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#マンガ感想文 記事まとめ

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マンガ感想文や、おすすめのマンガの紹介について書かれた記事をまとめた公式マガジンです。
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少年ジャンプ2024年24号感想

前号:少年ジャンプ2024年22・23号 次号:少年ジャンプ2024年25号 2024年5月13日 発売 表紙 :さいくるびより 巻頭カラー :さいくるびより センターカラー :夜桜さんちの大作戦 センターカラー :カグラバチ センターカラー :キルアオ 新連載 :さいくるびより リアルが忙しかったこともあり、かなりアップが遅くなってしまいました。この時期にアップして誰が読むんだろう……、とは思いますが、1回飛ばしとかになってしまうのも気持ち悪いのでいつも通りに書きました

現実の当事者はそっちのけ。『作りたい女と食べたい女』第51話の「クエスチョニング」を考える

 さてさて、恒例の『作りたい女と食べたい女』(以下、『つくたべ』)ですが、第51話になったところでいつにも増して意味不明な描写が多く、担当編集も見放して出来の悪さガン無視なまま単行本最終巻のストックを淡々と描かせているのではないかと疑う昨今です。5ページ4コマ目の「また一緒に遊ぼうねー!」の意味がわかった読者はどれだけいたのでしょうかっていう。  朝日新聞でのインタビューでは担当編集が現実の当事者との接点を繰り返し強調しておりましたが、51話の「クエスチョニング」の解像度の

読書感想文 新井英樹『真説 ザ・ワールド・イズ・マイン』 、およびくるり『THE WORLD IS MINE』全曲レビュー

目次を覚えたぞっ はじめに こんにちは。その名の通り、読書感想文です。先月ぐらいだったかに読んでえらく共鳴しまして、放っておくと断片をひたすらTwitterで再放送してしまいそうなので、ひとまずここに全部書いときます。アルビニ追悼記事後編とどっちが先に仕上がるかわかりませんが、多分こっちの方が先になるでしょう。基本的に読んだ人向けの内容で、ネタバレは全開も全開で行きますので、悪しからず。文体とかもどっちらけの書き殴りです。  あと、マンガ本編の画像をバンバン引用します。最小

【#WJ24】週刊少年ジャンプ2024年24号感想【寿司いくら】

アンケ1:グググ 2:鵺 3:極ネク ジャンプ歴20年Vtuber寿司いくらのジャンプ感想です。 毎週火・水曜22時からの配信でも感想を語ってますのでそちらもよろしければどうぞ! ↓配信アーカイブ 【#wj24】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ24号の感想を語り合おうぜ!前半戦!【さいくるびより、スタート!!】 【#wj24】ベテランジャンプ読みと週刊少年ジャンプ24号の感想を語り合おうぜ!後半戦!【ブラザーからのブラザー】 ●さいくるびより 1話 表紙 新連載

おすすめ読切マンガ5選+α(2024年5月前半)

どうも、マンガ大好き芸人の吉川きっちょむです! よろしくおねがいしマンガ! 毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されて読み切れないと思うので、忙しいひとのために話題になった読切や個人的に響いた読切をピックアップ! ↓4月のまとめはこちら↓ YouTubeはじめました!この春から始動したYouTubeを宣伝させてください! イマ読みたい最新のオススメマンガを紹介するYouTubeチャンネル YouTube「マンガ好きっちょむチャンネル」 ぜ

「事情」過剰な平成、そして「事情」不在の令和ヒロイン

『彼氏彼女の事情』という漫画をご存知だろうか。 疲れると長めの少女漫画を読んでしまう癖のある私が最近ぼやぼや読んでいた漫画である……懐かしい! 連載されていたのは1996〜2005年、平成前期の香りを閉じ込めたような作品だと今となっては思う。ちなみに庵野秀明監督がアニメの監督をしていたことでも知られている(アニメは1998〜9年放送)。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B078GZSR4X/ref=atv_dp_share

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ヒロアカNo.422『緑谷出久:ライジング』を読んで

初めましての方は初めまして。 Xやpixivでの友人はどうもです。初投稿でドキドキしている朱音といいます。 感想の前に、つまらない自分語りをさせていただきます。オタクのひとり言なので、飛ばしてもらっても構いません。読んで、一人でも共感してもらえると嬉しいです。 私は普段、ソシャゲのスクショや日頃の何気ない話をXで呟くだけのゾンビのような存在なのですが、時にどうしても長文を書きたくなることがあります。それが、『面白いものを見た瞬間』です。 特に、私は週刊少年ジャンプの漫画が

『虎に翼』を観ていると、私はいつも山岸凉子の傑作バレエ漫画『テレプシコーラ』のことを思い出す

朝ドラ『虎に翼』が相変わらずずっと素晴らしいのだが、『虎に翼』の法学部編を見ていると思い出す物語がある。 山岸凉子の『舞姫 テレプシコーラ』である。 バレエ教室の実家で育った千花と六花は、どちらも昔からバレエを習っていた。千花は小学生の時点で完璧主義でバレエの実力も高く、バレリーナになることに対して覚悟があるのに対し、六花はどこかおっとりとした性格で、バレリーナになるということに対しても及び腰だった。そんななかで。小学五年生の六花のクラスに、空美という女の子が転校してくる

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マンガレビュー『BLUE GIANT』石塚真一(2013~2016)たゆまぬ努力と何げない日常の積み重ね

おもしろくて一気に読んでしまった以前から読みたい と思っていたマンガでした。 本作はジャズを 主題にした作品で、 昨年はアニメ映画化もしました。 映像で観るべきか、 本で読むべきか、おおいに悩みつつ、 マンガの方を読むことにしたのです。 実際に読んでみると、 想像以上のおもしろさで、 一気に全10巻を 読み終えてしまいました。 一体、本作のどこがおもしろく、 そこまで惹きつけられたのか、 考えてみます。 若者が掲げた夢は 世界一のサックスプレイヤー本作は2013~

「のび太と鉄人兵団」の前哨戦!『大あばれ、手作り巨大ロボ』/巨大ロボット大暴れ①

「大長編ドラえもん」の最高傑作のひとつ、「ドラえもん のび太と鉄人兵団」。 鏡の中の地球を舞台に、ロボット軍対のび太たちが壮大なスケールの戦いを繰り広げるお話で、のちに「トランスフォーマー」としてハリウッドで映画化された。(一部嘘を含みます) その中で、リルルという忘れがたき美少女ロボットが登場し、自己犠牲的なラストを迎えるに当たり、子供だった僕は死ぬほど涙を流したことを鮮明に覚えている。 そして、本作では、リルルの他に、超個性的なロボットキャラクターが描かれている。そ

Kashmir 『てるみな 5』 : 日常のなかの異界へ

書評:Kashmir『てるみな 東京猫耳巡礼記(5)』(楽園コミックス・白泉社) 前の第4巻の刊行が2021年5月だったから、じつに3年ぶりの刊行である。 しかし、「「楽園」web 増刊」への、年に3本平均の不定期連載とは言え、『楽園 Le Paradis』本誌に別作品『ぱらのま』を連載している作者としては、ちょうど良いくらいの執筆ペースなのではないだろうか。 昔の「マンガ週刊誌連載」のような、異常な執筆ペースで、読み切り作品の連載などできるわけもなく、作品の品質を保つに

江戸川乱歩との大コラボ作品!「かいじん二十めんそう」/藤子F初期絵物語②

藤子先生の初期作品の一つのジャンルとして、「絵物語」がある。これは小説と挿絵を組み合わせた読み物で、1957年から1961年あたりに数多く発表している。 「タップタップ」シリーズや「スーパー=キャッティ」など、小説部分を久米みのる氏が担当する絵物語が多いが、一本だけ特筆すべき異色の作家と組んだ作品がある。 それが、かの探偵小説の名手・江戸川乱歩氏が文章を書き、藤子F先生が挿絵を担当した「かいじん二十めんそう」である。 ご存じの通り、江戸川乱歩は戦前~戦後と活躍された小説

鳥山明の漫画が好きだった

日本には葛飾北斎と並んで世界に影響を与えたイラストレーターがいる。鳥山明である。 彼の描く絵はすごかった。凄すぎた。可愛いキャラクターも描ければかっこいいメカも描け、イキイキとしたデザインのクリーチャーも描ける。アクションシーンには怒涛のスピード感が漲っており、一枚絵の構図やカラー絵の配色も完璧。もはや「知ってしまった」あとでは後戻り出来ないほどの魅力。そのナチュラルな衝撃。あまりに上手すぎてその凄さを感じるのが難しいほどの完成された絵。鳥山明の絵は凄かった。 『ドラゴンクエ

JKが謎を解いてしまうから。【ネタバレあり読書感想文】 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。9巻 

★★★★☆ Amazonでレビューしたものです。 1.高校講師の京極堂先生の謎解き物語 直木賞作家の京極夏彦先生。 京極先生の小説シリーズの1つで、百鬼夜行シリーズや京極堂シリーズと呼ばれているシリーズものがあります。 昭和25年以降の戦後日本を舞台に、京極堂という古書店店主が、拝み屋として憑物落としを行って、数々の事件を解決していくという物語です。 ジャンルとしてはミステリーになるんでしょうが、題名の通り、妖怪を題材としています。 人気シリーズで、漫画化アニメ化映画化