愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。 1000億の歴史の旅#2
偉人を紹介するにあたって、まず欠かせないのはこの人だろう。
飴と鞭を使い分け、鉄血政策でも知られるプロイセンのオットー・ファン・ビスマルク。
今回は彼について紹介する。
ビスマルクはプロイセン(現在のドイツ)で首相、外相を務め、評価が分かれる人物だ。
彼は滅亡寸前のプロイセン王国を率いて、数々の戦争に勝利し、ドイツの礎を作った人物である。(この後ドイツはナチ党によって散々なことになるのだが)
しかし、一方で「冷酷」「独裁的」「ヒトラーにつながる存在」とまで言われることもある。
これは考え方によって違うので、肯定も否定もしないでおく。詳しくはさまざまな文献を自分の目で確認し判断してほしい。
ただ一つ言えるのは、彼が相当な現実主義者だったことだ。
彼はその人生の中で、考え方が違う人とも利益があるならば積極的に関わろうとした。
社会主義で知られる、カール・マルクスなどもその一人だ。
池に落ちた泳ぎが苦手な友人に銃口を向け、友人が死に物狂いで泳いだことで助かったことに対して、「思った通りになった」と言うような男である。(神野正史『最強の教訓!世界史』より)
冷酷と言われるのも仕方がないのかもしれない。
ただ、彼はこんな言葉を残している。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
この言葉を知ったとき、僕は深い感動を覚えた。
このシリーズを始めたのもこの言葉のためだ。
歴史は、自分の経験をはるかに凌駕している。
ついつい僕は経験に頼りたくなるが、1000億人の壁を越えることはできない。
現実を見ているビスマルクだからこそ出た言葉だと思う。
ちなみにビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の後に、「そして聖人は経験から悟る」という言葉を残している。
歴史を学ぶことで経験が得られ、その経験だけで物事を判断できるようになったとき、聖人になれる。
だからこそ、歴史を学ぶべきなのだ。
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