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可愛い(140字小説)

私は美人でも無いし、可愛げも無い。
鏡を見てはため息。
それなら、見なければいいと思うのだが。
「おじいちゃん、私、可愛い?美人?」
祖父は困り顔で返事をしない。祖父は嘘をつけない人。
その代わり、私の良いところをイッパイ見つけてくれる。そんなおじいちゃんが大好きだし、可愛いと思ってるの。


私の四人の祖父祖母は、明治生まれでした。
遠方に住んでいた事もあり、話をする事はあまりありませんでした。それでも私に会うたびに、何度も何度も可愛いと言ってくれた事は、記憶に残っています。

↑本文の『私は』は私の事ではありません。念の為。ホンマかいな😄


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