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ウチは関西風

 ゴールデンウィークも中盤戦、起きた時は外は雨だったが日が昇るにつれて雨雲も取れて朝日が差し込んでいる。

 お休みの日というのは何でこんなに早く過ぎていくのか不思議で仕方がない。

 平日と時間の流れが明らかに異なる気がするのは私だけではないはずである。

 せっかくのお休みなので晩御飯にでも春らしいこだわりのあるご飯を作りたいと思う。

 こういう時に頼みの綱の野菜の直売所は連休態勢なのでやっていない。

 近所の道の駅はお出かけの車で駐車場が溢れているので利用しづらい。

 なのでこういった時は頼みの綱として実家の父の畑に頼る事にしている。

 実家には祖父の代から伝わる小さな畑があって色々な野菜を植えている。

 この時期だと新玉ねぎと新ジャガイモと人参辺りを育てている。

 なので父に連絡して何か野菜を分けて欲しいとお願いしたら快く引き受けてくれた。

 私の家と実家までは車で十分くらいの近所なので事あるごとに訪ねる。

 実家に着いて仏壇で線香をあげて居間に行くと父がテレビで熱心に麻雀番組を見ているのがいつものパターンである。

 この間も同じようにテレビに夢中だったので台所で料理をしている母に声をかけた。
 
 あら、いらっしゃいと言われてお茶を淹れるから待っていなさいと言われた。
 
 私は麻雀はほとんどルールを知らないので父の話し相手にはならない。

 そのうちに母が茶菓子とコーヒーを持ってきてくれた。

 ズズズとコーヒーを飲んで茶菓子を食べながら母と近況報告をする。

 父も母も高齢なのでなるべくまめに顔を見せるようにしている。

 お茶タイムが終わると父がテレビを消してよっこらしょと立ち上がった。

 ついてこいと言うので外に出ると庭の軒先に新玉ねぎがズラリと干してあった。

 ジャガイモはそこだと言われて段ボールを覗くとこれまたどっさりと詰まっていた。

 ニンジンはまだかのぅと言うので玉ねぎとジャガイモをエコバッグに詰め込んだ。

 それからまた居間に戻って世間話をして実家を後にした。
 
 帰宅してからすぐに料理に取り掛かった。

 新玉ねぎはサラダとみそ汁の具材にした。

 新玉サラダはスライスした玉ねぎの上に汁気を切ったツナ缶を乗せて卵の黄身と鰹節を散らしたもので食べる時にポン酢をかける。

 ジャガイモは定番の肉じゃがにする。

 私は西日本の人間なので牛肉で作る事が多い。

 とはいえ豚肉で作る肉じゃがも決して悪くないと思う。

 糸こんにゃくは入れないでシンプルに肉と野菜を煮る。

 ジャガイモと人参と玉ねぎと牛肉で材料は以上である。

 作り方はごく普通だが料理に使うお酒はちょっと良いものにするのがこだわりと言えばこだわりである。

 肉じゃがは作り始めて三十分もしたらできる時短料理なのでよく作る。

 汁物はあおさの味噌汁という簡単な物。

 これとご飯があればもう充分である。

 まずはビールを開けてグビリと飲む、口開けに飲むビールは何時だって正義に決まっている。

 それからではではと肉じゃがに箸を伸ばす。

 新じゃががホックリしており牛肉のいいダシが出ていてなかなかのお味。

 邪道だと思うが肉じゃがにマヨネーズをつけると即席のホットサラダ風になって結構癖になる。

 新玉サラダも黄身を落としているのでよくかき混ぜるとコクが加わる。

 これもまた泣けるほどビールに合う。

 モグモグと食べているとけっこうたくさん作ったはずなのにもう無いやという事がある。

 肉じゃがは意図的に残して翌日にカレーにアレンジするのは鉄板レシピである。

 うまい具合に食材を使えた時は何となく嬉しくなる。

 毎日のご飯作りですもの楽しまないと損ですよね。

 さあ、今日は何を食べようかな。

 

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