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【法学部生の経験談】大学・法学部のゼミ選び(方式・倍率etc.)

 大学生活における一大イベントの一つとしてゼミ選びがあります。これは大学生活後半においていかなる分野を専攻していくのかが決まるという大変重要なもので、また、とある教授によるとサークル引退後の居場所づくりという意味でもゼミ選びは非常に大切だそうです。

 しかし、中高の文理選択とは異なり、必ずしも自分の希望が通るわけではありません。人気なゼミは5倍程度になることもあります(実体験)。
 先ほどゼミ選びと書きましたが、実態はゼミ「選抜」なのです。

 しかし、ゼミの選び方についてそこまで詳しくない方もいらっしゃるでしょう。付属・系属校出身者や広い人脈を有している人は人づてに情報を得られるでしょうが、私はそうではないのでその点においては苦労しました。
 そこで、私の経験を基にゼミ選抜について以下にまとめたいと思います。

 そして、後に詳しく述べますが、私は選抜を経ずにゼミに入っています。そのため、一部については私が実際に体験したものではなく、要項の内容であったり、ゼミ生の方とのZOOM相談会で伺った内容となります。
 また、あくまでこれは私の通う大学における法学部のゼミ選抜であり、他大学・他学部では流儀が異なり得ます。その点ご留意いただけると幸いです。


ゼミの選抜方法

ゼミの選抜方法はおよそ3パターンがありました。ゼミによってこれら1つであったり、組み合わせたりして選抜をしていました。これらを一つずつ紹介します。
 なお、これらを一切課さない、選抜がないゼミも一部存在しました(後述)。

①エントリーシート(ES)
 ゼミの志望理由書を指します。詳細は各ゼミで異なるでしょうが、本ゼミの志望理由・本ゼミで取り組みたいこと・興味がある法分野・これまでの学生生活で力を入れてきたこと、等が問われていました。
 また、指定字数もゼミによって数百字から数千字と幅広かったです。ただ、私の印象ですが、指定字数が少ないゼミでは面接(後述③)が課されており、詳細はそこで問われているのではないか、と感じました。

②レポート
 
ゼミによっては、3000~4000字程度のレポートが課されていました。内容は、そのゼミに関係する自分の興味のある法分野について自由に書くといったものが多かったです。私の大学ではレポートが課されているのは刑事法のゼミが多かった印象です。刑事法は行為無価値論・結果無価値論(刑法総論)を中心とした論点が豊富に存在しており、レポートに学生個々の色が出やすいから当方式が採用されているのだと思います。

③面接
 ゼミ生同士の関係を重視しているように感じたゼミの多くは面接を課していました。面接の内容としては、志望理由・ゼミで取り組みたいこと等、ES(前述①)に書くような内容を口頭で確認するといった形態だと説明されました。
 また、私の大学では面接はZOOM形式が多かったのですが、面接には教授だけでなくゼミ長その他ゼミ員も参加すると伝えられました。私としては、1対1で行われるかと思っていたので、その点は意外に感じました。
(当時はコロナ禍真っ最中でした。現在は対面形式が多い可能性もあります。)


ゼミの倍率

 これは多くの方が気になる情報だと思います。私の大学ではゼミ情報誌が発売されており、それを購入すれば確認することができましたが、どの大学もそうではないと思います。
 また、仮にそのような情報が公開されていたとしても去年の数字から「反動」する可能性もありますので、そこまであてになるかというと、そうではないと思います。
 私が提案する倍率を確認する一つの方法として「ゼミ見学」に行くことを挙げます。ゼミ見学に行くとそれなりには自分の時間がつぶれますから、ある程度そのゼミに興味がある学生しか参加しません。ゆえに、募集がかかっているゼミ見学に行き、参加者の多少を見ることでそのゼミのおよその倍率が見えてきます。
 また、見学がおっくうだとしても、そのゼミの見学方法を調べれば人気度が分かります。人気なゼミだと事前予約制かつ早めに予約しないと埋まっていますが、そうでないゼミは当日参加可能であったり、予約不要であったりします。
 ここからは法学部限定の話となりますが、私の大学では商法(会社法)や国際法のゼミの人気が高かったです。具体的な倍率としては3~5倍ほどありました。これは商法や国際法のゼミに入った人は就活に強いと言われていることに起因しているのではないかと思います。(もっとも就活で実際に有利なのか否かは分かりません)


SNSを有効活用すること

 最近はゼミの多くが自前のSNSアカウント(ツイッターとインスタ)を持っていることが多いです。そして、ゼミ選びの時期に入ると、ゼミ見学の募集案内や選抜方法、ゼミの雰囲気等、ゼミに関する情報が各種SNSで発信されます。また、DM等でゼミに関する相談にも乗ってくれます。
 ここで、波に乗り遅れると、希望するゼミの見学の予約ができないなどの不都合を来しかねません。SNSのアカウント検索で「○○大学○学部ゼミ」といったように検索すればいくつかアカウントが出てくると思います。まずは、ゼミ活用のアカウントでも用意してゼミのアカウントをフォローしておくとよいでしょう。


ゼミ見学

 ゼミ見学には必ず行くべきです。ゼミは普通の講義と異なり、基本的に変更できません。ゆえに、適当に選ぶと後で後悔しかねません。SNSの情報でもゼミの雰囲気は伝わってきますが、やはり実際に見てみるのにはかないません。何も興味がないゼミまで見ておくべきだとは言いません。しかしながら、少なくとも自分が応募するゼミぐらいは見学し、自分に合うか確認しておくべきです。
 私がゼミ見学で見ていたポイントとしてはゼミ員の雰囲気と(失礼ながら)ゼミのレベルです。
 ゼミのレベルについてですが、ゼミによっては非常にレベルが高いこともあります。もちろん、これから高いレベルの中で頑張っていくんだという決意をもって応募するのなら全然構いません。しかしながら、私個人としては、無理してでもついていくべきだとは思いません。
 ゼミ員が作成したレジュメや議論の内容を通じて、ここならがんばれそうだと思ったゼミを見つけていくことが大切です。


最後に

 私は結局、見学したゼミの中で、ゼミ選抜がないゼミに入ることにしました。ゼミ選抜がないということはそれほど人気ゼミではないことを意味します(同じゼミの皆さん、すみません)。しかし、そんなに焦って人気ゼミに入ろうとすべきなのでしょうか。
 私は6月頃という課題やら何やらで忙しかった時期にゼミの指定レポート等を書く気力はとてもありませんでした。正直、どこかで楽しないと少なくとも私のような人間はどこかでガス欠を起こします。
 ゆえに、精神的に負担になり得る選抜がある(落ちる人がいる)ゼミは敬遠しました。
 もちろん、私も譲れない点(民法(財産法分野)であること・雰囲気が合うこと・無理なくできるレベルであること)はあり、それだけは妥協しませんでした。しかしながら、残りの点は周りに流されず、背伸びすることなく選びました。
 就活に強いゼミ等、人気なゼミを目指すのは大変素晴らしいことです。しかし、学生生活でガクチカとして取り組めることはゼミ以外にいくらでもあります。ゼミで勝ち抜く方法について語っておいて恐縮ですが、自分が無理なく頑張れそうなゼミを探すというのもまた重要だと思います。

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