指圧Campと予防医療①
【SHIATSU TALKS #7 】
さて、そろそろ僕たちの話をしようと思う。
過去、3回にわたり『予防』や『予防医療』などと偉そうにご説明した。
今回は、指圧Campが、何故それほどまでに「予防」にこだわるのか?というお話をしたい。
国民の医療費は増えている
皆さんはご存知だろうか?
現在、我が国の国民医療費は毎年増加傾向にある。
簡単に言えば、
医療費↑=病気や症状のある人↑
ということになる。
とても不思議とはお思いにならないだろうか?
医療は日進月歩進化している。
医療が進歩すれば、病気の人は減るはずなのに...。
下の図を見ていただきたい。
平成29年度の国民医療費の総額は、約43兆円。
あくまでも、この金額は所謂「保険内」であり、自費負担の「自由診療」は含まれていない。
(ちなみに、僕ら"あん摩マッサージ指圧師"は、医療保険を使用した「保険内」の施術と60分¥6000などの「自由診療」を行うことができる。)
ここで、注目すべき点は、その中の60%以上が65歳以上であるということ。
読んでいる方は薄々感づいているとは思うが、我が国は”超”高齢社会真っ只中。
歳をとれば、身体の不具合が出やすい。
内臓だって悪くなる。
関節だって変形する。
体力だって無くなってくる。
高齢者が増えれば必然的に医療費は上がるのだ。
結果、巷の治療院のビジネスモデルは、上記の60%のシルバー層に向けて運営しているところがほとんどだ。
結果的に、どこの病院や治療院も、待合室はシルバー層で今日もいっぱいなのである。
これからのスタンダード
さて、皆さんもご存知のように、医療費の増大は社会問題にまで発展している。
将来、僕がおじいちゃんになる頃には、医療保険のシステムがパンクして、今のように国民が医療を受けられない世の中になっているかもしれない。
では、どうすれば、医療費が下がるのか?
「病気になっても病院に行くな!」
なんて殺生な。そんなの無理な話だ。
「俺が全ての病気を治す!」
ちょっと現実的ではない。
じゃあ、出来るだけ病気にならないようにしようよ。
予防できるものはしとこうよって話なのだ。
僕の住んでいる神奈川県では、"これから"高齢者になる人が病気にならないようにするために、このような取り組みもされている。
↓
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/me-byokaizen/index.html
しかし、ここで注意が必要なのは、予防の弱点は、健康な時はよくわからないということを頭の隅に置いといてほしい。
指圧業界の現状
よく患者さんから、
「あなたたちの仕事はこれから(高齢者が増えるから)もっと需要が増えて、いい仕事ね!」
なんて言われることが多い。
でも、本当にそうだろうか?
現在、いわゆる「治療院」や「整体」というものの数は、全国でコンビニを超えてしまったらしい。
以前もこのblogでお話ししたが、駅を降りれば「マッサージ」やら「整体」の看板がいくつも見られる。
医療保険を使用した訪問マッサージの業者も以前より明らかに増えている。
2018年の調べでは、我々の業界の廃業率は、過去10年で最多だ。
今年は、新型コロナウイルスによる影響を考えると、潰れるお店は尚更増加することは間違いない。
現在、僕らの仕事は、完全に需要と供給のバランスが崩れているのだ。
高齢社会に希望を持って、指圧ビジネスを行おうとしている人がいるならば、やめておけと伝えたい。
かなり市場は食い尽くされている。
しかし、何事も人のせい、社会のせいにしてはいけない。今の状況になってしまったのは、我々の業界に問題がある。
つづく。
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