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チーズと日本酒が合う! ハード・ウォッシュ・青カビの3種でペアリング体験(オンライン)

私は日本酒が好きです。チーズも好きです。でも、これまで好きなこの2つを合わせることはあまりやっていませんでした。

そんな折、チーズ専門店「CONTE」さんと、地酒専門店「酒のさけもと」さんという、それぞれの専門店によるオンラインペアリングイベント「チーズに日本酒はこうやって合わせろ!」があるとしり、参加することにしました!

※どちらも北海道のお店です

厳選チーズと日本酒4種が届く豪華なイベント

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こちらがオンラインイベントのセット。チーズ3種類と、日本酒は1合×4種類※
。参加費は3500円(送料別)と驚くほどお得です。中身は下記です。

※通常は3種類

<日本酒>
①天穏 生酛純米吟醸「斎香」斗瓶囲い(2017年醸造酒)
②竹泉 純米吟醸「御町」瓶囲い(2017年醸造酒)
③大七 無濾過生酛純米「普団義」瓶囲い(2013年醸造酒)
④分福 全麹仕込み「遊」瓶囲い(2005年醸造酒)

すごいです。よくわからない方は「『〜囲い』しているものは大抵高級」「数年以上の熟成酒はさらに魅力アップ」と思ってください。「さけもと」さん、北海道とあり存じ上げませんでしたが、面白そう。行ってみたいです。

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<チーズ>
・ハードタイプ:槲(かしわ)
・ウォッシュタイプ:カレ ド エール
・青カビタイプ:二世古 空<ku:>超熟

北海道産のチーズが3タイプ。チーズ専門店のチーズをこんなに食べ比べられるのは本当にうれしいです。しかも結構熟成されているようで、パッケージから出した瞬間、強い(おいしそうな)香りが立ちます。

では、イベントスタート!

ーー開催日を、間違っていた

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zoomを立ち上げ、カメラを構える様子です。しかし、予定時刻をすぎても誰も入ってきません…。

…イベントは、昨日でした。1日、間違えていました。本当に、本当に申し訳ございません。

せっかくおいしそうなチーズと日本酒があるので、ひとりペアリング体験をやってみます。また、主催者の方のご好意によりいただけたレポートから、プロのアドバイスも紹介します。ドタキャン、絶対だめです。

日本酒を軸に飲み比べスタート

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このような添削シート付きでした。細かい紹介の前に、今回の個人的なチェック一覧も紹介します。お酒とチーズで、本当に相性がバラバラなのが面白かったです。

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では、ここからそれぞれの組み合わせを紹介します。今回は「お酒」を軸に3種類のチーズを合わせてみるやりかたで試してみました!

①天穏は、チーズのタイプで味のポイントがかわる!

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お酒自体はしっとり、穀物というか、枯れ草というか、そういう落ち着いた味です。ちびちびとずっと飲み続けられるタイプです。

△ハード:結構香りはっきり。塩味の奥に甘さがあってすごいおいしいです。天穏であわせると…まあまあ。塩味と酒なのであわないことはないですが、あまり一体感は感じられません。ビール、ビール飲みたいです。
○ウォッシュ:まろやかでむっちり、コクもある「専門店のチーズ!」といったおいしさ。天穏と合わせると、先ほどまでなかった「酸」が感じられます。
◎青カビ:濃厚でがつん、ひと口で「うま!!」となるチーズです。天穏とあわせると…あれ?今後はやさしい「甘さ」を感じます。

合う、合わないというより、チーズのタイプで日本酒の味がかわって感じます。組み合わせで、日本酒の中の特定の味が目立つのか、逆に見えなくなるのか、理屈はわからないですがおもしろいです。

②竹泉は、青カビ+クラッカーがベスト!

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続いては「竹泉」の4年熟成。冷たいままだと少しカチカチとかたい味がしますが、比較的きれいな熟成。いい感じの熟成酒を味わうと「この自家熟成を仕上げた酒屋さんのご主人にお会いしたい…」と感じます。

△ハード:おいしいといえばおいしいですが、別物。つまみの味を包み込む日本酒より、後味を切る白ワインとかの方があうかもしれません。
○ウェット:むっちりチーズとまろやかなお酒がまざりあい、一体感がでてきます。おいしい。そのかわり、後味に日本酒の「苦味」が目立ってきます。
○青カビ:チーズが勝ちます。竹泉もけっこう強い味ですが、まだチーズが主役。チーズの塩味やくせを日本酒が少し溶かして食べやすくしてくれます。
無塩クラッカーに乗せてあわせてみると、これがぴったり。チーズの強さが少し落ち着き、バランスがとれてきます。

③大七は、熟成酒のパワーとチーズのくせが合う!

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「ついに、真打ちがきたな」と、ひとりでテンションがあがりました。「生酛、無濾過、8年熟成」です。パワーワードが3つも入っています。味は、熟れた果実です。甘い方向にいい感じに熟成が進んでいます。

○ハード:あう!口の中で混ざったときは日本酒の「甘み」が勝ちますが余韻はチーズのコク。甘・コクが交互にやってくるので、ずっとループできます!
△ウォッシュ:逆にこっちは合わなくなりました。甘い大七がすっぱく感じます。チーズのまろやかさは熟成の甘みと相性よくないのかもしれません。
◎青カビ:最高です。これは合う。ゴルゴンゾーラに蜂蜜をかけるあれ、のようです。クラッカーに乗せて食べて飲めば、よりよいです。

④分福は、青カビとあわせると完全体になる

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ラストは「初回のイベントなので大盤振舞い」とのことで+1本いただいた「分福」です。「全麹仕込み、日本酒度-18、16年熟成」と、これもすごいパワーワード。ざっくりとすごい変わったお酒だと思ってください。色はしっかり黄色で、味は甘いウイスキーのよう。デザート酒のようです。

○ハード:おいしい!合う、合わないでいうと全然別の方向の味なのですが、シンプルに美味しいです。ここまでお酒の甘みが強いと、もはや味の共通点などは些細なことに思えてきます。
△ウォッシュ:チーズが完全に負けます。よく考えると、チーズが負ける液体ってすごいです。チーズが可哀想になってきました。
◎!青カビ:完璧です。先ほどの「大七×青かび」で感じた「青かびにはちみつ」が、分福で完璧なものに仕上がりました。めちゃくちゃおいしいです。

ちなみに、熟成じゃないお酒で合わせてみると…

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(賀茂金秀、好きな広島のお酒です)

今回のお酒は、どれも熟成していて比較的「強い」ものばかり。単体では「飲みにくい」ともとられるタイプでした。

では、熟成じゃない、軽やかなお酒だとどうなるだろう? そう思い、すっきりタイプのできたて(2021年9月)のお酒でも試してみました。結果、全然合いません。お酒単体ならさわやかで心地よい甘みがあるのに、チーズと合わせた瞬間崩れます。
チーズには「熟成」のお酒が基本のようです。

熱燗にするとさらにチーズと合う!

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(剣菱の瓶を使ってレンチン燗をためしました)

ペアリング2週目は「ぬる燗〜熱燗」で試してみることに。温度がチーズを溶かすのか、より一体感がでてきます。特に冷たい状態だと△になることもあったハード・ウォッシュとの相性がすごくよくなります。

さらにハード→熱燗1→ウォッシュ→熱燗2のように、ひと口ずついろいろなルートで味わってみると…正直もうペアリングとか意味わからないのですが、口の中がいろいろな味になって楽しかったです。

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(チーズ店CONTEのキャラクターのようです)

チーズと日本酒は、合います。
それも、ただ合う、合わないというよりも、日本酒の味が印象が変わったり、チーズと混じりあい新しい個性を感じたりと、単体ではわからない味を楽しめました。

ここで、イベントを実際に参加された方のレポートより、日本酒×チーズのペアリングのコツを紹介します!

1,チーズの油脂分が多いほどお酒の温度をあげろ!
2,チーズの塩味が多いほどお酒はボディ、コクのあるタイプを選ぶ!
3,チーズの香・クセがつよいものは、お酒は熟成したものを選べ!

チーズ専門店「CONTE」さんと、地酒専門店「酒のさけもと」さん、貴重な体験ありがとうございました!チーズ×日本酒のオンラインイベント、今後も続くそうですので、ぜひ!

もちろん、お酒を飲みます。