![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/91102743/rectangle_large_type_2_40359bf9800480fa512b37cd3bfd945c.jpg?width=800)
チャーハンカレーを考察する
・茶餐廳式排骨咖喱炒飯(スペアリブの香港風カレーと炒飯)
— 朒 (@Nanakiso_Icon) November 15, 2022
・蒜蓉炒茼蒿(春菊の大蒜炒め)
飴色になるまで炒めた葱と玉葱、唐辛子/香菜/茴香をテンパリングさせた後に炒めたエシャロット/大蒜/生姜、オイスターソースや肉の脂分、自家製辣油、梅と大葉で、カレーを構成。
春菊は塩をして1分炒める。 pic.twitter.com/JJwbhXJIqq
チャーハンカレーという食べ物がある
一方で、カレーチャーハンと呼ばれる食べ物もある。
両者が同一の食べ物であるかと言うとそう言う訳でもなく、カレーチャーハンが所謂「カレー味の炒飯」、チャーハンカレーがカレールーがしっかり乗った炒飯である。
そう言う訳で、カレー味の炒飯「カレーチャーハン」にカレールーが乗ると、立派な「チャーハンカレー」となる。チャーハンがどう言う形になっていたとしても、カレーが乗っかってしまえば、立ち所にチャーハンカレーとなる。
実は、カレーチャーハンの方は、レシピ本でも街中のお料理屋さんでも、目を凝らしてみると、比較的よく見かけることがある。彼はそれなりにメジャーで、町中華なんか行ってみたら、カレーチャーハンを謳う料理は割と多く見かけるし、店によっては「ドライカレー」なんて名前でオーダーが出る事がある。
カレー粉の効いたチャーハンで、刻んだかまぼこがいい味出してるものもあれば、玉ねぎの甘みを効かせてレーズンを入れるような瀟洒なものもある。
上流な料理店ではおそらくほとんど見かけないながらも、日本ではそれなりに馴染みのある食べ物だ。焼き飯由来の大らかさを楽しめる食べ物であると思う。
かたやチャーハンカレーはどうだろうか。
恐らく、チャーハンカレーの方も、上流のお店で存在を確認した試しがない。
京都の方に炒飯とカレールーと豚カツの載った「ピネライス」なるものがあって、他にも兵庫の一部や大阪に、その手の食べ物があるようであるが、全国的にはどマイナーな組合せである。
僕もはじめてのチャーハンカレーは、京都は花園にある餃子の王将で独自メニューとして食べた記憶があって、もう25年近く前のことであるから、ピネライスとして出されていたかどうかは最早記憶にないのだけれども、えらくケミカルな鶏ガラの効いたルーとギトギトの炒飯に謎の感動を覚えて、いつか通いつめて作れるようになりたいなと幼心に誓った記憶がある。
いつか食べたいなあ食べたいなあと思いつつ、関西を出てしまえば、関東でも広島でも福岡でも見かけない。
トルコライスという暴挙が許されている以上、チャーハンカレーという存在は考えうる限りの最強のタッグで、トルコライスに唯一太刀打ちできるボリュウム飯であると個人的には考えているのだけれど、調べてみると関東の方にチャーハンカレーを出している店がポツポツとあるだけで、実際に作るとなると「くどい」が過ぎるのであろうか。
マカロニグラタンやお好み焼き定食、果てにはグラタンコロッケバーガーなんか世に出しておいて、何が今更「くどい」なのか、僕にはよくわからないけれども、世間体からみると味のケンカが起きそうという意見が強い。
そんなこんなで店でのレシピを調べてみる訳だけれでも、これがあまりGoogle検索にヒットせず、見つかったものでは、カレールーを白ごはんと炒り卵を混ぜる段階に入れて、できたカレーチャーハンに同じルーのカレーをかけたものであったり、カレー粉を入れて作成したカレーチャーハンにルーをかけ、これまたカレー風味の排骨(豚カツ)を乗せた「カレー排骨チャーハン」が出てきたり、あとはまかないで出る例があったり、取り立てて面白いと感じるメニューはなかった。
という訳で、カレー部分を思いっきり中華に寄せて作るとどうなるだろうか?ということで、2種類をカレーを参考にプロトタイプを作成してみた。
とりあえず表紙のカレーは、以下のメニューを参考にしている。
メニューの相違点を上げるなら、自己判断で自家製の辣椒油を入れたくらいか?。あと余していたフェンネルシードをそれなりに多く入れた。これは入れても入れなくても全く構わない。テイストがより漢方ぽくなって、カレーというより肉骨茶なるものが完成した。
デンプン質系統のとろみ、ターメリックやグローブあたりがないと我々が思い描いていた「カレー」になりにくい。シャバシャバした旨い汁肉をご飯にかけて食べる、よくわからない現地の食べ物が完成した。
ともかくこれはカレーでない。カレーではないが何となく疲れてたので満足してしまった。
何となく気持ちが収まらず、次はやはり自家製の辣椒油を入れて、別のカレーを作ることに。
こちらは後足しでフェンネル、コリアンダーシード、八角を入れ、自家製の辣椒油を懲りずに大さじ1ほど足しているのだけれど、これは爽やかで複雑な後味の構築に生かされることとなり、とてもよかった。
スパイスにかなり左右されるとはいえ、懸念していたカレー部分は大まかに完成ということでよろしいように思う。
ちなみに炒飯部分であるが、生姜を効かせる以外はできる限りシンプルに作成した。
以下、簡単に作りやすいレシピ
・温かい米飯 1合
・卵 2個
・生姜 30g
・長ネギ(白いところ) 5cm
・サラダ油:大さじ3杯×2回分
・塩、調理酒(必要なら醤油or味醂) 適量
①
あらかじめ卵2個を溶いておき、大さじ3杯のサラダ油を鍋で熱した後、卵を鍋に投入して炒り卵を作る。
②
卵が粗方固まったら鍋肌から取り出し、生姜30g分を大さじ3杯のサラダ油と一緒に熱する(香り出し)。香りが十分に出たら、ご飯と炒り卵を一緒に炒める。鍋肌から適宜酒、味醂を降る。
③
一様に混ざったら完成。
普通に食べても素朴な味がして美味しい炒飯です。
こうしてカレー部分を中華寄りにすると、チャーハンカレーが成立することがわかり、この記事もこれで終わり。
飾り切りにした人参なんかも入れちゃって、定期的に作るかな…
カレー味の炒飯がカレー炒飯、炒飯にカレーを乗せたものが炒飯カレー…という訳で、思いつきで炒飯カレーをば。炒飯は卵/葱/生姜でシンプルに、カレーも豚コマと玉葱で具をミニマムに、後はオイスターソースと鶏ガラの出汁が決め手。花椒と八角の残り香で白飯では物足りない、炒飯故に成立するカレー。 pic.twitter.com/culJhAmzzQ
— 朒 (@Nanakiso_Icon) December 19, 2022
(終)
チャーハンカレーとカレーチャーハンの書き分けがごっちゃになり、少しばかりの悲しみに暮れてます。難しいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?