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【執筆記】小説を分業制にしてはいけないのか

著者が私一人である必要性とは

昨日、「あとちょっと、あとちょっと」を繰り返して、気づけば完徹し、「あのスティークを切り開き」を完結させました。一応。読んでぇー。

この作品もそうですし、

ここで書いた、すば新に応募した作品、いずれも夫にガッツリとプロットの相談をしました。

しかも、物語の核心部分だったり、全体のストーリーラインについてだったりです。

「スティーク〜」については、夫から
「特殊な職業、特殊な属性、特殊な場所、凡な結末」という端的に心を抉る、しかし完全に的を得た指摘を頂きまして、ラストを丸ごと書き換えました。
「11章立てを110分の映画だと考えたら、ラスト10分でいきなり転じて解決してるし、制作費余ったのかなって思う」とも。

いや、この指摘はほんっとその通りでした。そして何がダメなのか凄く分かりやすかった。
その上で、じゃあどうしようか…という話をし、いくつかのラスト案を話して意見を貰う、ということをしました。結果、章もひとつ増やしましたし。
何と、幻のラスト2章が3本書き上がってます。本当に出せる状態の、丸々書いたやつを3セットボツにしました。

その検討の結果があれなんですけど、まだ修正し切れてない可能性全然あるのが悲しいとこですね…。

ここまでやるなら、「なんか良いラスト案ない?」と聞いてしまいたかったのですが、流石にそれをやると私の作品じゃなくなるかもと思って堪えましたが。

しかし、「私の作品じゃなくなる」、これに何か問題があるのだろうか?と疑問に思いました。
プロットの重要な部分について、共同でアイデアを出す、これって共著みたいなものでは?と思ったのです。
私単独で考えるより、夫と考えた方がより良いものが出来る。それならば、私ひとりで書いたという実績にこだわる必要はないのではないか、と。

プロの作家なら、この役割を編集者が担うのでしょう。素人なので私は夫にやって貰ってます。

作品におけるプロットの比重って意外と重くないのでは

書いてみて思うのが、私の実感としては、作品における比重はプロット4割・表現(書きぶり)6割だなと。
つまり、プロットにおいて大幅に他者の意見を取り入れても、実際執筆する私の感性の比重の方が大きい、と感じています。

なぜそう思うかと言うと、自分ひとりでプロットを立てても、実際書いている時に、重要なモチーフに気付いたり、軽い伏線回収みたいなもののアイデアが浮かんだりします。
執筆中に追加される要素がかなり多く、そしてもちろん、文章表現のクセや雰囲気も、私の感性がそのまま反映されます。

ですので、例えプロットの重要な部分がまるっと夫という他者のアイデアだったとしても、それが即夫の作品かと言うと、そうでは無いと思います。

大切なのは「面白い作品を作ること」

Netflix独占配信の「全裸監督」や、日曜劇場「アンチヒーロー」のように、一話丸ごと脚本を複数人で作るというやり方がありますね。
小説においても、プロットをそうやって作るのってアリなのでは、と思います。
まぁそれがまさに共著なんじゃないかって話なんですけど。
その共著がもっと一般的であってもいいのではないか、と思いました。

これは、AIを執筆に導入することについての議論にも繋がるのかな、と。
例えばAIにプロットを全て作らせて、それをもとに小説を書いたとして、それがズルいみたいな空気にならない状態。それは、作家性はありながらも、エンタメとして面白いものを作れる可能性が上がる土壌ではないかな、と思いました。

原稿は寝かすもの、みたいな話がありますが、これって書いたものを客観視出来るように、ということですよね?ね?
でも、自分で客観視しようと努力するより、他者に見てもらった方が遥かに客観視できる訳ですよね。

そりゃ、物凄い才能の持ち主であれば、脳みそ1個の方がいいものが出来るでしょう。
でも、ことエンタメ性の高いというか、文学性よりストーリー性の比重が大きい作品については、2~3個の脳みそでプロット考えた方が、面白いというか大衆受けするんじゃないかと思います。
要は、面白い作品を作るためには、「誰の作品か」「ひとりで作ったか」ということにこだわらなくてもいいのでは、なんて。

とりあえず私は、今後も編集者・夫の意見を取り入れる

これですね。
別にみんなそうすべき!とかじゃなく、「それって私の作品なのかな……」という逡巡なく、夫にゴリゴリ意見聞きます。
そしてその比重があまりにも多かったら、相談して共著にします笑

小説を、漫画みたいに原作者・執筆者と分けてクレジットするような売り方がもっと一般化したら、面白い作品増えたりして〜っていう、まぁ戯言です。

いっぺん、「このプロットで各自小説書いてみようや」みたいなのやってみたいですけど、残念ながら小説書くオトモダチほぼ居ないんで私には出来ません。
誰かやって下さい。
結構バランバランな作品が出来上がって面白そう。
小説の書き方講座でそういうことってやってないんですかね。テーマ与えられるだけなのかな。

とりあえず、このプロットで各自小説書いてみようや大会については私のアイデアだと主張して、ラスト1行で全てをひっくり返してまとめとします。

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