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バースプランと胎盤
妊娠して初めてバースプランという単語を知りました。
平たくいうと妊婦自身が「どのように出産したいか」を具体的に書いたプランです。
プラン内容が必ず保障される訳ではありません。あくまで要望で、内容は基本的に自由です。
無痛分娩がいい、ソフロロジーをしたい、陣痛の際は好きな音楽を流して欲しい、アロマを焚いて欲しい、カンガルーケアをしてほしい、臍の緒は夫に切って欲しい…といった具合に、ある意味出産をイベント化していると揶揄されることもあるくらい要望は多岐に渡ります。
しかし中には、分娩室には夫以外入れないで欲しい、産後夫以外の訪問は断って欲しい、産まれたことを電話で問い合わせされても誰にも答えないで欲しいなど、産婦の家庭事情への配慮も書けます。
妊娠出産って本当にセンシティブです。
1人目(息子)の妊娠後期、病院に提出したバースプランには
・無事に産む為なら何をしても構いません。
と一言だけ書きました。
正直何を書いたらいいのかも分かりませんでした。
私は妊娠19週から35週まで切迫早産のために長期入院しており、約3ヶ月半の間
・24時間点滴
・トイレと食事以外は寝たきり
・3日に1回シャワー(入浴不可)
という生活だったので、マジで無事に産めれば何だっていいよの境地でした。
この辺の話はいずれ記事にしたい。
息子の出産は28時間かかり、出産直後は「私まだ生きてる…」状態だったので、アロマや音楽を流した所で何の意味もなかったでしょうね。
発狂しなかっただけエライと自分を褒めたかった出産でした。
そんな経験を踏まえて、2人目(娘)の出産前にもまた、バースプランを提出しました。(同じ病院)
出産にあたり要望等をご自由に書いてください、の欄に以下のことを書きました。
・無事に産む為なら何をしても構いません。
・胎盤が見たいです。
・う◯こ漏らしたらすみません。
・ゲロ吐いたらすみません。
要望が増えました。
おそらくこれが最後の出産になるため、自分の内臓(?)をナマで見るのは最後のチャンスだ!!と思って書きました。
あと2つは要望でもなんでもありません。
ただの事前の謝罪です。
バースプランを見ながら助産師さんと面談しました。
胎盤見れますよーいいですよー
あ、コレ(う◯ことゲロへの謝罪)はですね、本当に皆さんすみませんすみませんって言われるんですけど、全く気にしなくて大丈夫ですよ(ニッコリ)
神…なんて尊い仕事…
陣痛がめちゃくちゃ痛いという話は色んな人から聞いていましたが、まさか色んな別のモノが出てくるなんて産むまで知りませんでした。
分娩台の上で
痛い痛い痛い出る出る出るヴォエェェ!!!
ってなるなんて聞いてない。
痛いしか覚悟してきてない。
産後が屍過ぎて、私のナースコール連打に付き合ってくれた助産師さんにお礼も謝罪もしていない。
というのが前回の出産の心残りでした。
多分今回も漏らすし吐くだろう。
それなのに胎盤が見たいなんてしょうもない希望まで書いてすみません…と、自分で書いておきながらお仕事を増やすようなことだったなと少し後悔しました。
でも見てみたい。自分の胎盤を見るチャンスなんてもうない。
その他、前回の分娩が28時間かかってるので今回も長時間になるのか不安だ等々、事前に心配していることを聞いてくれました。
助産師さん本当にすごい。ありがたい。
結局娘の出産は、ドラマのように突然お腹がイタタタタ!(激痛5分感覚)となり、即病院→オギャー!までが3時間半というスピード出産。
あれ、もう終わり?と分娩台の上で普通に会話できるくらい元気でした。
心配していた粗相をする間もなく娘はプリッと出てきたので、本当にありがたかったです。
なんて親孝行な娘…
そして念願?の胎盤も見せてもらいました。
これが羊膜、内側と外側。こんなに広がります。
これが臍の緒、こっちが赤ちゃんまで繋がってました。触ってみます?
と、若い助産師さんが簡単に講義してくれました。
ゴム手袋越しに触った胎盤は思っていたより重くて、ものすごい太い血管が木の根のように張り巡らされた肉の塊でした。
胎児が大きいと胎盤も大きくなるらしいです。
40週かけて娘と共に大きくなって、娘の命を繋いだ胎盤。
ついさっきまで私の中にあった胎盤。
役目を終えたらすぐに子宮から剥がれて出てきました。
哺乳類(メス)の身体ってよくできてんなぁ…
と少し感慨深くなりました。
そして、これだけ大量の血管を含んだ肉の塊がいきなりなくなってるのに輸血しなくていいとは。これだけの大きさのものが剥がれてるということは。子宮の中は…。
「出産は重傷」は嘘ではないなと産後の安静を心に誓いました。
出産に立ち会った夫は、私がゴム手袋をつけて羊膜を広げて「わーすごーい!」とか言って産後ハイで興奮する姿にドン引きしていました。
愛する妻の胎盤なのに。引くなよ。
出産直後の胎盤講義はなかなか面白い体験でした。
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