産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEA…

産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEAPシステムズ「産業ダイアローグ研究所」のnoteです。オープンダイアローグのアイデアの産業領域での活用を推進し、「ビジョン・クラフティング研究所」と共にEAPの新たな可能性を探って参ります。

マガジン

  • JES通信コラム

    株式会社ジャパンEAPシステムズのメルマガ、JES通信に掲載している「ドクター米沢のミニコラム」を毎月転載します。

  • オープンダイアローグとその周辺

    オープンダイアローグだけでなく、産業領域で活用できるさまざまな心理社会的アプローチを紹介します。

  • 産業オープンダイアローグ研究会

    2018年にスタートした産業領域におけるオープンダイアローグ活用のための勉強会の活動を掲載します。

  • JES学術活動

    米沢だけでなく株式会社ジャパンEAPシステムズ スタッフの学会・講演活動を紹介します。

  • 健康経営

    健康経営に関する情報を掲載していきます

最近の記事

新入社員の五月病・六月病に備えて(JES通信【vol.181】2024.5.9.ドクター米沢のミニコラムより)

▼五月病、六月病とは  五月病という言葉はみなさんご存知と思います。最初に使ったのは誰なのかよくわからないのですが、昭和40年代(1960年代後半)にはマスコミ等で使われ始めていたようです。  五月病の元々の意味は、熾烈な受験戦争を勝ち抜いた優秀な学生が、大学に入ると目標を喪失し、ゴールデンウィーク明けあたりから一時的に無気力な状態になることを指していました。その後、新入社員の不適応に対しても使われるようになりました。ただ新入社員の場合は目標喪失というよりも、厳しいサラリ

    • 森とこころの研究所主催 デモポリーボードゲーム体験workshop

       産業ダイアローグ研究所副所長の春日からの案内です。  対話文化醸成の一環から、森とこころの研究所では「デモポリーボードゲーム体験workshop」を企画しました。一緒に体験してくださる方を募集しております。定員7名です。 「民主主義を学ぶ!Demopolly(デモポリー)」  経済格差が広がっていたり、戦争の足音が日本にも近づいているように感じる今日この頃。そろそろ、しっかり民主主義を考えないとまずいのでは、と、個人的に危機感を抱いています。  一人で悶々と考えるより

      • 副所長のフィンランド視察記(2024年度第1回産業OD勉強会)

         2024年度の第1回産業オープンダイアローグ勉強会を4月25日にオンライン開催しました。年度初めでみなさんお忙しかったのか参加者は6名でした。  今回は副所長の春日が話題提供しました。我々が取り組んでいるオープンダイアローグは、フィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院で生まれましたが、昨年、ケロプダス病院は地域の医療センターに吸収され、その役目を終えたとのことでした。その辺の事情も含め、フィンランドのダイアローグ事情がどう変わってきているのか、Nagoya Co

        • 学会参加報告:交流分析学会2024その2 講習会

           交流分析学会2024の2日目は講習会でした。1日目はこちらをご覧ください。天気が良くてよかった! 【門本先生の「関係性交流分析」】▼寝坊!遅刻!!  2日目は完璧に寝坊して1時間遅刻!ワークショップだから途中からは入れてくれないんじゃないだろうか!?とドキドキしながら会場に向かったけれど、教室入り口の前を通ったら、わざわざ大会長が廊下に出て迎え入れてくださいました。感謝。  午前の講師は大正大学の門本泉先生。30年前に一緒に交流分析を学んだ仲間です。佐島マリーナで行われ

        新入社員の五月病・六月病に備えて(JES通信【vol.181】2024.5.9.ドクター米沢のミニコラムより)

        マガジン

        • JES通信コラム
          26本
        • オープンダイアローグとその周辺
          17本
        • 産業オープンダイアローグ研究会
          9本
        • JES学術活動
          36本
        • 健康経営
          5本
        • JESセミナー
          10本

        記事

          学会参加報告:交流分析学会2024その1

           私の専門の一つ、交流分析の学会に参加してきました。自分の研究発表は無し。RC(後述)の発表を考えていたのですが、準備が間に合わず。  江戸川大学は初めて訪問しました。流山市の新興住宅地にある、こぢんまりとしつつも広々としたキャンパス。東京ではオフィスビルのような大学が増えましたが、昔ながらの大学らしい大学だなと思いました。 ------------------------------------------------------------- 日本交流分析学会 第49回

          学会参加報告:交流分析学会2024その1

          【申込開始】公開型オンライン研修(管理職のためのメンタルヘルス・ラインケア研修、ハラスメント対策研修)

           当社では「管理職に研修を受けさせたくても対象者が少なく、毎年の実施が難しい」「業務上、一度に人数を集めづらいが、複数回開催するとコストがかさむ」などのお困りの声にお応えして、公開型オンライン研修を毎年行っております。  昨年度好評だった管理者向けのメンタルヘルス・ラインケア研修とハラスメント対策研修の2種を今年度も実施いたします。  本研修の特徴は、事例を通じて理解を深め、具体的な対応方法を回答する、確認テストで振り返るなど、参加者を「聞きっぱなし」にさせない工夫にあり

          【申込開始】公開型オンライン研修(管理職のためのメンタルヘルス・ラインケア研修、ハラスメント対策研修)

          JES契約企業から85社が健康経営優良法人に認定

           今回は「JESからのお知らせ」から転載です。  2024年3月11日付で経済産業省と日本健康会議から発表された「健康経営優良法人2024」において、当社(ジャパンEAPシステムズ)の契約企業のうち85社が健康経営優良法人の認定を受けました。  認定企業の内訳は以下の通りです。 <グラフ>  この結果は、ひとえに各企業様における日頃からの健康経営への取組みの賜物であり、改めて敬意を表します。  健康経営優良法人の認定要件(健康経営度調査)の中で当社がお手伝いできる項目

          JES契約企業から85社が健康経営優良法人に認定

          改めて「共存共栄」を思う(JES通信【vol.179】2024.04.10. Mr.榎本の徒然ダイアリーより)

           今回は当社社長、榎本正己が半年に1回JES通信に執筆しておりますコラムを転載します。 Mr.榎本の徒然ダイアリー ─────── 改めて「共存共栄」を思う  皆様こんにちは。  ジャパンEAPシステムズの榎本です。  4月と10月は、私が徒然なるコラムを執筆しております。  先日、ある企業のEAP窓口の責任者であるS様が定年退職されました。その企業とのEAP契約の開始は18年前にさかのぼり、S様は契約開始当初からずっと、窓口責任者として関わってくださっていました。

          改めて「共存共栄」を思う(JES通信【vol.179】2024.04.10. Mr.榎本の徒然ダイアリーより)

          さんぽセンター東京で復職支援の研修を担当しました

           2019年から年2回、東京産業保健総合支援センター(さんぽセンター東京)の産業医研修会のお手伝いをしております。今回のテーマ、復職支援は2022年3月、2023年3月に続いて3回目です。 日時:2023年3月1日(金)14:00~16:00 研修名:復職支援の勘どころ(実地研修) 内容:うつ病や適応障害による休職者の復職支援、復職判定について、事例を踏まえ業務起因性精神疾患の考え方、休職者の心理、リワークを含めた休職中の支援の進め方を検討します。また診断書や意見書など主

          さんぽセンター東京で復職支援の研修を担当しました

          首尾一貫感覚(SOC)と復職支援(JES通信【vol.178】2024.3.12.ドクター米沢のミニコラムより)

           今回の記事はすでにnoteに掲載したもの(資料1)をJES通信コラムのために加筆したものです。内容は基本的に同じです。ご了承ください。  先月のJES通信vol.177で、当社のリワークプログラムに関する産業ストレス学会での発表を紹介しました。この内容を少し詳しく解説した記事を、産業ダイアローグ研究所noteに掲載したところ(資料1)、短期間のうちに多くの方が見てくださり、関心の高さがうかがえました。 そこで今月のコラムではnoteの内容に加筆しつつ、発表内容とそれに関連

          首尾一貫感覚(SOC)と復職支援(JES通信【vol.178】2024.3.12.ドクター米沢のミニコラムより)

          産業ストレス学会発表:外部EAPの内面化が企業の問題対応能力向上に寄与

           当社中部支社のカウンセラー、夏目こころが、2023年12月の第31回日本産業ストレス学会(資料1)にて「企業における外部EAPの内面化のプロセス検討」と題して一般演題発表を行いました。 ▼研究の目的、方法  ある企業において、通常のEAPサービス(電話・メール・面接相談)とカウンセラーによる企業訪問(派遣相談)を組み合わせた形式での休職復職支援を約7年間にわたり実施し、従業員だけでなく、上司、人事及び産業保健スタッフを総合的に支援しました。現在は、通常のEAPサービスと

          産業ストレス学会発表:外部EAPの内面化が企業の問題対応能力向上に寄与

          産業オープンダイアローグ研究会2023報告

           産業オープンダイアローグ研究会(勉強会)の報告をまたまたさぼっておりました。2023年5月に第1回勉強会の報告をして以来になります。2023年度は以下のような内容で6回実施しました(zoomによるオンラインのみ)。  いずれもエキサイティングで面白かったのですが、内容が多岐に渡り過ぎて、米沢が文章にまとめきれなかったというのが正直なところです。講義や会議と違ってそれぞれが感じたことを言葉にしていきますので、まとまらないというか、それぞれの思いがzoomの空間に広がり、緩や

          産業オープンダイアローグ研究会2023報告

          人は、目に見えないものは信じにくいのか

          1.感染の二極化 この冬の流行(いわゆる第10波)は2月初旬にピークアウトしたようですが(資料1)、みなさんの周囲では「体調不良」でお休みされる方、あるいは無理に出勤される方も少なくないのではないでしょうか。一部ではコロナの抗原検査で感染を確認し、療養される方もいますが、「風邪くらいでは休まない」という考えが復活したのかもしれません。 コロナ病棟のドクターの話を聞くと、この冬はコロナの肺炎が増えたそうです(資料2)。そのほとんどの方がワクチン未接種か2回以下の方、または最終

          人は、目に見えないものは信じにくいのか

          フジEAP健康経営実践研究会で講演

           2月に行われた株式会社フジEAPセンターの健康経営実践研究会で、オープンダイアローグの紹介をしてきました。 --------------------------------------------------------- 講演名:フジEAP 2023年度 健康経営実践研究会     繋がること。話すこと。     ~ 2 on 1 ミーティングでメンタルヘルス対策を見直す ~ 日 時:2024年2月1日(木)14:00-15:30 会 場:オンライン https://

          フジEAP健康経営実践研究会で講演

          産業ストレス学会発表:首尾一貫感覚が復職継続の指標になる可能性

           2023年12月に行われた日本産業ストレス学会では、当社から米沢を含め3人が登壇しましたが(資料1)、今回は組織コンサルテーションチーム槇本英典による一般演題発表の内容をご紹介します。 演題名:メンタルヘルス不調により休職した労働者を対象とした1か月間のEAPリワークプログラムの復職準備性および復職継続への効果 発表者・共同演者:槇本英典1)、榎本正己1)、清野俊充1)、吉田耕平1)、安原京子1)、櫻谷あすか2)、今村幸太郎2)、川上憲人2) (1) 株式会社ジャパンE

          産業ストレス学会発表:首尾一貫感覚が復職継続の指標になる可能性

          震災とコロナ5度目の冬(JES通信【vol.177】2024.2.13.ドクター米沢のミニコラムより)

          1.震災後のメンタルヘルス 能登の震災から1ヶ月が過ぎました。当初は被害の全貌がなかなか明らかになりませんでしたが、日を追って入ってくる映像や情報に愕然とした方も少なくないのではないでしょうか。地盤が4m(二階建て住宅の高さ)隆起したとか、海岸線が数百m沖に動いたなど、想像を絶する事態に言葉を失いました。 ▼被災者の回復の二極分化  大災害が起きた時、まず自分の命を守り、可能な範囲で救助に動きます。大きなケガなどがなければ避難所等へ移動し、次は「命をつなぐ」ための衣食住

          震災とコロナ5度目の冬(JES通信【vol.177】2024.2.13.ドクター米沢のミニコラムより)