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はじめまして

はじめまして。荒巻令子と申します。

いきなりですが、プロフィールとか自己紹介が苦手です。
今は会社員ですが、20年間、2人の息子の「お母さん」がメインタスクでした。
ずっと組織に所属せず、肩書のない自分を、どう紹介したらいいのかわからず、名乗るべき何者かになりたいと思ってきました。

それでも簡単なプロフィールを

名古屋で生まれ育ち、上京して都内の英文科に進学。大学を卒業して、金融機関に就職しました。時はバブル崩壊直後で、先行き不安だけれどまだ深刻じゃない、そんな時代。女性活躍を声高に謳う企業が増えた時期で、わたしが入社したのもそんな会社だった。若くて将来性がありそうな女子、ということでチヤホヤされ、特別なプロジェクトにアサインされたりしました。まさにバブルの名残り!笑
仕事は楽しかった。今まで、周りにいわゆるサラリーマンがいない家庭で育ったので、会社で新しいことを学び、組織という大きなものの利益を考えて動くことがとても新鮮でした。
にも関わらず、3年と少しで結婚退職。当時は「寿退職」と言われ、お祝いを言われて退職しました。惜しんでくれる先輩や上司もいたけれど、当時のわたしはその意味すら理解できないくらいに若かったし傲慢だった。
1年後に長男、3年後に次男を出産し、正真正銘の主婦で母親になりました。
うちは、夫が外で稼ぎ妻が家を守る昭和型。今でいう「ワンオペ」育児は初体験の連続で、気持ち的にも体力的にもキツかったけれど、日々成長していく子供を見るのは幸せでした。その一方で、いつも不安と焦りがあったのも事実。わざわざ上京して大学で学び、社会人として評価される仕事もした。母は大好きだったけど、彼女のような専業主婦にはなりたくないとずっと思っていた。
なのに、何故、今わたしはここにいるんだろう?

ひとりで家を買い、係長から課長へとキャリアを積んでいく同級生からは、平日の昼間にショッピングをしてランチしているお気楽な主婦、と揶揄する言葉を投げかけられもした。夫を働かせて税金も払ってないくせに呑気でいいわね。
言い返せない自分が悔しかった。

「料理や育児や掃除だけじゃなく、人生にはもっと大切なことがある。私は食器を洗って一生を送りたくない。」
                    マーガレット・サッチャーの名言より

この言葉を知って涙が溢れた。

率直に言うが、家事や育児をくだらないことだと思った事は一度もありません。母としての毎日は刺激的だったし、限られた時間の中で自分にできることを考えるのは楽しかった。ただ、その一方で、自分の人生はもっと別の価値を持つはずだと、家庭内だけではなく、一社会人として果たすべき役割があるはずだと、呪いのようにいつも頭のどこかで思っていました。
息子のオムツを変えながら、夕飯の用意をしながら、
何の考えもなく自分からキャリアを降りたことを悔やみ、何度も何度も「そうしなかった時の自分の人生」を考えた。

とはいえ、幸いにも子育てはクヨクヨしている暇がないほどには忙しく、チャレンジに満ちていた。
このままでいいの?と思いながらも、PTA活動に精を出し、息子の卒業時には「委員長」として講演会を主催しました。
友人の紹介で始めた母校の大学校友会でのバイトにも打ち込んだ。気づけばその仕事は15年間にも及び、周りからは「事務局長」と呼ばれていました。
身分はアルバイトのままだったけれど、たくさんの出会いがあり、自分の価値を感じられる場所だった。

そんなわたしの転機

そんな生活と葛藤を続け、気づけば息子たちはわたしの身長を超えていた。

子供が産まれて、何の心の準備もなく母親になったけれど、こんなにもあっさりとその役割にも終わりがくるんだなぁ、と拍子抜けするほどだった。

もう一度チャレンジしてみようか?仕事と子育ての両立はできなかったけれど、ひとつずつならできるんじゃないか?今まで子供たちの周りに向けていたパワーの矛先を、もう少し広げてみよう。
昔のように追い詰められるような気持ちではなく、ただ、能天気に自分の可能性を信じてみたい気持ちになったのだ。

生活の主軸を変えてみよう。
全部いっぺんにやる必要はない。やってみて、だめだったら別のことをやればいい。自分が幸せを感じられる方法でやってみよう。

歳をとって学んだのは、してこなかったことを手放す勇気です。
してこなかったこと、やらなかったこと、選択しなかったこと。それを数えて後悔しても何も生まれない。そんな考えをリリースして、選び取ったこと、チャレンジしたことの意味を受け止められるようになっていた。
オトナになるって素晴らしい!

生活を変えると決めてから、いろんな人に相談したり調べたりして、カウンセラーの勉強をはじめました。
単純に、人の相談に乗るなら歳をとってもできるんじゃないか、むしろ経験が武器になるのでは、と思ったから。そして、自分自身が「キャリア」というものに苦しみ、誰にも相談できなかった経験も関係していると思う。

資格をとり、キャリアカウンセラーとして仕事を始めたのが40代後半。仕事を通して興味が広がり、今はリーダーシップ開発やチームコーチング、マインドフルネスなどについて学び、仕事に活かしている。

大切な場所と息子たちのこと

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うちには図書室がある。
階段を登り切ったいわゆる「踊り場」だが、壁一面を本棚にし、家中の本をそこに収納している。
そこは、息子たちが成長する過程で新しい知識と出会い心振るわせる場所、そしてわたしがかつて読んだ本を彼らが見つけ出し、彼らの興味関心をそっと知ることができる場所にしたい、というわたしの母親としての夢の場所だ。
いま、そこで自分が学び、時には息子たちにアドバイスをもらったり、話を聞いたりしている。
自分がこれから何年働けるのかは分からないけれど、わたしがビジネスにおいて輝かしいキャリアを築くことはないでしょう。
それは正直、ちょっぴり残念だけれど、わたしの人生のマスターピースはもうできあがってしまったので、2番目の価値を求めて、力を抜いて探っていこう。

今でも自己紹介は苦手です。
でも、知りたいと思ってくれる人にはじっくり語ればいいし、勝手に想像してもらえればそれでいい。
何よりも、私のプロフィールは変化しつづけている。そこが重要だと思っている。


#母最高かよ #私の人生の物語 #自己紹介

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