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エッセイ 【不思議な話】

10年ぐらい前に『世にも奇妙な物語』のドラマの中で『相席の恋人』という作品があった。タイムスリップのSFの作品で主人公である女性(倉科カナ)がいつもいく喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読んでいると、未来から来たという旦那さん(宇津井健うついけん)に会うというといった内容。(今でもGoogle検索で「相席の恋人」と検索するとでできます)

このドラマをなぜか友達の家族と一緒に観ていたときに友達の奥さんが「このドラマの原作を読んだことがある」と突然言い始め、それが本当に合っていたのと、原作とドラマの違いみたいな話があって、原作では未来の旦那さんには会っていなくて本を読んで未来に会う場所で待っているといった内容だった。(それも妙にリアルだった)

ドラマの話の内容としては旦那である宇津井健さんがおじいさんなんだけど、過去の奥さんである倉科カナさんに会いにいくという設定で、倉科カナさんは現在同棲相手の交際している彼氏が宇津井健さんなんだと思って楽しく会話をする。けれどそうではなくて現在の彼とはうまくいかずに同棲も解消して別れてしまう。

実は倉科カナさんが最も落ち込んでいるときに未来の旦那さんである宇津井健さんが励ましにきていてたというストーリーで、宇津井健さんは死ぬ間際に会いにいくことを許されていたので真実を知った時には未来の旦那さんは亡くなってしまっていた。

そして、時は少し流れて、倉科カナさんは未来に会うであろう宇津井健さんに会うためにその喫茶店に足繫く通い、最後に若かりし未来の旦那さんに出会いといった感じで「世にも奇妙な物語」では珍しいハッピーエンドで終わっていた。

ちょっと感動する内容と若い倉科カナさんと渋めの宇津井健さんとが印象的なドラマだった。宇津井健さんはその後しばらくして本当に亡くなってしまったこともすごく印象に残るドラマになっていた。原作を読んでみたいとふと思ってネットで調べるけど、作品が放送されたばかりでは情報が薄いし、友達の奥さんもタイトルを記憶していなかったためにそれ以上調べられずそのまま月日は流れた。

YouTubeでちょっと前にこのドラマのことが流れているのを観て、懐かしく思って調べてみると原作はなく和田清人わだきよとさんのオリジナル脚本の作品だということを知った。あれ?と思いながらお盆休みに友達夫婦に会うことも重なり、そのことを聞いてみた。すると、「そんなことはしゃべった記憶がない」という???

そのドラマってどんなのだっけ?」と聞かれてしまった。友達に確認すると友達は覚えていた。奥さんはもともとそんなにしゃべる人でないし、映画とかドラマとかが好きな友達に対して、あまり興味がないのもあって、そんな人がこんな時に……というのもあって鮮明に覚えていた。友達も僕もミステリー好きというのもあって、仮説をいくつかたててみた。

  1. そもそもしゃべっていない。 → 2人が覚えている。(友達・僕)というのとドラマを見たのは薄っすらと奥さんも覚えていた。

  2. 奥さんのど忘れ。 → その部分をはっきりと覚えていない。コレコレと説明するたびに本当に知らないというのがハッキリしてきた。

  3. 世界が入れ替わっている。→ 奥さんと僕らの住む世界がその時だけ入れ替わったとするなら、一緒に住んでいるほうが起こりやすいのにそんなことはない今までないというのがわかった。つまりはあの時のドラマを見た時のしゃべった記憶だけが特別

  4. 奥さんがその時だけ違う人だった。 → 実は奥さんは2人いてなぜか偶然に入れ替わってしまって、すぐに元に戻った。これも、それなら他の時にあってもよさそうだし、2重人格みたいなものなら尚更なんだけど、そんなことは今までなかったし、そのあともないという。

なんかミステリアスな話になってしまったけど、つい最近にあった不思議な話だった。その和田清人さん脚本の最新のドラマが始まっていた。そしてとても面白い。『たそがれ優作』という原作が『深夜食堂』の作家安倍 夜郎あべやろうの原作なんだけど、原作は食事のことが中心に書かれているのに対してドラマは優作の恋が中心になっている。

優作役に北村 有起哉きたむらゆきやさんが演じていて、いぶし銀の感じを醸し出しているし、毎回変わるヒロインもいい感じがする。BS11なのでリアルタイムでというよりはネットで見たほうがいい感じなんだけど。

テレ東のこの辺のドラマってちょっと東京の穴場みたいな店とか、部屋のチョイスが映画っぽくて好きなのもありますが面白いです。

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