【医療コラム】【子育てコラム】【48歳からのコラムニスト】子育て小児科医そして児童精神科医

現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しておりま…

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現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しております。

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最近の記事

【医師コラム】新人看護師の早期退職  私の小児神経学研修

■新人看護師の早期退職が問題の深刻化 2021年、2022年と新人看護師の早期退職が問題となっています。 新人看護師は、どの病院にとっても得難い大切な人材です。私の勤務していた大学病院でも、半年以内の早期退職者が40%を超えたため、病院としてこの問題に取り組むことになりました。 プリセプターのせいではないのか? 研修システムは? はたまた医師が厳しかったのか? 確かにそのような意見もありましたが、分析ではコロナ禍で看護学生が病院実習をほとんど、すっ飛ばして来たこと。コロ

    • 【医師コラム】どん底産婦人科医

      ■医療トラブルを完全にゼロにはできない背景 今回は自分をとことん追い詰めた友人のどん底のお話です。 私は小児科医、彼は産婦人科医です。私の父は産婦人科医でした。私は1型糖尿病があり、身体的にも、そして能力的にも産婦人科医として父の跡を継ぐことは無理だと考えていますので、内科医としても外科医としても活躍しているような産婦人科医には特別な感情があります。 私の母校は金沢医科大学なので、石川県にある病院や医師についてもよく耳に入ってきます。そんな中、最近、石川県のある産婦人科

      • 【医師コラム】 交通事故 首都高 過去2回人身事故起こし書類送検 大和市 犯罪者擁護の警察 弁護士  

         2024年05月14日朝の記事  首都高で車7台絡む事故、3人死亡…渋滞最後尾に追突したトラック運転手を過失運転致傷容疑で逮捕   https://news.yahoo.co.jp/pickup/6501007  首都高で事故相次ぐ 計4人死亡 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6501086 逮捕されたトラック運転手は過去2回人身事故起こし書類送検 首都高・美女木JCTで3人死亡事故 https://news.yahoo.co.jp/ar

        • 【医学生まんが】 医学生がするバイト 巫女さんバイト

           医学生は勉強しないといけないし忙しいからバイトなんてしないだろう? 実際には、興味があったり、遊ぶお金が欲しかったりするのでバイトはしたいのです。  私は地方私立医大出身です。学費が高く、周りは裕福な家庭が多かったですけど、そうではない学生の友人や先輩後輩たちは、バイトをしていました。また、遊ぶお金というか、恋人とのデート費用やゴルフやヨットを趣味にしていた人たちもバイトをしていました。  たださすがに試験を落とすわけにはいかないので、試験期間2週間ぐらいの長期休暇を年3

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        • 医療とお金
          2本

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          【医師コラム】仕事に対する姿勢が変わった瞬間  小児科研修医

          ■こそこそしてばかりの研修医 長年医療業界にいると変化していくことはたくさんあります。たとえば、今の研修制度ですと、小児科に新入局員が10人を超えるというようなことはないでしょう。指導医がいて。それに合わせた入局者ということになるはずです。しかし、以前は労働基準法に照らし合わせれば明らかに問題ありと言われてしまうような無給医局員の存在があり、そうすることで少しでも医局員を確保しようとしている医局などもありました。 これは私が小児神経科医を目指して研修をしていた頃の話です。

          【医師コラム】仕事に対する姿勢が変わった瞬間  小児科研修医

          【医師コラム】「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」

          ■私にしかわからない私の内情 「正解ばかりを選べる人生なんてないよ」 たとえそれを誰かに言われたとしても、それを受け入れる余裕などなければ結局意味はありません。どん底にいるときは、周りが見えておらず、ただ一人で辛い現実を抱えている状態です。そこから抜け出すには、何も言わずに寄り添ってくれる人がいるか、音楽や本など分かりあえるものと自分が出会うしかないのかもしれません。 私にとっての医師人生のどん底は、私が研修医を終えて、小児神経科医として医師人生のスタートを切った3年目

          【小児医療コラム】自律訓練法 不安緊張やストレスの緩和に有効なトレーニング

          心と体をつなぐ神経と言われる自律神経。この自律神経は興奮したりストレスを感じたりした時に優位になる交感神経と、リラックスした時に優位になる副交感神経からなります。ストレスに晒された状態が続いているとこの自律神経のバランスが崩れてしまい強いストレスにさらされます。交感神経が活発になりすぎて心身が疲弊するのを防ぐことが重要です。 自律訓練法は、心と体をつなぐ自律神経を自分でコントロールし、リラックス状態を作るための訓練です。マスターすることで様々なメリットがあります。今回は子ども

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          【小児医療マンガ】起立性調節障害① 病気の概要 (OD:Orthostatic Dysregulation)

           起立性調節障害は小学生の約5%、中学生の約10%の10 ~16歳に有病率があると考えられている、非常に一般的な身体疾患です。男女比は男:女=1:1.5 ~2です。  自律神経の働きが悪くなり、起立時に身体や脳への血流が低下する病気です。 そのため、朝になかなか起きることが出来ない、朝の食欲不振、全身倦怠感、頭痛、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどの症状が起こります。 症状は午前中に強く、午後からは体調が回復することが多いです。  そのため半分に不登校を合併し、逆に不

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          【医師コラム】

          ■いつも1人でいる彼女の姿 私はこれまでにも様々な人たちと出会ってきました。その中で、仕事に対する姿勢が変わったきっかけといえば、ある人が頭に浮かんできます。今回は、その人のことについて書いていこうと思います。 私には学生の頃から知っている女性がいます。彼女は、教室の中で常に1人でいました。誰かと一緒に行動するどころか、誰かと話をしているところも見かけたことがありません。ですが、彼女はイジメられていたわけではないのは確かです。男子も女子も、彼女に対してそういった陰口を言った

          【医師コラム】多様性社会の子ども

          ■日本に住む外国人の数は増加傾向にある 国内外国人が増えていますね。2020年に日本に在留外国人は約300万人。2015年から比較すれば50%増です。ですがそれに社会が適応しきれていません。児童精神科医という仕事をしていると、日本の子どもだけではなく、在日の子どもたちと話す機会も多いのでつくづくそう感じてしまいます。 外国人ということでいじめにあった。文化の違いを言われることやもしくは自ら孤独を感じる。言語の問題さまざまな問題があると思います。 その中でも特に深刻なのが、中

          【児童精神科コラム】受験うつの実情 後編

          ■受験うつの症状とは 今回は前回の続きです。前回は、受験うつとはどういう症状のことを言うのかをお伝えしてきました。今回はさらに掘り下げていきたいと思います。 受験うつの症状とは、ストレスがかかって、頑張ってもうまく成果が上がらないともなると、 「受験が近づいているのに、まったく勉強する気が起きない」 「問題集や塾の授業に集中できなくなった」 「あれほど繰り返し勉強したところなのに、思い出せない」 「寝たのに寝た気がしない」 「食事をしても砂の味しかしない」もしくは「食べ過

          【児童精神科コラム】受験うつの実情 前編

          ■受験うつの定義 「受験うつ」とは受験勉強が思い通りにいかない、自分には価値がないなどと思うことが典型例です。強いストレスを受け続けることで脳の機能障害が発症機序となります。多感な時期である10代~20代前半は、周りの大人にとっては些細なことが深刻な悩みになり得ます。自身の状態を正しく理解して、言葉にすることができればいいのですが、できないことも少なくありません。 「新型うつ」の主な原因として多くの研究者が主張しているのが、自己愛の暴走。自己愛は、誰でも持っているものです

          【児童精神科コラム】「過保護」「過干渉」が子どもに及ぼす 悪影響そして対処法

          子育て中のみなさん、気づかないうちに「過保護」や「過干渉」になっていませんか? わが子のためと信じてやっていることが、場合によっては「過保護」「過干渉」となり、お子さんに悪影響を及ぼすことがあります。 そこでこの記事では、「過保護」や「過干渉」が子育てに及ぼす影響について、また、「過保護」や「過干渉」にならないようにするにはどうしたらよいのかについて解説します。 ぜひ参考にして、ご自身の子育てを振り返ってみてください。 ■「過保護」「過干渉」とは何か 文部科学省の約7割

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          【小児医療コラム】利益の少ない小児医療の課題 医療機器開発が進まない

          ■小児医学と医用工学 工業技術の発展と共に私たちの生活にはさまざまな工業製品が関わっています。 日常生活ではパソコンや家電がない生活は考えられないものとなっており、仕事でもあらゆる業種でロボットやコンピュータが必須になっています。 医学の世界でもさまざまな工業製品が使われており、日々新しい医療機器が開発されています。 このような工業製品の開発では製品を作成する工学系の技術者と、実際現場でその製品を使う医師の間での壁があることがしばしば問題となります。 特に小児科領域におい

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          【医療コラム】日本の医療費は高い? 医療システムの海外比較

          最近、税金で話題といえば「子育て」に関することですが、日本の医療費は増大の一途をたどっていること、ご存知ですか? 医療費が増大すると、高齢化社会とともに保険料を払える世代が減少し、国民負担が増えることになります。 ただし、少子・高齢者問題を抱えているのは日本だけではありません。他の先進国も同じ傾向をたどっているのです。 では、諸外国と比べて日本の医療費は高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか? 今回、諸外国と比較しながら、日本の医療費の現状と将来の見通しや日本の医

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          【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。

          研究者の命である研究を盗む。盗まれてしまうドラマ。 ありがちと言えばありがちですが、これはよくあることなのです。 例えばある研究を見出だし学会で発表する。 すると興味を持った雑誌社があの研究を特集したいので記事を執筆して下さいと依頼をしてくるわけなのだが、このとき研究を発見した者にその依頼が来るわけがない。そんな記事は誰も読まないし雑誌が売れないからだ。 だから共同研究者のトップに依頼が来る。論文の共著者に自分の名前を載せていただければ幸いだが・・。やがてその研究の功績はト

          【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。