日本BLドラマ「ポルノグラファー」第1話を本気で見た

このnoteを始める前から自分の琴線に触れたドラマの超個人的な感想などを書くようにしていて、このポルノグラファー関連の記事は、だいたい2年前に地上波で放送、FODで配信された時に別のブログで書いていたものです。

そして、この度は2021年に映画化されるという話を伺って「これはとんでもないことになったぞ!!」ということで、今アジア映画とドラマについて書いているnoteに引っ張って来ました。めでたいです。

劇場版ポルノグラファー プレイバック

映画の公開をお祝いするという意味と、今アジアのBLがすごく注目されている中でこの日本らしい(というと何かしら語弊と誤解が生まれそうですがあえて)BLを改めて見ていきたいなというところです。
まだご覧になっていない方はぜひ。FODの見放題で見られます。

原作はこちらです。とにかくすごい。


さて、ポルノグラファー第1話。こちら安定のネタバレも大ネタバレですのでご覧になってない方はご注意ください。
副題は未知なる感情の目覚め。

天気も良く、自然があるいい感じの街で自転車に乗ってる平凡な大学生の久住くん。
ここで青天の霹靂、ちょっと時計見てよそ見してたら出会い頭にぼんやりと歩いていた木島先生とガッツリ衝突。

この衝突した後、病院の駐輪場映ってるカットでひぐらし?セミ?の鳴き声が季節感と同時に不安を煽ってくる感じがまた……このドラマは何となく一貫して湿り気があるっていうか、陰湿な雰囲気が漂ってるところが結構好き。日活ロマンポルノっぽい。怪談とか、なんかこう日本独特のじめじめとした感じの色気。

全治2ヶ月の怪我を負ってしまった先生。なかなかの大怪我です。

この待合室のシーンで久住くんのモノローグがあるということは、久住くん視点でドラマが進んでいくことを意味するのではないかと思います。とりあえず正直者で素直な久住くんは、自分の身分を明かすために学生証を見せると、
先生「久住、春彦くん……学生さんなんだ」
久住くん「あの、俺、保険とかにも入ってなくて、正直金もないんですけど……ちゃんと働いて治療費払いますんで……今回は本当にすいませんでした!」と、人目もはばからず大きめの声で謝る。周りからクスクスされて慌てる久住くん。

すると、先生はおもむろに「ねえ、君。漢字って得意?」と聞く。久住くんは「漢検1級持ってます。高校の時に取らされて……」「じゃあ君さ、さっそく働かない?」

病院からの帰り道、木島先生の仕事は小説家をやっていることを知る。
「えー!すごいっすね!」とキラキラした顔で木島先生を見上げます。素直な子。今月の締め切り3本、アイディアはあるのに手がこの通りだから……と言われるとしゅんとして「ああ、すいません……」と謝る。まったく素直な子です。
「だから、働いて欲しいんだ。僕が読むものを原稿用紙に書き取って欲しい。できそう?」

ここの、できそう?っていう、ちょっと強めな言い方が相当好き。まぁ被害者と加害者だから当たり前ではありますが、久住くんとの関係において木島先生がイニシアティブを握ってる感が強く出てていい感じ。

久住くんは目を輝かせて「やります!ああ、いや、やらせてください!」と木島先生を見る。マジ文系でよかったよね。
なんと先生は「治療費はいいよ。これで示談ってことにしよう」と、久住くん的には願ってもない申し出。先生の慈悲のおかげで、久住くんは今後の治療費支払い地獄を免れることができたという。背後を走る西武線が気になりますが次に進みましょう。

いや〜〜今回はマジでツイてたな、久住くん……と思ったのも束の間でした。世の中ってそんなに甘くない……。

さっそく木島先生の家でせっせと書き取る久住くんですが、読み上げてる内容の様子がどう考えてもおかしい。煙草を吸いながら瑠璃子が光彦を誘う様を淡々と読み上げる先生を、時折何か言いたげにチラッと見つつ頑張って書き取る久住くん。内容がまた淡々とエスカレートしていくのでさすがに筆を止め、久住くんの質問タイム突入。

「先生、すいません。質問です」「はい」

ここの先生のややすっとぼけた「はい」が秀逸でした。絶対に聞かれてること分かってるのにちょっとすっとぼける先生……強めの魔性の片鱗が……。

「途中からすごい気になってたんですけど、この話って」「義母ものだね」「いやいやいや、そういうことじゃなくて」

そこでようやく察した風の先生は、自分がポルノ作家「鬼島蓮二郎」をやっていることをさらりと打ち明け、自分の書いた小説を久住くんに見せます。初めてのポルノ小説に「うわあ、すげえタイトル」と興味津々。

「君みたいな若い子は、あまり手に取らないだろうなあ」「そんな歳、変わんないんじゃないっすか?」久住くんはあとで先生の年齢を知ってビビることになりますが、なんか浮世離れしたエロい人って見た目の年齢不詳みたいなところあるよね。ちょっと分かる。
「ちょっとセクハラみたいで悪いんだけど……続けても大丈夫?」「あっ、もちろん!」

なんとなく先生の禁欲的な見た目とのギャップに驚く久住くん。しかし一応は加害者なので、気を遣って「エロいの嫌いな男なんていないでしょう。ちょっとびっくりしただけです」と平静を装いますが、内心では「(こんなえげつないことばっか考えてんだ……この人……)」とドン引き。

引き続き、瑠璃子と光彦のエロシーンを淡々と読み上げる先生。日常生活では聞いたことない特殊ワードが次々に久住くんを襲います。「ちょ、ストップストップ……!全然わからないです……」
先生は特殊ワードの漢字を説明し、疑いのまなざしと共に「漢検1級なんだよね?」。

……ちょっと急にテンション変わりますけど、ここの先生が超かわいくないですか?よく分かんないけどすっごいかわいい。ものすごい再現力。ここの仕草も口調も強気に出てるっぽいのに超かわいくて情緒が不安定になった。これだから魔性は……。

「まあ、無理ないか」とは言いつつ「でも、この手のテクニカルタームはなるべく覚えてもらいたいなあ。コツを掴めばすぐ想像できるよ」「はあ……(淫語のエキスパートになってしまうな、これ……)」
淫語への一抹の不安を抱きつつ、どうにか夜10時過ぎまで仕事を全うする。素直で真面目ないい子です。

仕事を終えて労いのビールを久住くんに渡しながら「そうだ、次までに僕の本、何冊か読んできてもらっていいかな。人妻系とか陵辱監禁物とか好きそうだよね、君」
あ、あの……先生……お言葉ですが、それは結構シンプルなセクハラです……でも久住くんが人妻系が好きそうなのちょっと分かる……「勝手に決めないでくださいよ」
これは大変申し訳なかった。うっかり私までセクハラに加担しそうになったところで、久住くんは先生の本名で書かれた本を見つけます。いや~~さすがの久住さん!目の付け所が最高ですね。
「懐かしいねえ。それはポルノじゃない僕の小説だよ。それ、その中でも特に全然売れなかったやつ。ありがちだけど、純文くずれってやつでね……金に困ってポルノ書いてみたら意外に評判良くて、そのままズルズルと。わりと抜けるって話だよ」
この煙草くわえながらしゃべってる時、超最高。どう最高かは百聞は一見に如かず。FOD登録待ったなし。

そこで選んだ久住くんのタイトルが「縛愛」で、勝手に決めないでって言った割に先生の勘があながち間違ってなくて笑った。分かりやす。ちなみに私は花びらコンパニオンが気になりました。
そして、言われたとおりに持ち帰って読んでみた久住くん、まんまと先生のポルノ小説で抜いてしまう。「小説で抜くとか初めてなんですけど……」
先生のおかげで完全に新しい扉を開いてしまうの巻。人生ってどこで狂うか分からないよね。

先生のことがもっと知りたいとポルノではない小説も借りてはいたものの、内容が難しくてちゃんと読む気がしない。そりゃまあ……あなた一仕事終えてますしね……とか思ってたら、最後に若かりし先生の写真。「(先生、若……眼鏡ないとこんな顔なんだ……)」
この久住くんの顔を見ると、ヤダこの子、一気に恋に向かって傾いたんですけど……っていうのが分かるので見所です。

翌日。久住くんが書いた原稿が担当からオッケーを貰えたと聞いて喜ぶ。
キッチンでコーヒーを淹れようとする先生を見て、久住くんは「あ、先生、俺やりますよ。すいません、気が付かなくて……あの、何でも言ってくださいね。掃除でも買い物でもやりますから」と健気さを見せる。そして先生は煙草を吸いながら「助かるよ」と儚げに微笑みかけるのです。そんな先生にジワジワと心を囚われはじめている久住くん(無自覚)……。

今度の作品は女教師ものとのこと。「どんな感じっすか?」と、最初ドン引きしてたのに今や完全に前のめりな久住くんがとっても素直。
主人公は童貞で女教師にリードされるけど次第にSMに発展するっていう内容だと聞いて「そういうネタってどうやって考えるんですか?」と疑問をぶつけます。

「定番ネタから適当に見繕って……あとSM系。描写がわりと評判良くて、そういう方向に持っていきがちかも」「あっ、こないだ読んだ”縛愛”!あれすっごい良かったですよね!ハードなんだけど、なんか品があって」
やや興奮気味に作者に良さを語る久住くん。何せこの男、読んでしっかり抜いてるからな……いやでも、彼はとっても良いファンだと思います。実際、作者に直接感想を言えるのってすごく幸せなことであります。作者にとってもファンにとってもwin-win。
そしてどうやら久住くんは緊縛の細かい描写がお気に入りとのこと。でしょうね感。
当時、資料やインタビューをして頑張って書いた先生は「本格SM作家なんて言われたりして恥ずかしかったなあ。でも、本当の好事家に読まれたらと思うとね。僕の話なんてほとんど妄想だから」「そんなこと言っちゃってぇ、意外と経験豊富だったりして?」「いやいや、妄想8割って感じかな」
8割……?ますます先生への興味が尽きない久住くん「(あとの2割は……まさか実際SM好きだったりするのかな……)」

さて仕事を再開し、また淡々とドエロい女教師物を読み上げる先生。同じようにせっせと書き取る久住くんですが、そこは新しい扉を開いてしまったNEW久住。
このへんから久住くんの妄想の暴走が止まりません。

先生の声から女教師と童貞の主人公の情景をありありと思いうかべ、気休めの念も虚しく「(やばい、これはまさかの、完勃ちしてしまった……)」
すごいどうでもいいけど、ここの目を見開いてる猪塚さんって白目が綺麗でした。
「(ここんとこ、先生の小説で抜いてたから……どうする……トイレ休憩って言うか?どうする……?!)」と窮地に立たされたところで、先生に「ねえ、勃ってるよ」と言われるNEW久住「エッ!?!?」

それはもうとんでもないタイミングで言われたので、思わず立ち上がって動揺を表に出してしまいますが、先生が言ったのは女教師のセリフ。
完全なる墓穴を掘るNEW久住。お疲れ様です。ここまできれいに掘る墓穴もなかなか見たことありません。どうか強く生きてほしい。

「なに、本当に勃っちゃったの?」
先生めっちゃ笑うじゃん。こんなにダイレクトに反応を貰ったのは初めてだとニヤニヤ喜ぶ先生。「からかわないでくださいよ……」とうろたえまくりの久住くんに近づいて、耳元でそっと囁きます。
「ねえ、抜いてあげようか。右手はちょっと使えないから、口でしてあげる」

ただならぬ状況に固まる久住くんを見て「なんちゃって」と歯を見せて笑う。女教師がいかにもいいそうだろ?つって。いや~~~~目覚めたばかりのいたいけなNEW久住になんて悪趣味極まりないことを……しかし、先生の顔はかわいい……この魔性……。

「ちょっと休憩しようか。トイレで抜いておいでよ」「え?!」「きつくない?デニムだし」
ここは自分で掘った墓穴に頭から突っ込んで死にそうな久住くんに対して、先生は全然「いやー夏って暑いよね」くらいの軽さで言うから面白い。すごい温度差。

さすがに人の家で抜くのは……と、しばし(数秒)悩んだ久住くんでしたが、結局トイレを借りに走るっていう。扉を閉め、思い返される先ほどの先生の言葉。
先生はトイレの方を振り返り「なんかよかったなあ、さっきの感じ。ネタになりそう」とつぶやいて、嬉しそうに笑って左手でさらさらと何かを書き留め……る?????

ハイ、ここでとんでもびっくりサプライズ。なんと先生は左利きでした!!!!
あーー怖い!!!!すごく怖い!!!しかもそんなことはつゆ知らず、トイレで抜いてるNEW久住!!おい!!!抜いてる場合じゃないぞ!!!なんだこの状況!!!???どっちも怖いんだけど!!??何!?

といった所で、1話は終わります。
改めて見てもパンチが効いている。いやまず、30分間で2回も主人公の自慰シーンを見ることになるとは思わないじゃないですか?強すぎる。フジテレビったら昨今のテレビドラマに一石投じてきたよね。このまま攻めていこう。

まず喫煙シーンだって減らされる一方なのに先生ったらガンガン吸うもんね。常に我が道を行く。ちなみに銘柄はHOPEの多分メンソールかな……?個人的に先生のイメージに合ってんなって感じがします。HOPEは香料に蜂蜜が使われてまして、なんかあの甘いメンソール(風味)ってとってもイメージ通り。

大学時代に煙草のデザインに興味があって、そこそこ調べたことがあるんですが、HOPEのパッケージはキューピッドの矢をイメージしたものであります。キューピッドはローマ神話のクピドのことでもあり、ギリシャ神話でいうところのエロス。
情動的で受苦の愛。エロスは弓矢を使って人を撃って遊んでいたりしたのを思い出すと、尚更HOPEを吸う先生……まさに……いたずらに久住くんに矢を撃って……っていうやつかなって。
ドラマの中で意味のない小道具はないと思ってますが、これは全部私の妄想です。失礼しました……

2話につづく!


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