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ペーパーテストの功罪

「暗記に走らないで理解中心の学習をすること」
という理想論は教育者なり実務家なり持っているだろう。
特に我々士業にとっての資格試験はスタート地点に立てるパスポートにすぎず、合格してもその先に待ち受ける実務上での課題の解決能力を養うことが求められる。
ペーパーテストは、同じ条件のもとで絶対的・相対的な理解度を問うことを主目的としているし、一定の採点基準のもとで決まった時期までに採点を終える必要があるため、このような前提のもとでは必ずしも理解力や実務力を問う問題ばかり作れないのだ。
それにもかかわらず、「暗記をするな」「ペーパーテストでは何も測れない」という声が常に一定数聞こえてくるということは、テストをパスしても仕事ができることとは同義ではないからだろう。

自分はこれまで数年にわたり多くのペーパーテストを採点したことがあり、その数は盛ることなく数万件に及ぶ。その採点対象の答案の回答者のその後の行く末を必ずしも知るわけではないため何の統計にもならないが、論述式のペーパーテストでは理解度以外にも測れるものがあると思っている。
注意力・他者(採点者)への配慮・答案構成のバランス・聞かれたこと(課題)に過不足なく答える思考整理 等。

ペーパーテストが意味のないもの扱いをされることがあるが、効果的な問題を出題すれば、確実に大きな意義を持つ。
中途入社者の面接でも大いに活用できると考えている。

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