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子育てと持久走

「子どもの運動神経の良し悪しは母親に由来する」という話を聞いて、
鬼ごっこで鬼になったら永遠に鬼になってしまう母の運動神経を許しておくれ…
という気持ちになりました。



一応科学的根拠はあるらしいですが、後天的要素もかなり大きい話なので間に受けなくていいと思ってます。
気にするのは一流アスリートくらいかと。
私はネタと思って受け止めました。


息子の保育園は天気の良い日は午前中かけっこをします。身体を動かすことが目的だと思いますが、最後まで走ること、競争意識、仲間意識等も育てているのでしょう。

そのかけっこで、息子は常にダントツでビリです。去年の運動会も2月にあったマラソン大会も安定のビリ。
多分競争ってわかってない。
園庭のトラックを走ってる間、私の目の前を通るたびに律儀に笑顔で手を振る息子。
テレテレるんるん走ってゴール。
途中で歩かないだけまだいいか。いいのか?
まぁいいや。


子どもの頃、持久走の授業が大嫌いでした。
心臓が爆発するんじゃないかってくらい苦しい時間がゴールするまで永遠に続く。
高校のマラソン大会は10kmだったので本当に死ぬかと思いました。

もう歩きたい、止まりたい、でも歩いてしまうのはなんか悔しい、あの電柱まで、やっぱり無理、吐きそう…

100メートル走ったくらいでもうこんなことを考え始めます。
そして走ってる最中どうしても目に入るのが、必死で走る子どもを見守る近所の方。

持久走の授業って学校周辺の道路を走りますよね?
学校の立地によっては山走ったり海辺走ったりしますよね?
そしてその子どもが走ってる光景を玄関前の椅子やブロック塀に腰掛けて微笑ましく見守って下さるおばあちゃんとか、犬の散歩してるついでに応援してくれるおじいちゃんとかいましたよね?
あと、きつくて歩いてると「ほら頑張らんねー」とか言ってくるおばちゃん。
うるせぇ死ぬ気で頑張っとるわ!!怒

私は、あの高みの見物してる側(言い方…)に早くなりたい!と思いながら走ってました。
完全な観客。きついことやってる人を見る側。
羨ましい!!

で、今や念願のそっち側です。

近所に中学校があります。
コロナ以降は校外で生徒がマラソンする姿は見ませんが、以前はたまに見かけました。
子どもを散歩させてるときに鉢合うと
 ほらーお兄ちゃんたちすごいねー
 たくさん走ってるねー
と息子に話しかけながら心の中で応援していました。
持久走めっちゃきついよね。わかるわかる。

そしてそんな私と子どもを見る、これまた農作業中のお婆ちゃんが
 いくつ?かわいかなぁ(可愛いね)
 これ食ぶんな?(これ食べる?)
と声をかけてきて柑橘類とか芋とか豆とかくれます。※知らない人です。
きっともう子育ても終わって、そこそこ大きな孫が何人かいる世代です。

私もいつかそちら側に行くのだろうな。
子育てめっちゃきついよね。わかるわかる。
忘れたくない時間だよね。わかるわかる。
これ食べる?
なんて思うんだろうな。


あぁ私は今まだ持久走中なんだな。
足遅いけど止まらずに走ろう。

いつか頑張ってたなぁと笑えますように。



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