Web3.0、メタバースの本質について
Web3.0とはインターネットの正解がGAFAM以降の「第三段階」へと移行するというムーブメントのことです。
よく耳にするようになったがなんだかわからない「Web3.0」とそこに絡む「メタバース」について解説します。
Web3.0とは
中央集権化された組織から個人やコミュニティにパワーを取り戻すものです。
Web1.0(1990~)
Yahoo!のような一方向(マスメディア)の時代
誰にもコントロールされないウェブの構築
Web2.0(2005~)
Meta(旧Facebook)のような双方向(ブログメディア)の時代
巨大テック企業によりウェブが中央集権化
Web3.0(2015~)
多方向(ソーシャルメディア)の時代
ブロックチェーンの登場で非中央集権的なコントロールが可能に
Web3.0の重要な考え方
Web3.0の隆盛の背景にはクリエイターエコノミーがあります。
この中で最も重要なポイントはオーナーシップ(所有権)になります。
これまでWeb2.0で巨大プラットフォームが握っていたコンテンツの命運をクリエイターの手に取り戻すということです。
Web3.0の所有権の4つのポイント
1.NFT(Non-fungible token)
2.ファンも稼げる
3.コラボ経済
4.DAO(自律分散組織)
1.NFT
デジタル作品が「正規品」であることを保証するトークンです。
音楽家やアーティストが「所有権」をファンに直接販売することができます。
例えば2021年3月22日、ツイッター創業者ジャック・ドー氏―のツイッター初投稿がオークションにかけられ、3億円超の高値を付けました。
2.ファンも稼げる
ファンが単なる消費者ではなく、NFTなどのトークンを購入することで、「所有者」としてリターンを手にすることができます。
例えば、NFTを購入したファンをつなぐコミュニティに入ることで購入者だけの情報交換や特別な特典を得ることができます。
3.コラボ経済
クリエイターの共同作品を、分割所有できるように、共同作業者たちのクレジットをプログラムに記録し、転売されても還元されます。
例えば、分散型執筆プラットフォーム「Mirror」はスプリットという売上を分割する機能を持っています。これにより共同執筆者やコラボレイター、引用先の執筆者まで収益を享受することができます。
4.DAO(Decentralized Autonomous Organization)
従来の組織とは異なり、作り手やユーザーが所有権を握る組織です。
トークン所有者のコミュニティだけでお金やプロダクトを決めていきます。
例えば、MakerDAOと呼ばれるものはイーサリアムのブロックチェーンを活用しており、ここではだれでもドルのステーブルコイン*を発行することが可能です。さらにビットコインやイーサリアムもブロックチェーン上で一定のルールに従って運営されているため、DAOであるといえます。
メタバースとの結合
2021年10月28日
FacebookがMetaへのリブランディングを発表しました。
上記だとあまりイメージが湧かないかと思いますが、VRやARによる別人格がソーシャルに交流する仮想世界のことです。
これがどうWeb3.0とつながるかというとそれはゲームです。 人気ゲームではスキンなどのアイテムが巨額を生み出しており、たとえばFortniteはスキンだけで約1兆円稼いだようです。
将来的には、NFTで「本物」であることが証明されることで、ゲームアイテムやアバターを別のゲーム世界に持ち込める可能性があり、さらにアイテムの価値が高くなる可能性があります。
Web3もメタバースもまだ「理想郷」の域を出ないものではありますが、すでに大手VCが投資を進めていたり、Facebookのような巨大企業が支配する可能性もあります。
ブロックチェーンのような単一の存在がコントロールできないプロトコルというのはとても大きなイノベーションであり、Web3の世界がインターネットの一部を担っていくのは間違いないでしょう。
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