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キングサリに込められたもの


数年前までドイツの確定申告の書類提出の期限は5月末でした(今は7月末)。テスト勉強をぎりぎりになるまでやらないという自分の習性は大人になっても変わることなく、もちろん確定申告も5月になってお尻に火がついてからようやくスタートするのが常でした。なのである年に申請用紙が足りないのに気づいてミュンヘンの税務署まで取りに行ったのも5月の下旬になってからのこと。


市電を降りてぶらぶらと建物に近づいていくと黄色く明るく光る植物が目に飛び込んできました。そばによっていくとぶどうの房のようにぶらさがった見事なキングサリの花!


どこでも見かけるものではないけど町中で前庭に植えられていたりしてちらほらと目にする花。その美しさに感嘆するよりも思わずニヤリとしてしまったのはキングサリのドイツ語名「金の雨(Goldregen)」がふと頭をよぎったから。(ゴールドラッシュという別名もあり)

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税務署といえばドイツでも、庶民が汗水流して働いて得たお金を搾り取るところという解釈をされ、ある意味怖く憎まれ役的な存在の役所です。なので、もしかしたらこれを植えた人、あるいは植栽を計画した人は私たちの気持ちを汲んで、確定申告をした暁にはたくさんのお金が還付されますように=金の雨が降りますように、とせめても願ってくれたのかもしれないと思ったのです。


ちょっと深読みしすぎかな?。この時期は私のように駆け込みセーフをねらってあたふたする人が多く税務署訪れるから、そのごほうびにこの時期ならではのキレイな花を見せてようようというだけの意図なのかもしれません。


もしや、それとも反対に税務署に金の雨が降るよう皆さん、しっかり税金を払ってくださいよという意味なのかしらん。だとしたらものすごいブラックジョークだなあ。いやいや、そんなことはないはず。


全て独りよがりの勝手な空想でしかないのですが、このキングサリを見るとその陰でふふっと笑いながら茶目っ気たっぷりにウィンクしている人の存在を感じてしまうのです。


2年前にオンライン申告に切り替えてからはあえて税務署に出向く必要もなくなってしまいました。でも今年の確定申告を済ませる前に久しぶりにキングサリの満開の花を見に行って、陰で微笑んでいる人のメッセージを受けとりにいこうかな、なんて思っています。

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