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夢? そんなもの無い。 毎日働けるだけでありがたい。 夜見る夢? そんなもの見ない。 寝床に入り目を閉じる。 するともう朝だ。 目が覚めた事に感謝。 金も最低限生きていけるだけあれば良い。 女は色々面倒だし。 真面目だけが取り柄のオレ。 「頼んだ夢と違うじゃないか! おい、間違えてるぞ、夢屋!金返せ!」 最近、書きたいことが思いつかない。 閃きだけで書いて来たからだと思う。 140字なら、思いつき的になんとか書ける気がして書き始めた。 今は何とか書けそうな短いものを書
宇宙には不思議な扉がある。 神出鬼没に現れ、なかなかお目にはかかれない。万が一遭遇したら逃げて。 それはワープトンネルの扉。 開けたら最後。高速でどこかに運ばれる。 人体は素粒子にまで分解され宇宙空間を漂うのみ。ね、近づかないで。 送り込みたい人がいるって? それは聞かないでおくわ。承知よ。 不思議に満ちた宇宙には、想像できないほどの謎があるのでしょうね。少なくとも、一度はUFOを見てみたかった。
「ねえ、桃ちゃんてさあ。何で青い服ばかり着てるの?名前が桃なんだから、ピンクの服を着なよ」 マナはちょっと口を尖らして言った。 「うん、いつもと違う色の洋服を買おうとお店に行っても、結局同じような服になるんだよね」 私はそう言ったが、それは本当ではない。 私は青い服を着ていたいのだ。似合うのはマナが言うように、淡いピンク。 私は覚えている。前世の記憶。青の事。 私のその時の名前は今と同じ、青の名前も前と変わっていないと思いたいが、どうだろうか。 生まれ変わったらと約束
すでに廃駅となったけれど一部の線路は残っていた。何年ぶりかで訪れた駅の待合室。 いつも腰掛けていたお気に入りの丸椅子。当時のままに黒く光った。 古い友に会ったような気持ち。ゆっくりと腰掛ける。 と、懐かしい汽笛が。走り抜けていくデゴイチ。 「ありがとう、サヨウナラ」 最後の挨拶を交わした。 高校の通学にはデゴイチに乗車。それが日常だった。いつのまにか電化され、最寄駅から姿を消した。キチンとお礼と別れが言いたかったです。あ、当時利用した駅は、現在も廃駅ではありません。
花嫁は美しい。 見る者全てが溜息をつく。ウエディングドレスは貸衣装とは思えないほどに、花嫁を仕上げている。 美しい花嫁、その顔を隠さないでおくれ。 ああ、でもそのヴェールは花嫁の光と影を演出しエキゾチックに彩る。 花嫁は美しい。 花嫁よ、私の胸に飛び込んでおいで。 さあ、見知らぬ男の花嫁よ。
「ねえ、ばあば」 「なあに、メグちゃん」 「私ね、小さい頃のばあばに会いたいな」 「そうだね。ばあばも子供の頃にメグちゃんと遊びたかったよ。良い友達になれただろうにね」 そんな様子を雲の上から見ていたのは、ご先祖様。 『こちらに来れば子どもの姿に戻るけれど、それはね、まだまだずっと先よ』
歩いていたら星形の穴があった。 初めて見た。 歩いていたら四角い穴があった。 通り過ぎた。 歩いていたら三角の穴があった。 跨いで歩く。 歩いていたらハート形の穴があった。 引き込まれたら困るので無視しなきゃね。 歩いていたら丸い穴があった。 「お母さん、ただいま」 「おかえり」 星の坊やの家でした。