日本BLドラマ「ポルノグラファー」第3話を本気で見た

ブログで記事を書いていた時、この3話から書き始めていました。
3話にはすごいキーポイントになるシーンがあって、初見の時は本当に衝撃的でした。こんなにも体当たりのシーンが撮れるのすごいな!!と思って。しかもエグさがない。
俳優さんの力と撮影された技術の力と監督の演出の力あってのシーンだと思うんですけど、感動しました。ブルーレイで見ないといけないブルーレイポイントが存在します。

そんな第3話。欲望と衝動の夜。

木島先生は城戸と外に出て何やらこっそり打ち合わせをした後、久住くんにちょっとお酒とか買ってきてよとお金を渡す。
この時の久住くんの顔が「今ここに俺がいるの邪魔ってことかよ……」みたいな不服な顔してて大変可愛いです。それに対しての木島先生の笑顔がまた……いやらしいっていうか……。エロという言葉を擬人化したらこうなるな?って感じ。この上ないほど褒めてます。

言われるがままに深夜までやってるスーパーで買い出しをする久住くん。ご機嫌斜め。「(なんか、体よく追い払われた気がする……ていうか、あの二人距離近すぎじゃないか?それに、担当でも友達でも部屋の合鍵持ってるっておかしくね?)」
そして、あの二人の間の妙な空気感にスーパーの中心で良からぬ妄想がはかどってしまう久住くん。

以下、久住くんの妄想。
二人きりの部屋(暗め)で城戸「まったくお前は、相手にしないとすぐこれだ……いつのまに連れ込んだんだ?あの若い男」と言いながら、後ろからシャツのボタンを器用に外していく。木島先生はうんざりしたような声で「だから言ってるだろ、彼とは何でもないって」と立ち上がると、城戸にシャツを剥がれ、なんと胸をわしづかみに。
「どうだか?こんなスケベな体じゃなあ……」と揉みしだかれます。小さくあえぎながら弱々しく拒否する木島先生。
「いつでもやらせる約束だろ?」「そんな約束……」と城戸から顔を逸らすと、城戸が「もう仕事回してやんねえぞ」と脅すわけです。「勝手にしろよ……」とまた弱々しく突き放す木島先生を無理矢理脱がせにかかる城戸。
「僕はもう、お前とは」と言いかけた木島先生の口を手でふさぐ。鈍く光る指輪。そこでまた冷たく「うるせえ。木島先生は何が欲しいの?言ってみな」と詰める。
「お仕事じゃねえの」とダメ押しすると、木島先生は「お仕事より、城戸くんの……」と言いながら目線を下に向けて笑う。超いやらしい。
その言葉に気を良くした城戸は木島先生をテーブルに押し付け、荒々しく洋服を脱ぎ捨て、二人はまるで獣のように……。
妄想終わり。

……いや、何この妄想。
ちょっとポテンシャルがすごくない?多分だけど先生の著者の応用を効かせすぎじゃない??え???
そこでハッ!!!と我に返る久住くん。

「最低だ……」とスーパーの中心で猛烈な自己嫌悪。自分でも妄想力をコントロールできなくなってて大変かわいそう……。ここで分かるのは、久住くんは木島先生のことを抱きたいっていうのが潜在的に芽生えてんなっていうことですよね。久住、お前ってやつは……本当正直だな……。

木島先生と城戸にそんな妄想のような関係は「ないよ!絶対ない!!!」とは思いつつも、ダッシュで帰る久住くん。

一方、家では二人きりで神妙な雰囲気。
城戸「本当に大丈夫なのか、お前。そもそも、ちゃんと書けてるのか」
木島先生「悪い、もう少しだけ待ってほしいんだ」
城戸「待つよ。俺は待つけどさ、そこまでして書かなくてもいいんじゃねえか」木島先生「そうかもしれないね」

これは1話と2話ですでに明らかになっている事なんですけど、木島先生がケガをしたのは右腕で、利き手は左手。だから久住くんに口述筆記させなくても普通に自分で書ける。
ここでの城戸の言う「そこまでしなくて」は、久住くんを使うことを言っていると仮定して、木島先生は「あの子に手伝ってもらうのが、なんだか楽しくなってきちゃってね」と言う。

きっと久住くんに口述筆記させるっていうのは軽い気持ちの思い付きから始まったんだけど、久住くんは昔の自分の小説をちゃんと読んでくるし、テクニカルタームを頭に入れて筆記できるようになって、真っすぐ自分に歩み寄ろうとしてくる。
そんな久住くんとの空間が本当にだんだん心地よくなってきて、突然連絡して家にやってきた城戸に邪魔されることを強く嫌がってたわけです。

そこで突然駆け込んできた久住くん「せんせい!!!!」タイミングがすごいな。
もちろん久住くんのえげつない妄想のような光景は広がっておらず、木島先生と城戸に「どうしたの?走ってきたの?」とポカンとされる。それで「早い方がいいかと思って……」と苦しい言い訳を二人に笑われるっていう。か、かわいい。

酒を飲みながら過去を語る木島先生と城戸。大学のゼミでのこととか、木島先生に男友達が全然いない話とか。
城戸は「君も気を付けろよ。こいつ、こんな感じの顔して相当スケコマシだからな。ゼミとかサークルの女とか、よく分からないおばさんとか、とっかえひっかえ」
久住くん「おばさんも!?めっちゃ意外っすね……」
そして昔の彼女に木島先生と二股掛けられてたことを根に持つ城戸。「あ~、そんなこともあったらしいね」と受け流す木島先生。
そこで城戸はすでに結婚しており、子供もいることが発覚。久住くん「結婚、されてるんですね……」ここで蘇る妄想の猛烈な罪悪感。

ちゃっかり待ち受けにかわいい赤ちゃんの娘の写メにしている城戸。それで画面見てにっこり笑う超良いパパ!!!!!あっ好きです!!!!……失礼、思わず私信が漏れました。

木島先生「今じゃ城戸くんも立派な家庭人だなあって……」と言いながらグラスを倒してこぼす。いつの間にかかなり飲んでいたっていう。城戸は慣れた様子で木島先生をベッドまで運んでいく。歩けなぁい……とものすごい甘え方する木島先生に「ちょっとにしろって言っただろ」とスーパー頼りがいを見せる城戸。当然、久住くんは面白くない。
完全な嫉妬の目で二人の後ろ姿を睨む。

ベッドに運ばれ、横たわる木島先生。お酒をこぼして濡れてしまった服を脱がせる城戸と久住くん。さらっとズボンを脱がせてベッドにしっかりと寝かせますと木島先生が「なにこれ、3Pかな?」城戸「頼むから黙っててくれ」「ふふふ」
ふふふじゃないぞ、先生。でもここのやりとりが軽めの漫才っぽくてちょっと笑っちゃった。テンポ良くて。

あまりにも慣れている城戸によると、木島先生は酒癖が悪くて体を壊したこともあってしばらく酒はやめていたそうな。「君も一緒にいる時は気を付けておいてくれないか。って久住くんに言ってもな……期間限定だろ、仕事手伝うの」「ですね。先生の腕が治るまで」
ここで城戸は「こいつとはあまり深く関わらないほうがいいと思う」って言うんですよ。
おそらく腕のケガなんか関係ないのに悪趣味な遊びに付き合わされている久住くんに対する忠告ですよね。

そこに「どういう意味ですか」って突っかかっちゃうのがジェラシー久住。城戸は「わがままだし、気難しいやつだから、俺みたいに振り回されないかって心配してんのさ」って優しく教えてくれます。好きです。
すると突然目覚めた木島先生「城戸、帰んのお?」って言うと、城戸はさーっと寄り添うようにベッドに座る。

甘えん坊スイッチが入った木島先生は「パパぁ、一緒に寝ようよお……」「あはは!やめろよ、気持ち悪いな」ってじゃれ始める。突然のじゃれ合い。
「じゃあ、また連絡する。手も大事にしろよ」って言って、キスしてんじゃないかってくらい顔を近づけで、優しく寝かせる。子供を寝かしつけるように胸元をそっと手を置いたりして。これはただならぬ状況ですよ。
久住くんじゃなくても何かを勘繰りたくなるよね。まったくかわいそうに……。

帰る城戸「何かあったらいつでも名刺のところ連絡してくれ」「……はい」これは絶対に連絡しないね。

テーブルを片付けていると、寝室から物音が。体を起こし、頭を押さえる木島先生。
水をとってこようとする久住くん、ハッとして立ち止まる。カメラがゆっくり下に降りていくと、木島先生が久住くんのシャツの裾をそっと握っている。
眼鏡を外した木島先生が急にあどけなくてビビります。エロの化身なのにあどけないって何だ?
久住くんを見上げて「ここにいてよ。一緒に寝よ?」戸惑う久住くん「え?」を見て、軽く笑いながら「ね?」
ここはすっごいです。ついにエロの化け物になった。うっかり久住くんが喉を鳴らすお気持ち、お察しします。

妖艶なお誘いに乗ってしまった久住くんは、木島先生と同じベッドに寝ます。「(なんでこんなことに……?)」動揺と混乱で吹き荒れている久住くんの心。かわいそう……。
しかも、そのタイミングで向かい合う形に。「(近いよ、先生……!!!)」
吸い寄せられるようにじわじわと近づいていく久住くん。「(今日の先生は、俺の知らない人みたいだ)」
この時の久住くんの目に欲望と嫉妬が見えるのが超やばい。自分が知らない木島先生を見て、近づいたと思ってたのに一日でぐっと距離を離されたようで寂しい気持ちが見える。
それで、久住くんはついに木島先生にキスをしてしまう。

このシーンって画面が結構暗くて、肝心なシーンが見えづらいじゃないのとは思ったけど、演出として大変好きです。BGMがない静かな演出がめちゃくちゃ緊張感が出ててとても引き込まれます。久住くんの心臓の音とか聞こえてきそう。
キスをして離れた久住くん。この時のリップ音にこだわりを感じます。そして、久住くんの顎に木島先生が手を添える。この手の添え方。
ヤバい。これはヤバいぞ。からの「ねえ、それだけ?」

いやーーー死んだ。死にました。きっと久住くんの中のいろんなものも死んだと思う。理性とかそういうものが全部死んだね。焼け野原。
私も気付いたら左胸を押さえてたから多分一瞬心臓止まったんだと思う。
久住くんは、木島先生の甘い挑発にまんまと乗ってあつっいキスをする。しばらく久住くんの顎に手を添えたままの先生すごいエロ。エロのかたまりですわ。私の語彙力無くてゲスっぽい言い方になってしまうのが大変無念。すごい品があるエロのかたまり。

もうね〜〜とにかくこのシーンが、すgggggggggっごい良かったんですよ。ここが前述のブルーレイポイントです。
一体なにが良かったかって、お二人の役者としての本気を見たからです。
課せられた課題に全力で応えてやるぞっていう気持ちが役に乗っていたのがよかった。ただ仕事をこなすんじゃなくて、この役を通して何か掴んでやろうって思ってる感じ?二人とも腹くくって覚悟を決めて臨んでるのが分かるなと思って。良い役者さんです……。

翌朝。久住君の寝顔を見ている木島先生。視線を感じてか目を覚ます久住君に笑いながら「さすがに若者は、朝から元気だねえ」飛び起きる久住くん「はっ!!!すいません!!」「健康的でいいんじゃない」「そんな……」かわいそうに……。

しかしまったく君は迂闊に先生に見られがちすぎるぞ……と思ったけど、そういえば先生ズボン脱がされてて下着だったので何とも言えない気持ちになったね……かわいそうに……。

なんと木島先生は昨日のことをさっぱり覚えていないとのこと。大ショックを受ける久住くん。そりゃそうである。今度こそ近づいたと思ったら覚えてないって言われるんですから。
「先生は、あんまり飲まないほうがいいと思いますよ」
「だよねえ。久住君にこんな醜態晒すつもりじゃなかったんだけどな」

この時の木島先生の気持ちを想像して頭を抱えましたね。久住くんにキスされて、どんな気持ちで朝を迎えたのか。そして、どんな気持ちで寝顔を見ていたのか。ちょっとからかって遊ぶはずが、本当に彼を好きになるプロセスを全部見てしまった気がして、切なさのあまり頭を抱えました。
からの、振り返りざまに「忘れてよ、全部」
ここで久住くんの気持ちを想像してまた頭を抱えました。もう頭が足りない。抱える頭が。

いやだってそんなもん忘れられるわけないよね!!!!先生への気持ちが無自覚と自覚との狭間ギリギリのラインにいる時に「一緒に寝よ?」、それで衝動的にキスしたらあんなはっきりと「それだけ?」って煽られてごらんなさいよ。こんな大事件あるか?ないよ!!!でも、どうかめげないで欲しい……。
っていう3話でした。

最近、すごくLGBTに関連する作品が増えてきてて、その中でBL漫画原作の実写ドラマを作っていくとなると、ちょっと視聴者の中で違和感を持たれる方もいるんじゃないか?と推測します。

そんな中で私は、ポルノグラファーはドラマとして、エンターテイメントとして面白いものだし、漫画原作から実写化する上で原作を守ってクオリティを高めて大成功しているんじゃないかなと思いました。珍しく。

作品のキーポイントになるエロは出来る限りのギリギリを攻めつつ、人物の心情の揺れ動きが繊細に描かれてるし、何よりも竹財さんと猪塚さんの役に対する理解の深さが素晴らしいなと思った。

竹財さんがコメントで正直に「役の話をもらった時に迷った」とお話しされてましたが、確かに演じるのに勇気がいる役だし、一歩間違えると大火傷しそうな予感もします。いやマジで生半可にやったらえらいことになるヤツ。
そこで木島という役を深く理解できると見込んで竹財さんに白羽の矢が立ったんだと思いますし、その心意気を汲んで覚悟決めて演じている竹財さんはすごい。こういう、役者として腹を括ったところってそう頻繁に見れるものじゃないと思うから見れてよかったです。

また、猪塚さんも同様で、どんな役でも自分のモノにしてやろうっていう気合いと覚悟がうっすら滲んでみえるっていうか。
何が何でも役を自分の中に落とし込んで自分の体を通して表現して、見ている人に気持ちが伝わるようにっていう役者としての本質がしっかりあるから、あの城戸に嫉妬した時とか木島先生にキスする直前の欲望に塗れた表情ができるんだなと思うわけです。
なんかこう、見ててあんまり恥ずかしいっていう感覚にならないのは、猪塚さんが久住くんのごとく真っ直ぐに表現しようとしているからかもしれない的な。捨て身が出来る役者さんは強い。

あと、城戸役の吉田宗洋さんも超よかった〜〜。声も顔も全部良かった。城戸はポルノグラファーのスピンオフであるインディゴの気分っていう作品のメインキャラクターなんですけど、実写化するなら吉田宗洋さんで見てみたいもんね。すっかり好きになってるから。こちとら。

とは言ってもBLの作品は好き嫌いが強く別れるジャンルだし、無理をしてまで観るのは違うと思うけど、男同士の絡みにそんなに抵抗がないわっていう方には是非見てほしいなと思いました。
なんなら逆に、そのエロ目当てでもいいと思います。気付いたらすごい真面目に切なくなる罠がある。

ということで4話に続く。

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