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結婚と妥協

10代20代の頃、職場をはじめあらゆる場所で男女問わず「どんな人がタイプ?」という質問をされました。
私はこの手の質問は今日天気いいよねレベルの世間話だと思っているので、場繋ぎと思って理想の男性のタイプをネタに盛り上がる雑談になるよう答えていました。

まず、外見で好きなタイプの芸能人の名前は出しませんでした。
「イケメンは苦手なんですよね」と答えると大体の人が「え、なんで?」と聞いてくるので「だってイケメンってブスを迫害するじゃないですか。人権は大事。」と答えると「なんそれwww」とちょっとその場が和みます。
私の独断と偏見ですけどね、という注釈は必ず加えますが、まぁ所詮場繋ぎ的な雑談なのでちょっと会話が盛り上がればそれでいいのです。
外見の理想は「ここがもうちょっとこうだったらイケメンだったのに惜しいね」って顔が好きですと答えていました。
大体の人に当てはまります。無難が1番。

しかしメインは性格(中身)です。
外見がどんだけ好みでも、性格が破綻していればただの事故物件です。
ただ、中身の理想も挙げていけばキリがありません。若ければ若いほど、この性格の理想は多い(細かい)んじゃないかなと個人的には思っています。

私も若い頃は理想の男性像がありました。
優しいとか面白いとかに始まり、連絡がマメ、浮気しない、束縛しない、ちょっと俺様系とか。
でも付き合うまではいかなくても男性と話す機会を重ねると自分の理想と現実が分かってくる訳です。

ゴリゴリの少女漫画脳だった私はろくに男の子と付き合ったことが無かった頃、ちょっと不器用無口な、でも肝心な時は強引でS系な人が理想でした。
ヒロインのことが好きで何度強引に押しても肝心なところは押し切れずに振られる噛ませ犬系男子とか大好物だよ!ジュルリ。

しかし、現実でちょっとSっぽい男性と話すと
あ…この人めんどくさい…
と思ってしまうことが多々あり、「俺様系は見るのはいいけど相性は絶対悪いな」と早々に気付きました。私にMの才能はなかった。

こんな感じの細かい経験を重ねた結果、辿り着いた私の理想は以下の3点でした。

①食べ物の好き嫌いが少ない
好き嫌いがない人はいない。でも多いと困る。
好き嫌いがめちゃくちゃ多い人と付き合った時に痛感しました。
外食が圧倒的に楽しくない。つらい。

②仕事してる
生計を立てよう。話はそれからだ。

③タバコを吸わない
家族親族に喫煙者がいなかったせいか、どんなに頑張ってもタバコの匂いに耐えられなくて一緒にいるのがつらくなってしまう。

好きな男性のタイプとしてこの3点を話すと
①→あぁ、まぁわかる。
②→え、そこから?
③→あー…難しいかもね。
という反応をされました。

婚活を真剣に考え始めた頃、この3点だけは絶対に妥協しないと決めました。
外見は清潔感があって生理的に無理じゃなければOK。

しかしながら周りの既婚諸先輩方からは、結婚は妥協だと言われました。
いや、私は妥協しない。絶対にこの3つだけは譲れない。そんなに贅沢な条件とは思えない。
本当は高校(大学)時代からずっと付き合ってた彼氏と結婚しましたーとかいうのに憧れてたけど、誰と付き合っても長続きしないのだからいっそ条件を固定した方が分かりやすい。
結婚は賭けだ。
この譲れない条件を満たした相手に人生をベットしよう。


夫と出会ったとき、「この人となら一緒に暮らせる」と思いました。
夫と結婚したい理由ではなく、結婚しない理由がなかったのです。
ただ、夫は喫煙者でした。

うわぁぁぁぁぁどうしようぅぅぅぅぅ
これが妥協?妥協なの?
タバコ…我慢できる?できるの私?
いや無理だ。だって今までタバコが理由で何人と別れた??(3人)
タバコ苦手なんだよね、って言っても結局時間が経てばなぁなぁになって目の前で吸われてきた。
嫌われたくないから我慢して、でもどんなに好きでも一緒にいるのが嫌になるんだ。我慢するのは嫌だ。でもこの人と別れるのも嫌だ。
悩んだ結果、どストレートにお願いしました。

私どうしてもタバコが我慢できないんだよね。
今までタバコが理由で別れたこともある。
辞めろとはいわない。
でも絶対に目の前で吸わないで欲しい。
あなたとタバコを理由に別れたくない。

夫「うん、わかった。」


今まで一度も夫は私の前でタバコを吸ったことがありません。
1本くらいいいでしょ?換気扇の下ならいいでしょ?と聞かれたことすらないです。
ありがとう夫。

そんな夫は布団の中で悪意を持って放屁します。
ああ、これが妥協か。確かに妥協だわ。


今のところ賭けには勝ってます。



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