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実は私よりお元気だったであろうおばさま(2012年43歳)
とにかく夏が鬼門である。
年々増す暑さに、年々立ち向かう気力体力も薄れ、このところは「呼吸だけで精一杯」とやられっ放し。
熱中症も、程度こそ違えど毎年恒例で、冷却枕の上で覚悟を決めた私は、「我が人生、本当に大変だったけど、それでも何だかんだ楽しかった。ありがとう、ありがとう……」とひとり涙を滲ませ、辞世のポエムを詠む。
そう、夏は生命が脅かされるデンジャラスシーズン。
人生最大の宿敵なのである。
湿気で髪が爆発しています。直毛の方がつくづくうらやましいです。イナダです。本日もエッセイ投稿お休みします。
ところで、そろそろというか今頃というかマガジンにまとめたいと思っているのですが、現在手が回らない状況。今月中にはとりかかろうと思っています (•ˋ _ ˊ•)キリッ
天真爛漫と気配りのさじ加減が絶妙だった女性のお客さま(2018年49歳)
お隣の静岡県に、「水の都」と呼ばれる街がある。
富士山の伏流水が街中をこんこんと流れ、透明な水底には青々とした水草や梅花藻がそよそよ。浮かぶカモたちもプカプカ、とても気持ちよさそうだ。
緑豊かな区域では、夏場清流にだけ生息する真っ黒な羽の「ハグロトンボ(別名神様トンボ)」にも稀に遭遇。ふわりふわりとした蝶のような羽ばたきを見れば、心がスッと神聖な領域に入っていくのだった。
私はこれらの心洗われ
私の道案内にブチ切れたおばあさん(2019年 50歳)
数年前、最寄り駅近くに食品スーパーが誕生した。
中型のチェーン店で、位置的には自宅から徒歩で10分ほど。
普段使うことのない“細っこい裏通り”を行くのが最短ルートである。
オープン当初は、物珍しさから何度か訪れてみた。
しかし、それきりとなった。
だって、いつ行っても「新築なのに、どことなく店内の雰囲気が重暗い」といった違和感を覚えるのだ。
重暗さの原因は分からない。照明が暗いということではな
奈良。探し求めていた、本物な方(2017年48歳)
アクセサリーの制作活動をしていた頃。
「ちょっとしたお仕事(委託販売の納品)」を大義名分に、いつもの「風水開運ひとり旅」へ。
訪問先は、修学旅行以来の奈良である。
実に30年ぶり位の奈良。なにはともあれ、初日に納品を済ます。
そして完全フリーになった2日目の早朝、この旅一番の目的である「念願の神社」を無事参拝。
その後、ほんの思いつきで、近場に鎮座する「別の神社」にもふらりと立ち寄ることにした。
アパート隣部屋のおばさまに願いの叶え方を教わる(2015年 46歳)
諸事情あって、当時2年間だけ1Kのアパートを「仕事場(と言う名の心の避難場所)」として借りていた。
折しも、人生の暗黒荒波に半ば沈没しながら、必死に舵取りをしていた頃である。
場所は、駅近の割に落ち着いた住宅街。3階建てで、1フロアが2世帯ずつとなっており、広さは4.5畳であった。
お隣さんは、おひとり暮らしのとっても快活なおばさま(70代前半)。
電車で20分弱かかる市外のトンカツ屋さんでフル
何かを究めるには、『その道の心』を感得することが大切だと知らせてくれた女性(2020年 51歳)
この年の新春早々、突如として茶道に興味を持ち始めた。
「な…なんでもいいから、一刻も早く茶道について知りたい!!お茶碗をクルクル回すこと以外に、なんでもいいから!」
人生半ばにして、貪るような知識欲。しかもその世界は、これまで一生関わることは無いだろう(どちらかと言うと苦手)と思っていた、自分と最も対極、かつ天上界を見上げるような敷居の高さである。
なのに、衝動的なこの目覚め……。我ながら理解不
素晴らしい気風の観光案内所女性(2019年50歳)
江戸情緒が色濃く残るとある観光地を、いつもの風水開運ひとり旅で訪れることにした。
開運旅なので、訪れるべくパワースポット(神社)はすでに決まっている。
が、せっかくの雰囲気ある街。他の見どころもチェックしたい。街自体はそんなに大きくはないが、そぞろ歩くにはうってつけなようなのである。
という訳で、電車を降りた私は、駅前の観光案内所へ突入。
まずは街全体を把握するためのマップを求め、キョロキョロ
働き方と生き方の意識改革をして下さったパート同僚(2014年 45歳)
28歳で会社員を辞めてからというもの、それほどチームワークを必要としない仕事を、ぽつりぽつりとしていた。
主なものが、「フリーのイラストレーター(13年間)」と「広告代理店さんでのお気楽アルバイト(なんだかんだと17年間)」。あとは、アクセサリーの制作販売(4年間)、短期のパートやアルバイトなどで、イラストレーターの時は徹夜で大変だったりしたが、自分さえ頑張ればなんとかなる環境であった。
だがし
私の想念を証明して下さったお坊さん(2014年 45歳)
実父が他界した、この年5月。
約7か月後に、旦那の母方の叔父さんもこの世を去った。
お通夜の連絡が来た時、もちろん旦那は即決で参列することになったが、私はかなり迷った。
一番の理由は、まだ喪中で気持ちの整理がついていなかったから。それに加えて、私にとって叔父さんは一度しかお会いしたことのない存在であり、義母が他界してからは更に遠い存在となっていたからである。
『どうしよう……』ぼんやり迷う。
友達関係を考えるきっかけを与えて下さったおばあさんとのひと時(2008年 39歳)
私はこの日、友との待ち合わせのため、自宅から最寄り駅へと足早に向かっていた。
18時近いのにまだまだ明るかったその季節は、おそらく夏が近づいていた頃だったかと思う。
駅までは20分ほどで、現在「このまま行けば、ちょっと早く着くかな?」というベストな状況。いつものルートである、車通りの激しい街道沿いの、長ーい下り坂をずんずん下っていった。
坂の1/2を下った頃であろうか。少し先にある、歩道沿いの