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台湾ドラマ『想见你』が私の中国語学習をかえた


2021年の冬、『想见你』に出会った。

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それは台湾ドラマで、華流ドラマに詳しい親友が「2019年の台湾ドラマを震撼させたドラマがアマプラにきたんだよ!!」と教えてくれた。読み方は「シャン・ジェン・ニー」で、邦題は『時をかける愛』。

1話40分、全26話のそこそこの長さを2週間ほどでするりと観終えた。衝撃だった。

正直、華流ドラマに期待はなかった。おすすめされた中国ドラマはどれも少し観たけれど、文化が肌に合わないのか、好きな俳優ができないからなのか、あまり続かない。

実は、『想见你』も、はじめの3分で一度飽きた。失礼だけれど、なんだか面白くなさそうで。

でも、親友への義理のつもりで1話まるっと観てみると、不思議と止められない。

はじめは飛行機事故で行方不明になった恋人をひたすらに忘れられない美人OLの話のはずが、いつの間にか時をかけちゃっているのだ。

時空を超えるSFでありつつ、後半には高濃度のサスペンスが入ってくるし、人間の感情や自己愛について考えさせられる。だいぶ複雑だ。ただ言えるのは、一貫して一途なラブロマンスである。ひたすらに恋人を愛した二人の物語だ。

まぁとにかく、私には刺さった。韓国ドラマ『偶然見つけたハル』や、映画『ビューティーインサイド』が大好きな私は、【ちょっとSFみのある一途な恋愛モノ】には目が無い。



同じく2021年の冬、私はHSK5級を受験した。ちなみに合格した。

英検の中国語verみたいな、まぁとにかく留学に必要な語学資格だ。


noteで何度もいうけれど、私はそこまで中国語が好きじゃない。

英語と韓国語は推しの存在や好きな作品が多いから無限に聴いていられるが、中国語はそうじゃない。

中国語だけは、どこまでいっても「勉強」であり、趣味ではない。

留学に必要だから、仕事で使えそうだから、生きるためにやってる。教えてくれた先生たちに恩返ししたいし、中国語で会話したい友人もいるし。

そうやってなんとなく自分をごまかしてHSKの勉強をしていた。うん、勉強自体は楽しい。たぶん私は知的好奇心が強いから学習自体が好きだし、結果が目に見えるテストとかもわりと好きだ。


でも今回のHSK5級は、『想见你』とともにあった。

この相乗効果が凄かった。

『想见你』を観る⇒中国語を聴く⇒勉強したくなる⇒HSKの勉強をする⇒『想见你』の中国語が聴き取りやすくなる。

なんという好循環。

初めはドラマの中国語が速すぎて(私ってほんとに中国語専攻してんの?)と思うくらいに暗号に聞こえたけれど、後半につれて少しだけ、本当に少しだけ耳が追い付いた。


中国語を始めて3年。正直、外国語大学でガチガチにやってきた人よりもかなりゆるく坂を上ってきた自覚はある。

試験前以外はろくに勉強しないし、いまだに文法もあやしい。

でも、なんとか大学でひとつ、確固としたスキルを習得しようという気概はあった。

英語に逃げることもできたけれど、留学先で中国語の講義を受けることを自ら選択した。その志願に必要なHSK5級も、大学2年生の自分には夢のまた夢ってくらいに難しかったものだった。

自分にはできない、といつも思ってしまうけど、意外と努力は結果になる。DREAMS COME TRUE TO THOSE WHO TRULY WANT THEM、なんだ。(分からない人はThe ViewのMVを見てくれたらいい)


少し話がそれるけれど、TOEICもはじめ、800点を目指してた。もともと公式テストは1度しか受けたことがないし、それも600点未満で。

「目標は高く、800点。でも730点くらいとれたらまとめ記事をあげます」なんて強気なんだか弱気なんだかわからないつぶやきをnoteでも言った。

結果は、890点。満点まであと100点の、誰が見ても低くはない点数だろう。

私は国際系に所属していることもあって、ずっと575点スコアを持っていることが恥ずかしくて。理系の学部の子が800点を超えていたりしていることも全部がコンプレックスだった。

なので安堵したり、私もやればできる子YDKなのかなと思ったり。


中国語もきっと、上達を求めて学習していなかったら『想见你』の中国語を聴きとれることはなかったし、ここまでドラマを楽しめなかったと思う。

就活をしていて、人生はどんな無駄に見えることも運命的につながっていると感じることが増えたけれど、HSKと『想见你』もそうだった。

ほんの少しだけ頑張ってきた私の能力と、初めての大きなモチベーション。


実を言うと、この記事を書いている理由は、再び中国語のモチベーションが地の底まで落ちているからだ。

ビザさえおりれば夏から台湾留学。中国語ができないとまずいのに、焦りだけが先行する。「やらなきゃ」と思うほどに辛くなって、在日ネイティブと話すのがひどく億劫になる。

こうして、やる気にあふれていた去年の冬を文章に起こすことで、明日からの私を奮い立たせたい。



「やるべきこと」と「やりたいこと」に分けるんじゃない。『やりたいことのためにすべきことがある』と考えるんだ。

これは、キムスンミンという世界最高の勤勉ボーカルの言葉で、私の学習机の目の前に常に貼られている言葉だ。

やりたくない、めんどくさいという感情に支配されそうになったらいつもこの言葉に救われる。「やりたいこと」に立ち返れば、どんな行動もタスクも全部、“やりたくてやってる”ことになるから。


最後に、私の試験のお守りの1曲を紹介する。

大好きなStray Kidsの、Victory song。


人の多い試験会場でも「Listen to This, スンじょんっがぁ!!」で精神統一。絶対に合格してやるよ、目標点数取ってやるよ、と意気込める。

そして試験の結果を見るときもこの曲を聴く。試験結果を見るときって不安と緊張でたまらなくて、でも自分だけは頑張った自分を信じてやらないといけないと思って。


実はまだ、スンジョンカを聴きながら悪い結果を見たことはない。

もちろん受けた試験の数が少ないということもあるだろうけど。

これからも、相応の準備をして、スンジョンカを聴いて、結果を出せる人間でありたい。



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