髪を整えるか心を整えるか 1000億の歴史の旅#4

「人は毎日髪を整える。心を整えないのはなぜか?」

この言葉を残したのは、革命家で死後も敬愛されているチェ・ゲバラだ。

彼の評価は様々で、「偉大な革命家」とも「多くの戦闘・戦争を引き起こした当事者」とも言われる。

その思想や考え方には今回も触れない。

ゲバラはその生涯で数々の革命を指揮し、ゲリラ戦を得意とし、一時期はキューバの外交も担当した優秀な人物だ。

日本にも訪れたことがあり、その際には広島にも行き、被爆者を弔ったという。(そのころはまだ有名ではなかった)

そんな経歴を持つゲバラは、なぜこの言葉を発したのだろうか。

僕が推測するに、ゲバラは相当なリーダーシップとカリスマ性を持っていた。

そして何よりも、「芯」の強い人間だった。

ゲバラは他にこんな言葉を発している。

"もしも私たちが空想家のようだと言われるのならば、救えない理想主義者だというのならば、出来もしないことを考えていると言われるのならば、何千回でも答えよう。「その通りだ」と。"

彼の心の強さが垣間見える言葉だ。

様々な革命家や仲間達と行動を共にしていく中で、アメリカなどの政治家たちだけでなく、時に仲間達に憤りを感じることもあっただろう。

そのような人々に向けたメッセージなのではないかと思う。

ゲバラはボリビアで捕まり殺される時に、「撃て!臆病者め!」と殺すことを怖がった敵の兵士に叫んでいる。

思想や考え方に関わらず、ゲバラはそのような芯のない人々を好まなかった。

それが革命という形で現れただけだ。

そのような視点から考えれば、ゲバラは危険な人物だが、新しい社会を作るためには必要不可欠な存在と言える。

ゲバラの生き様は、僕たちを奮い立たせる力がある。

考え方は自分とは違えど、そこから重要なことを学べるのだと思うと、歴史に対する興味が、より湧いてこないだろうか。


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