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玉津島神社~美しき和歌の神・衣通姫尊~

毎月一日、私は和歌山市和歌浦にある「玉津島神社」へお参りに行きます。神社のすぐ前には遠浅の海が彼方まで広がり、万葉の時代より歌枕となっている風光明媚なところです。山部赤人など多くの有名歌人がこの地で和歌を詠んでいます。

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「和歌の浦に潮満ち来れば潟を無みあしべをさして鶴(たづ)なきわたる」
(和歌の浦に潮が満ちてくると、広々とした干潟がなくなり、鶴が鳴きながら大空を飛んでゆくよ、葦の茂る岸に向かって)      「山部赤人」

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境内にある奠供山(てんぐやま)から見渡す和歌の浦。古の時代には、この空を鶴が舞っていたのですね。海を目の前にして赤人の歌を読むと、万葉人の心に少し近づけたような気持ちになります。
山部赤人が従っていたのは聖武天皇。ことにこの奠供山からの風景を愛でた聖武天皇は、玉津島神社に14日もの間、滞在したそうです。

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ところで玉津島神社にはご祭神の一柱として、和歌の神様「衣通姫尊(そとおりひめのみこと)」がお祀りされています。彼女は「衣を通して美しさが外へと光り輝いている」といわれるほど、見目麗しい女性だった由。
「日本書紀」では允恭(いんぎょう)天皇を挟んで正妻の姉(理知的な頭脳派)と妹である衣通姫がドロドロの三角関係に……ということには、まったくなっておらず、その三人の関係がとても興味深く……。
そんな衣通姫さまのエピソードを「和樂web」にて、物語風にまとめてみました。
現代の私たちも「それはアリだな」と思うサクセスストーリー。先月公開されていますので、お仕事のマガジンとして上げさせていただきます。
ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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先ほどの「奠供山」へと続く青石の石段です。時折、野生のリスが枝を渡ることもある、大好きな場所です。

神社仏閣をとりまく鎮守の森を守りたいと思っています。 いただいたサポートはその保護への願いをお伝えし、参拝の際、奉納させていただきます。