桑原亘之介

1963年東京生まれ。82年都立清瀬高校卒。87年上智大学外国語学部英語学科卒、日本経…

桑原亘之介

1963年東京生まれ。82年都立清瀬高校卒。87年上智大学外国語学部英語学科卒、日本経済新聞社入社。その後、共同通信社へ。2021年退社。15年暮れよりコラム「スピリチュアル・ビートルズ」をサイト「OVO」にて連載。音楽、映画、美術展に興味あり。環境雑誌「奔流」編集委員。

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    ビートルズをはじめとした洋楽そして昭和歌謡など邦楽など音楽を取り上げた記事です。たかが音楽、されど音楽です。

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ジョンとエルトンの仲!?

 【スピリチュアル・ビートルズ】エルトン・ジョンがジョン・レノンと初めて会ったのは、ジョンがオノ・ヨーコと別居してロサンゼルスでいわゆる「失われた週末」を送っている1973年だった。  二人はアップルレコ―ドの米国担当部長だったトニー・キングを通じて知り合ったという。  エルトンが、ハリウッドにあったキャピトル・レコードの中にあるトニーの新しいオフィスを訪ねると、何と英女王エリザベス2世の女装をしたトニーがジョンと踊っていた。  エルトンは自伝「Me エルトン・ジョン自伝」(

    • 東京演歌ライブwith湯原、タブ

       「東京演歌ライブ 薫風!歌謡パレード!!」が2024年5月22日(水)、湯原昌幸さん、タブレット純さんらを迎えて、「なかのZEROホール」(東京都中野区中野2-9-7)で開かれた。  他の出演者は松阪ゆうきさん、一条貫太さんと華MEN組。  司会は小山田里奈さんが務めた。  時間前に司会の小山田さんが登場した。  「今日はバラエティ豊かな歌手の方々においで頂きました」。  トップバッターは今日が記念すべきデビュー日の男6人組「華MEN組(かめんぐみ)」だった。  そして続

      • ジョンとデヴィッド・ボウイ

         【スピリチュアル・ビートルズ】ポップ・アイコンともいえるジョン・レノンとデヴィッド・ボウイ。二人は目立たなかったものの、1970年代半ばから交友を持っていた。そして、二人は名声についてまさに彼らがどう思っているかを歌にした「フェイム」という作品を共作する。  二人は女優エリザベス・テイラーの紹介で出会ったという。場所は彼女が開いたロサンゼルスのパーティだった。同じく英国出身でロックンロール世代だったにもかかわらず、ボウイはナーバスだった。ボウイはジョンのことを深く敬愛してい

        • 入院中心の精神医療”破綻”

           在院患者が減る一方の時代が訪れたことが明らかになり、精神科病院への入院中心の日本の精神医療政策が”破綻”しつつある。  2024年1月の厚生労働省「病院報告」によると、在院患者は1991年のピーク時に比べておよそ9万人減少した。  在院患者の大幅減少の背景には「在院患者が”新入院”と”長期入院”に二極化したことがある」と精神科病院に看護師として長年勤務した氏家憲章さんは話す。新入院患者、長期入院患者ともに減少し、認知症患者は半減。  2013年に3万1822人だった新入院者

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        記事

          映画「ガザの美容室」

           凄い映画だと思った。  2015年の「ガザの美容室」という映画で、パレスチナ、フランス、カタールによる制作だ。ガザの美容室が舞台で登場人物はほぼ女性のみ。  2024年5月21日(火)、アップリンク吉祥寺で観た。  昨年10月のイスラム組織ハマスによる越境攻撃の後、イスラエルの激しい反撃によってガザでジェノサイド(大量虐殺)が起きている。  自らがナチスによるホロコースト被害を受けたはずのユダヤ人(イスラエル)が今、パレスチナ人に対して新たなるホロコーストを行っている。  

          映画「ガザの美容室」

          樋口英明元裁判官が語る

           「原発をとめた裁判官」として知られる元裁判官の樋口英明さんが福島の住民たち(当時)が起こした「子ども脱被ばく裁判への思い」と題して、2024年5月19日(日)みなとパーク芝浦で講演を行った。  まず今年初めに起こった能登半島地震について触れ、「珠洲、ここに原発があったら終わりでしたね。仮に動いていなかったとしても事故になっていたと思います」と樋口さんは話した。  珠洲では1975年、原発建設計画も持ち上がり、28年間の住民運動を経て白紙撤回されたという経緯がある。  「もし

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          子ども脱被ばく裁判集会

           昨年12月18日、司法は子どもたちを放射線による被ばくから護らない判断を下した。そう、2014年に福島地裁に提訴された「子ども脱被ばく裁判」の控訴審判決を仙台高裁が言い渡したのである。  裁判所は原告側の訴えをことごとく退けた。原告代表の今野寿美雄さんは「SPEEDI、ヨウ素剤、学校再開、山下発言等すべて行政側の裁量として原告の主張を退けたまったくもって受け入れることの出来ない不当判決です。一審と同じく、国・県の主張をなぞっただけの呆れ果てる判決です」という。  2024年

          子ども脱被ばく裁判集会

          丸善丸の内本店「英国展」

           丸善丸の内本店で2024年5月21日(火)まで開催中の「英国展」を見た。ここでは写真を紹介する。入場は無料。  

          丸善丸の内本店「英国展」

          デゾ・ホフマン写真展に行く!

           デビューから間もない若きビートルズを代表する写真の一枚がマッシュルームカットでエリなしスーツの4人のカット。  これらアイコンとなっている写真の数々を撮影したのはチェコスロバキア生まれのカメラマン、デゾ・ホフマン(1912-1986)だ。  「デゾ・ホフマン写真展」が2024年5月21日(金)まで丸善丸の内本店4Fギャラリーで開かれているのを訪れた。  ビートルズの専属カメラマンだったデゾが撮影した若々しいビートルズ・メンバーの貴重な写真30点が一堂に集結している。  

          デゾ・ホフマン写真展に行く!

          詳報:ジョージア映画祭2024

           コロナ禍を経て復活するジョージア映画祭の詳細が明らかになった。今年の映画祭はAからHまでの8つのプログラムから成る。  東京渋谷のユーロスペースで2024年8月31日(土)から9月27日(金)までの4週間にわたって開催される。  料金は一般1700円(リピーター割引:半券提示で1400円)、大学・専門学校生1300円、会員・シニア1300円、障碍のある方1000円。全席指定席。観賞日の3日前よりオンライン販売あり。  A:ラナ・ゴゴベリゼ監督特集  ジョージアの伝説的女性

          詳報:ジョージア映画祭2024

          映画「水平線」を観た

           福島で働く散骨師ー遺骨を海に撒くことを生業にしている人ーを主人公とした映画「水平線」(2023年:119分:小林且弥監督)を2024年5月16日(木)、「Cinema Chupki Tabata(シネマ チュプキ タバタ:東京都北区東田端2-8-4)で観た。  福島県のとある港町。震災で妻を失った井口真吾(ピエール瀧)は、個人で散骨業を営みながら一人娘と暮らす日々。ある日、彼のもとに持ち込まれた遺骨は、かつて世間を賑わせた通り魔殺人事件の犯人のものだった。  苦しい選択を迫

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          ルーヴルの銅版画展

           ルーヴル美術館には知られざるカルコグラフィーコレクションが存在する。カルコグラフィーとは、ギリシャ語で「銅(カルコス)に描いたもの」という意味で、ルーヴルでは銅版画とそのコレクションを原版とともに保存し、それをもとに版画を刷る場所を意味している。  それはルイ14世治世下に設立された「王の版画原版収集室」を起源とし、王政が終焉を迎えた後、1797年に現在の形に整えられた。  その13000点に及ぶコレクションから、当時の版を使って刷られた100点余りを紹介する特別展「ルーヴ

          ルーヴルの銅版画展

          5・15原子力規制委会見

           2024年5月15日(水)に行われた原子力規制委員会の山中伸介委員長の定例会見では同日の委員会会合で報告された令和5年度第4四半期(2024年1月1日~3月末)の原子力規制検査等の結果に質問が集中した。  また同日に広島高裁松江支部が中国電力・島根原発2号機の運転差し止めを認めない判断を下したことについて、山中委員長は「民間の裁判の判決なのでコメントはしない」と述べた。  住民は同原発は地震や火山の噴火などの自然災害のリスクを適切に考慮していないとして運転差し止めを求めてい

          5・15原子力規制委会見

          浅丘ルリ子トーク&シネマ④

           いよいよ2日間にわたって行われてきたイベント「~浅丘ルリ子 トーク&シネマ~『1960年代 日活映画☆浅丘ルリ子』」もフィナーレへ。  2024年5月14日(火)午後、東京有楽町I'm a showアイマショウでの同イベントでの上映作品は「愛の渇き」(1967年:蔵原椎繕監督)。  三島由紀夫の同名小説を映画化した、女の愛の心理、エゴなど愛に渇いた女の異常な断面を鋭く追求した異色文芸大作だ。  妖しくて怖い映画だ。さすが三島由紀夫の世界である。  人間の原動力は嫉妬だ。浅

          浅丘ルリ子トーク&シネマ④

          浅丘ルリ子トーク&シネマ③

           イベント「~浅丘ルリ子 トーク&シネマ~『1960年代 日活映画☆浅丘ルリ子』」の2日目が2024年5月14日(火)に東京有楽町I'm a showアイマショウで行われたのを見た。  同日午前の映画は「夜明けのうた」(1965年:蔵原椎繕監督)。失明を予告されている少女とその恋人の純愛が、愛の焦燥に悶える一人の女優を新しい人生の出発へと導く人間賛歌の青春ドラマだ。  途中までよくあるPTA推薦的なヒューマニズム映画に堕した作品だったらどうしようと心配しながら見ていた。  

          浅丘ルリ子トーク&シネマ③

          浅丘ルリ子トーク&シネマ②

           2024年5月13日(月)に東京・有楽町I'm a showアイマショウで開かれたイベント「~浅丘ルリ子 トーク&シネマ~『1960年代日活映画☆浅丘ルリ子』」の午後の部は映画「憎いあンちくしょう」(1962:蔵原椎繕監督)で浅丘さんのトークもあった。  この映画は恋愛映画でも毛色が変わっている。東京から九州まで石原裕次郎演じるタレントがジープで旅をして、マネージャー役の浅丘さんがそれを追いかけるという一種のロードムービーだ。  浅丘さんは語る。「私は一回も車を運転したこと

          浅丘ルリ子トーク&シネマ②