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読書感想文 『タスマニア』
『タスマニア』 パオロ・ジョルダーノ (訳: 飯田亮介)図書館で本を借りようと思ったとき、表紙が綺麗だったのでなんとなく手に取ってみました。
訳者、飯田亮介さんのあとがきの冒頭部分をサッと読んで、何も事前情報なしに一度読んでほしい、というような推薦文を見て、よし、じゃあ何も知らないから読んでみよう、と思って借りてみました。
ほんとに何も知らないまま読んだので、登場人物の思考や会話から飛び出るアカ
ジョルダーノ『タスマニア』訳者あとがきが公開されました(2024/03/29書評リンクを追加)
僕の訳したパオロ・ジョルダーノ最新作『タスマニア』が1月頭に刊行され、その訳者あとがきが早川書房のnoteで公開されました。
イタリアでは2022年10月に発表されたこの小説は、主人公である悩み多きイタリア人作家とその周囲の人々の2015年から今日にいたるまでの紆余曲折を描いた作品です。それは一見、非常にパーソナルな物語のようでありながら、実は、誰もが大小さまざまな災禍の「サバイバー(生存者、生