2020年8月 帰省するキミ、残るボク。

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 「兄ちゃんが帰省するんなら…悪いけどこっちは帰らんから…」

2020年夏、予約していたエアチケットをキャンセルした。

ウィルスの猛威はとどまることはなく、病気そのものよりもひとびとの心に巣くう闇の部分を増大させているように見えた。それはあたかも神がボクたちを試しているかのように…

統率の取れない国のリーダー、近視的な施策、恣意的で扇情的な報道…デマゴーグ。どれもがボクを不快にした。過去、非常時に際し恐怖にとりつかれたひとびとがどんな誤った選択をしてきたか、ボクたちは何度も見てきたはずなのに…

感染者が急増する東京で生活するボクたち。日常はいたって普通。毎日通勤し生活している。ひょっとしたらもう感染しているかもしれないという気持ちをもちながら暮らす日々。しかしニュースでしか見ることのできないその他の地域では「東京」というバケモノが恐怖の対象に…

ボビドンヨード、マスク、消毒液、ティシュに翻弄され、他県ナンバー、スーツケース…そんなものが敵意の矛先になってしまう世の中。あたかもあの小動物のように集団で崖から飛び込もうとしているように見える。

「恐怖」に負けないで情報を公正・冷静に収集し、現状を把握・受容し他者に対する寛容に努める自己のコントロールこそがボクたちの生き延びる方法なのでは…

ボクはこの夏帰省を断念した。ホントに大切なひとを失いたくないから。決してこの帰省がボクにとって(相手にとっても)楽しいものになるとは思えないから。たとえ感染しなかったとしても。

しかしながら苦渋の決断での帰省を余儀なくされたキミ。どちらが正解とは言ってくれない時代。どうぞどうぞ健やかに… そして思い出深く有意義な帰省となりますように…

            ※狂気の時代の覚え書きとして記す(2020/8/8)

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(2020/8/7 JR京葉線7:01発蘇我₋東京 列車内)

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