもう少し満喫します。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

またお会いしましょう。ゆきでした。

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