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家の中の記憶
ゆうちゃんは小さい頃、玄関先の廊下にケージを置いてその中で暮らしていました。
初めて会った時は本当に小さくて、細くて子ギツネみたいでした。
以前飼っていた子(その子も柴犬でした)がいなくなり、当時住んでいた家を引っ越してしばらくしてからの事だったと思います。
記憶が曖昧なのは、この頃私自身は実家にはおらず、東京でひとり暮らしをしていたからです。夏休みか何かで実家に帰り、その時初めて新しい家と新しい家族に会ったと記憶しています。
引越しは聞いていたのですが、犬のことは聞いてなかったので、とても驚いたことを今でもよく覚えています。(そのせいか他の記憶が曖昧です)
初代の子がいなくなって、私自身はその子を看取ってあげられなかった無責任な自分が嫌で、犬という生き物に距離を置いていた時期だったので、玄関で尻尾を振っている小さなゆうちゃんを見て、ちょっと引いてしまったことも、今では良き思い出です。
ケージの中で、小さな尻尾をブンブン振って、『あ、知らない人だ‼︎誰だか分からないけど、オレと遊んで?』という感じで付き纏われた気がします。
ある時帰省してふと見ると、ケージが置かれた右手の日本間の襖の縁が、一部、木が削れているではありませんか‼︎
『え、これなんなの?』
『あぁ、それね〜、ゆうちゃんが削っちゃったの〜〜』(しょうがない子よね〜〜という、全然参ってないニュアンスで言われた。仔犬恐るべし…!!)
どうやら、ケージの柵に前足をかけてちょうど顔が届く部分を、噛んでボロボロにしてしまったようなのです…‼︎(歯が痒い子あるあるですね‼︎)
そんな仔犬のゆうちゃんにボロボロにされて襖の縁は、今もそのままです。
もう直すことはないんだろうな。
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当時、ガラケーで撮ったゆうちゃん。
仔犬時代のたった一枚残っている写真。
画像が荒くても、可愛いは伝わる。仔犬凄い。
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