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娘とバナナと私

小さい子ってすぐ人生に絶望しませんか?


息子がまだまだ人間よりも動物に近くて、言葉も出ていない頃の話です。
おやつなど、ご飯以外で息子が好きな食べ物を食べる時は必ず
 これで最後だからね
という言葉を添えて、最後の一口を与えていました。そうすると食べた量に関わらず、目の前で食べてなくなったことで大概納得してごちそうさまをしてくれたからです。

例えば夕方5時。
おなかが空いた、おやつが食べたいと訴えてくる息子。しかし今おやつを与えてしまうと晩ご飯が食べられなくなる。

晩ご飯が出来るまで待てるか!
オラオラさっさと出せよババァ!
何かあんだろ?あ?

なんてアテレコしたくなるくらい全身で不機嫌アピールをする息子。

うーん仕方がない、バナナ与えるか。
でも一本丸々は多いな。
でも一本丸々与えないと怒りそうだな。
よし、私も一緒に食べよう。
半分くらい食べれば満足するだろう。

そうやってバナナを一本持たせて、
お母さんにも一口ちょーだい♡と言って大人の本気の一口で半分くらいを食べてしまいます。
結局バナナ2分の1本も食べていないのですが、息子は自分の一口でバナナがなくなると満足してくれました。
チョロイものよ。


という学習を息子でしていたはずなのに。

昨日娘がおやつのバナナを食べたがったので半分ほど皮を剥いて差し出したのですが、何が気に入らないのがプギャー!とお怒りになって食べません。

おいおいイヤイヤ期にはまだ早いぜ?
お母さんは君のお兄さんのイヤイヤ期で毛細血管が2万本くらい切れたから、君のイヤイヤには付き合うつもりはないぜ?

なだめつつ視界にバナナを置き続け、ようやく食べ始めたものの、半分食べてごちそうさまポーズ。
はい、もういらないのね。じゃあ残りはお母さんが食べよう。もぐもぐ。はい、おーしまい。


ィアァァァァーーーー!!!!!怒
訳:アタシ、まだ食べたかったんですけど怒


くそっ!!
さっきのごちそうさまはブラフだったか…!!

泣かれた所でバナナはもうありません。
娘は土下座ポーズで号泣しています。
そんなに泣かなんですか?ってくらい泣きます。
アタシの人生終わった感がすごい。

ごめんごめん。ごめんってば。
そんなに絶望しないでよ。でもありがとう。
お母さん昨日、自分が人生で1番絶望してた頃の話をnoteに書いたけど、あなたが今バナナを食べれなくて全身で絶望してる姿を見ると、何かもう本当の意味で「そういやそんな時期もあったな」って思えてくるよ。
なんでか分からないけどそんな気がしてくるんだよ。

バナナ食べたかったよね。悲しいよね。
食べたかったのに!ってたくさん泣いてね。
お母さんはあなたが泣き止むまで待ってるよ。


私も、泣き止むまで待ってもらったんだよね


ということを思い出した日曜日でした。

あ、バナナは追加であげませんでした。
いつでも食べられると思うなよ。



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