法学部の授業内容~刑法を例に~
法学部では法律について学習します。では、具体的にどのような内容を学習するのでしょうか。刑法を例に紹介します。
みなさん、刑法と言われればどのようなものを想像しますか。刑事ドラマですか、それとも「OO罪でOO容疑者逮捕」のようなニュースですか。
これらのものを想像した人は、証拠収集や犯人の故意の有無等に着目しているかもしれません。少なくとも刑法を学習する前の私はそうでした。しかしながら、実際はそのようなことについて重点が置かれることはそこまでありません。
では、いかなる内容を学習するのでしょうか。抽象論を長々と語っていても伝わりずらいと思いますので、実際に学習する事例の一例を紹介します。ぜひ何罪が成立するのか(殺人罪/殺人未遂罪/犯罪不成立など)自分なりの理由を付けて考えてみてください。
なお、かっこの中に書かれているのは刑法を学ぶ上での講学上の単元名です。
いかがでしょうか。難しかったですか、それとも案外簡単でしたか。想像していた刑法の学習内容と一致していましたか、それとも少し違いましたか。答えについては、通説・判例と学説の対立あり一つに定まっているとは限らないことや私が人に自信をもって断言できないことから(こちらの方が強そうな気がしますが笑)、ここでは述べませんが刑法の雰囲気を少しばかり味わっていただけたと思います。
このように、刑法はこういった単純だが難解な事例において自分なりの論理を付していかなる犯罪に該当するのかを決める学問です。(もっとも、各種資格試験では通説・判例に従う必要があるとは聞きます)
そして、最後に刑法含む法律が条文番号や量刑を暗記する学問だと思っていた方は要注意です。刑法を大学で学んでいて「殺人罪は199条」と暗記したり、「殺人罪は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役」だと覚えたりする必要はなく、何ならそれについて学習することもありません。なぜなら、そんなことは六法を参照すればすぐに分かりますから。
つまり、刑法含む法律学とは、直接条文に書かれていない状況をいかに条文に即して処理するか(たとえば先ほどの事例が199条の「人を殺した」等に当たるか否か)という学問であり、決して条文を暗記する学問ではないということなのです。
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