指圧師はいくら稼げる?
【SHIATSU TALK #17 】
結論
さて、結論です。
指圧師が一人で開業して、頑張って頑張って、馬車馬のように働いて、収入の限界は年商1000〜1200万強です。
あくまでも"年商"です。手取りではありません。
多いと思いますか?少ないと思いますか?
感じ方は様々ですが、これはだいぶリアルなところだと思います。
それも、この金額は"限界値"ですので、一般的には年商500万くらいが平均になってくるのではないでしょうか。(開業した場合ですよ)
え?じゃあどんな計算で1000万なんだよって?
これからゆっくりお話ししていきます。
指圧師の単価
商売をするにあたって、何事にも"単価"というものがあります。物一個に対しての値段のことです。
指圧師は、指圧というものを売っているわけですし、二人同時に施術するなんてぶっ飛んだ輩はいないと信じているので、お客さん一人に対して施術する時間がいわゆる物の"単価"にあたります。
巷の施術料金は今どのくらいなんでしょうか?
都会と地方でもかなり差があると聞きます。
今回は、僕が住んでいる神奈川を基準に考えたいと思います。(僕の住んでいる地域の平均は60分6000円くらいです)
では、考えていきましょう。
60分の施術をベースに考えた場合、単純計算で1日8〜10人お客さんをこなすことが限界です。(施術以外に準備や後片付け、次回予約等のオペレーションがありますから)
これを、¥6000/60分で当てはまると、
6000×8〜10=¥48000〜60000/日 になります。
週一休みであれば ¥1200000〜1500000/月
毎月安定して稼げるとして、年収1440万〜1800万です。
おぉ…。なかなかパンチがある数字ですね。
でも、ちょっと待ってくださいね。
僕が今お話ししたことは、ほぼ不可能だと思ってください。
なぜなら、指圧師は肉体労働です。
1日60分を10人施術して、休みが週一なんて生活をしたら、どこかで身体が壊れるし、リアルなオペレーションを考えると、施術以外にもっともっと時間がかかります。
もしあなたに開業志向があるとして、この額面を目標にしているならば、違う仕事をすることをおすすめします。
では、少しリアルな指圧師の内情をお話ししていきますね。
ある指圧師の場合
ひとつ前の項で、1日10人施術を続けることは、不可能だとお話ししました。
では、一般的な指圧師はどのくらいの客数なのでしょうか。
完全に僕の考えになってしまいますが、いわゆる"売れている"と言われていて、真面目に施術をしている指圧師の1日平均は5.6人がいいところではないかと思います。(自費施術の場合ね)
逆に、平均5.6人を毎日こなし、10年やっている治療院があるとしたら、僕は最大のリスペクトを贈ります。そのくらい凄いことなんです。
(お客さんのリピートなどに関しては割愛します)
収入の話に戻ります。
1日6人×¥6000=¥36000/日
¥36000×25=¥900000/月
¥900000×12=¥10800000/年
単純計算で、毎日6人施術をして、週一休みを一年頑張れば、やっと年商1000万という感じです。どうでしょう?イメージつきますか?
さて、このnoteの冒頭で、額面だけを目標にすることは"品がない"とお伝えしました。
仕事で大事なことは、目の前の収入がいいとか悪いとかではなく、一つのことを継続することだからです。
継続…。何事も続けるって大変ですよね。
長くやっていれば、色々なことがあります。
例えば、調子良く年商1000万稼いだとしても、次の年に300万しか稼げなければ、継続した状態ではありませんよね?
逆に、2年連続で650万稼げる人の方が、僕は優秀だと思うんです。
そして、同じ額面を5年継続できたらその人は一生指圧で食べていけると思います。
収入の基準には賛否があると思いますが…。
しかし、ただ一つ、僕が「月商200万!」などとほざいている輩に言いたいことは、「やってみろ。続けてみろ」です。
額面を目標にするとダメな理由
では、なぜ額面を目標にすることがダメなのか?
ここで、仕事はお金じゃない!お客さんがよくなればいいんだ!なんて美談をお話しするつもりは1ミリもありません。
理由は明確。
"額面を追うと最終的に収入が落ちるから"に尽きます。
目標の一つとして収入を設定することに間違いはありません。しかし、収入のみを追ってしまうと必ず将来お客さんは離れていきます。
僕が作った公式ですが、
お客さんの数=(施術のクオリティ+信頼関係)×センス
で表されます。何度もお伝えしていますが、指圧師が、指圧がうまいことは当たり前です。
案外、独立志向の方は、技術や知識の習得に関しては努力されていることが多いので、ここは問題なかったりします。
しかし、僕の経験上、廃業されている方の多くは、二つ目の"お客さんと信頼関係"を作れなかったんです。
収入を追うと、この"施術のクオリティ"と"信頼関係"が、どちらも悪くなっていきます。
なぜでしょうか?
今回のnoteを最初から読んで理解していただけた方ならわかっていただけると思います。
指圧師一人で働くには、時間の限界があります。
収入を更に上げようと考えると、施術料金そのものの単価を上げるか、施術時間を短くするしかありません。
施術料金を上げるのは、そう簡単なことではありません。特に、今まで来ていただいているお客さんの理解を100%得ることができるでしょうか?
ここで信頼関係を損なうリスクがあります。
そして、何よりあなたの指圧は単価を上げるだけの価値があるでしょうか?
そこが盲目になってはいけません。
では、時間を短くするのはどうでしょう?
簡単にお伝えすると、今まで60分で行っていた施術と同じクオリティと結果を30分で出さなければならないということです。
これが出来るのは、一部のスペシャリストだけです。凄腕の先生のセミナーを受けたり、本などを見ると、"15分で結果を出す施術!"のような内容が多く見られます。
しかし、それは経験や技術が達人の域に達した先生のみに出来る芸当なわけです。
僕らのような一般施術者は、お客さんに対して丁寧に対応して、ある程度の時間を使うしかないと思っています。それが指圧師として継続できる唯一の方法だと考えています。
最後に
今回のお話はあくまでも"年商"です。
商売はここに家賃などの経費がかかります。
どちらかと言うとこの経費をどう使うかが、継続するために大事なところです。
100万稼いでも経費が101万掛かったら意味ないですからね。その辺も含めて開業が難しいところでもあり、楽しいところでもあるのかなと思っています。
継続は力です。
力がつけば結果が出ます。結果が出ればモチベーションが上がり、それが仕事をするエネルギーとなります。
次のステージに行くためには一つのことを継続しなければならないんです。
僕は指圧師として新しい景色を見てみたいと思ってたりします。
一緒に頑張りましょう。
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