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執筆日記をつけてみたお話

 毎年長期休みに入る前に、父がきまって僕に言っていたことがありました。


 「円グラフを作りなさい」


 円グラフで生活リズムを作って、有意義な長期休暇にしろと、長期休暇に入る頃になるといつも言うのでした。 


 まあ僕は、夏期課題のまいにち日記を最終日に書く(捏造多数)ほどの面倒くさがりでしたし、ダラダラと休暇を満喫したかったので、父の言いつけを無視していました。お父さん涙目。


 自分でスケジュールを立て、それに従って生活するということの重要性を説きたかったんだろうな、きっと。(多少)大人になった今では、父の意図が分からなくもありません。ちなみに今は、弟にも言っているみたいです。弟は僕よりも聞き分けが悪いので、絶対に従わないと思います。


 さて、父の懐かしいお説教はこれぐらいにして。半年ぶりにnoteに書いてみたいことを思いついたので、記事にしてみました。


 メインテーマは…………


「執筆量、記録してみた!」


 実は6月の間、1日の文字数を日記みたいに毎日記録してました。具体的にはその日書いた文字数や目標達成の可否、書いたもののメモetc.……。


 多分見せた方が早いですよね。こんな感じです(全部映せているわけじゃないですが……)


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 「いやお前、自分で面倒くさがりって自分で言うてたやんけ」と思ったそこのあなた。言われるのと自発的にやるのとではやる気が違うのですよ。


 突然どうしてそんなことをしたのかというと、自分の作業経過を可視化したかったのです。


 1日にどれぐらいの文字数を書いているのか。どんな状態だと多く書けるのか。自分の、物書きとしての特性をより深く知っていれば、無理なく、楽しく執筆できるのかなと。


 記録するきっかけになったのは、とある同人作家さんのブログ記事でした。その記事では、「原稿してる間は文字数をメモしておくとモチベを保ちやすい」ということが書かれていました。実際に試してみたところ、自分もモチベを維持したまま作業に取り組むことができました。


 その結果、2~5月の間に同人誌三本、合同誌寄稿ss一本を無事仕上げることができました。2月と3月は結構激務だったと思うんですけど、原稿を落とすことがなかったのは、文字数を記録して、たくさん書けた日には自分を褒めてあげたり、美味しいお菓子を食べていたからだと思うんですよね。


 その経験から「お、文字数記録しておくのは、作業のモチベを維持するのに役立つのでは……?」と思った僕は、Googleスプレッドシートに文字数を記録することにしました。今まで日記をつけるのは億劫でしたけれど、執筆日記をつけてデータが蓄積されていくのを見るのはワクワクしました。


 今回紹介するのは、6月(6日~30日まで)の執筆量の合計と平均値、目標の達成率と1日の文字数を棒グラフでまとめたものです。6月の反省も兼ねて紹介していこうと思います。物書きのモチベ維持の方法として、参考にしていただければ嬉しいです。


6月の合計文字数


 Excelで合計を出してみたところ、6月は合計で32,503字書いてたみたいです。僕もこの数字は多いのか少ないのか判断しがたいですけれど、B6二段組み同人誌で換算すると大体40ページぐらいのボリュームなのかな。そう考えると多いのかもしれません。


 他の月のデータと比べてみないと、多い少ないというのは分かりづらいかもしれませんね。


 あとでも言おうと思っていたのですが、小説は文字数という目に見える形で成果を判断できたり、平均値という形で自分のペースを調べたりできるので、進捗管理はしやすいのかなと思います。


6月の平均執筆量

 

 平均値を出せば、自分の執筆速度も分かるのかなと思い、算出してみました。

 

 一日あたり何文字書いているのか、6月の合計文字数÷24日(で合ってるよね?)、で平均値を算出してみました。結果は、1,354字でした。


 うーん……。2,000字ぐらいかなーって思ってたんですけどねー。月初めはめちゃくちゃ書いてたんですけど、先週から生活がガラリと変わって人とも話す機会が増え、疲労も蓄積されたせいで、全然書けなかったのが響いたのんですかね。こちらもデータが蓄積するに従って、自分のペースも見えてくるのかなと思います。


 余談ですが、卒論は基本的に20,000字程度ほどのボリュームみたいですね。これを言われたときに、同人誌一冊分ぐらいだなと頭の中で計算してました。同人物書き、レポートの指定文字数をssで換算しがち案件。


 6月の平均値で卒論執筆(第1稿)に何日かかるか計算すると、大体15日。順調にいけば二週間ちょいで終わる計算になると……。卒論はアウトラインが大体決まっているみたいなのでプロットを立てるのは楽な分、考察で手を焼きそうですね。ああ考えたくない……。


 全国の大学生の、一日辺りの平均執筆量っていったいどれぐらいなんでしょうね。気になります。もし知っている方がいたら教えてください。


6月の目標達成率


 執筆前に今日の目標を立て(たとえばプロットを立てる・原作を読んでアイデアを膨らます・見せ場を書き終えるなど)、それが達成できたらExcelの「目標」の列に「1」を、できなかったら「0」を記入して、棒グラフと達成率を出しました。


 グラフはこんな感じ。

スクリーンショット 2021-07-02 201901


 達成できなかった5日のうち、4日は先週の分です。先週の疲労、半端なかったんやなぁ。梅雨でしんどい日もあったんですけど、その日は目標を達成していたみたいですね。えらい(自画自賛)。


 目標達成率はだいたい8割ですね。8割といえば、センター試験の得点率だとトップ10%の層に食い込む値だった気がします。8割、いい数字じゃないか……。もちろん、100%が目標なので、ここで満足してはいけないですけれど。


 少し話が逸れるのですが、先週がボロボロで何にも書けない日が続いたので、休息をとりつつ、次の週から少しやり方を変えました。それまで夜の7時半から最低30分は必ず書くことを目標にしていましたが、疲労を考慮して30分遅らせて(夜8時)から書くようにしたら、調子を取り戻してきました。いったん書けるようになると、自然と文書ソフトを開けるようになるんですよね。


 今の目標は毎日書くことですが、途中で行き詰まったら、できなかった自分を責めるのではなく、少し計画を見直してやるのが大事かもしれませんね。


6月の1日の文字数の棒グラフ


 1日に書いた文字数を1,000字ごとに区切って、その区間に達した日数を棒グラフにしてみました(たとえば、1日に1,500字書いたのなら、1,001~2,000字の部分に入る)。


 それがこちら。


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 さっきのグラフもGoogle スプレッドシートで作成したんですけど、Excelとは作り方がどうも違うらしくて、うまくいきませんでした……。


 0字の日が8日と、いちばん多いわけですが。決してサボってばかりというわけではなく、執筆の時間をプロットや資料閲覧に費やしていたのもあります。なので0字の日を完全になくすことは不可能なのですが、目立ってしまっているのはいただけませんね。


 それ以外だと、1,000~2,000の区間が多いですね。中央値もこの区間に多分入っていますし、6月の平均値(1,354字)もこの区間なので、1日あたりの文字数はだいたい1,000~2,000字になるのかなと考えております。


その他


 今月、特に意識してやっていたことがひとつあります。目標達成率のところでもお話ししましたが、書く時間を決めて、その時間は必ずスマホ(PC)で文を打ち込むことです(最近はスマホ物書きです)。某鳥のアプリで、じゃないですよ。Google ドキュメントですよ(念押し)。


 時間を決めて書く。父が口を酸っぱくして言っていた、円グラフに則った生活を、気づかぬうちに部分的に実行していたことになりますね。


 心理学の研究によると、人は執筆を強制されている状況に置かれた人の方が、気が向いたときに執筆する人よりも、執筆量やインスピレーションの舞い降りる頻度が多くなるそうです。椅子に縛りつけられた方が、人は危機感を感じてインスピレーションも脳みそから搾り出されるのかもしれませんね。ああ、恐ろしや。もちろん個人差はあるので、自分に合った方法をチョイスするのがベストなんでしょうけど。


 かくいう僕も、最初は時間を固定して書くことに抵抗感がありました。もともとは、気が向いたときに書くタイプでしたし。気分が乗らない日はサボりたくなるじゃないですか。


 しかし、時間を決めて書くことで、「今日はちゃんと書いたんだ」という肯定感が増し、執筆量が少なかったときにもそこまで落ち込まなくなりました。目標を達成した自分を褒めてあげたくなるんですよね。何かを成し遂げたときのお菓子ほど、甘いものはありませんし。しかも、時間を決めて書くことが習慣となれば、スマホに打ち込むのもそこまで苦じゃなくなってくるのです。


 書く気が起きないという方は、いっそのこと時間を決めて、その時間だけスマホやパソコンに向き合うのはいかがでしょうか。


執筆日記をつけてみて思ったこと


 いやぁ、記録をつけるのって楽しいですね!!


 自分の執筆の様子が数字という形で見えるというのは、実にワクワクするものです。数字は、囚われすぎると精神を蝕む毒になり得る一方で、上手に付き合えば客観的に物事を見るきっかけを与えてくれる、心強いパートナーだということを改めて実感しました。


 なんで数字をつけるとやる気が湧くんだろうって思ったんですけど、多分家計簿と同じ原理なんでしょうね。(僕は家計簿をつけていないのでイメージですが)今月いくらお金を使ったのか書き出し、来月の出費について考える。数字が現状を映し出し、考える機会やこれからの目標を示唆してくれる。


 合計文字数の項でも言いましたが、進捗を数字で管理できるのは、継続的に小説を書く上で、とても便利なことだと思います。テストの点がいいと嬉しくなるように、執筆の記録を見て、文字数の多いセルを見ると達成感に満ちあふれる気がしますし。


 皆さんもぜひ、1日の終わりに執筆日記をつけてみてはいかがでしょうか。いい日記の付け方を見つけたら、僕に教えてください。参考にしたいです。


展望


 今回は特に1日辺りの文字数に焦点を当て、平均値とグラフからおおよそのペースを判断したんですけど、もっと色んな角度から分析ができると思うんですよね。


 たとえば、ある1日の天気や体調から執筆量を予測すること、とか。これって重回帰分析に当たるのでしょうか。そうなると、もっとデータが必要になるので、まいにち日記をつけたいですね。あと、統計の勉強もしないと……。


参考にしたもの


 このブログに、文字数を記録するとモチベが保てると書いてありました。他にも役立つ情報がありますので、よかったらぜひ……。

https://umaisulog.com/doujin-motivation/

 

 この本もおすすめです(特に第3章の動機付けの項)。その他の項でとりあげた実験も、ここに載っています。



 

 

 

 

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