ワタナベアニ

写真家・アートディレクター。着ぐるみの中は繊細です。1964年生まれ。「ロバート・ツル…

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写真家・アートディレクター。着ぐるみの中は繊細です。1964年生まれ。「ロバート・ツルッパゲとの対話」 https://www.amazon.co.jp/dp/4908586071/

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  • 写真の部屋

    人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

  • 博士の普通の愛情

    恋愛に関する、ごく普通の読み物です。

  • Anizine

    写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

  • エジさんが来る

    エジさんという人が、役に立たない英語を教えてくれます。

  • PDLB

    PDLBについて。

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    ロバート・ツルッパゲとの対話

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山村紘未さん:写真の部屋(無料記事)

いいモデルが目の前にいなければ、いい写真が撮れないのは当たり前です。つまるところ、写真家にとって「いいモデルと出会う能力」がとても大事だということになります。写真はモデルで女優の山村紘未さん。ある撮影で知り合い、何度も仕事をしました。 モデルとして活動していたときから、この人は俳優に向いているのではないかと感じていました。衣装を着てカメラの前に立った瞬間に何かが見えてくるからです。神秘的な言い方は好きではありませんし、おおげさな表現かもしれませんが、彼女がそこにいれば何もし

    • 死んだフェラーリ:博士の普通の愛情

      数年ぶりに知人と会ったのですが、冷たい結論を先に言ってしまうと彼と会ったことは、私にとって『時間の浪費』でしかありませんでした。誰かと何もせずに無為な時間を過ごす豊かさだってあります。いつも有意義な話をすればいいというものではありません。しかしそういう種類の無駄とは違って、自分とは関係ないネガティブな感情だけを背負わされた気がしたからです。 久しぶりに彼から連絡があって、近くのホテルのカフェに行きました。遅れてやって来た彼を見て驚きました。若い頃はスポーツ選手のような肉体の

      • 心がロコモコする:写真の部屋

        私は30歳くらいまで「引きこもりのインドア人間」でした。広告のアートディレクターをしていたのですが、当時はわざわざスタジオで撮るアイデアばかりを提案していて、なぜかロケは避けていました。出不精だったのです。今はデブ性ですが。パワハラじみたオヤジギャグはさておき。 広告の仕事では自分がロケーションを決めるときもあるのですが、「ここでこういう撮影をする」というのが先に決まっていることもあります。そうなると行かざるを得ません。そこで「ロケって楽しいじゃん」と、10年遅れくらいの発

        • 逆像。

          自分の顔は、鏡に映った逆像しか見ることができません。撮られた人が、モニタに映った顔を見て驚く。人の写真を撮るのがなぜ楽しいのかというと、そこで一緒に驚けるからです。

        山村紘未さん:写真の部屋(無料記事)

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          等身大であること:Anizine(無料記事)

          自分が自分のチカラでできることをする。「等身大であること」をいつも考えています。私は南仏に別荘も買えないですしロールスロイスも買えませんが、毎日生活していく上で特に困っていません。しかし誰かが持っている南仏の別荘に遊びに行ったりロールスロイスに乗せてもらったときに、ほんのちょっと自分が『そちら側に近づいた』と思ってしまう人がいます。ここなんです。等身大の自分に天麩羅のコロモがまとわりついてしまうのは。 誰でも多かれ少なかれ他人に何かを自慢したい感覚があると思うのですが、他人

          等身大であること:Anizine(無料記事)

          まったくフォロワーが増えないよ! https://www.instagram.com/watanabeani/

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          英語で半殺し:エジさんが来る

          みなさんは英語をどうやって勉強しているでしょう。何かを習得するときに難しいのは「学び方を知らなければいけないのに、誰も学び方を教えてくれない」ということです。参考書や問題集を買ったり、オンライン英会話などを始めてもそう簡単に結果は出ません。どうやって自分がイメージする英語の能力を向上させるかについては、自分自身で編み出すしかないということです。 私も色々な方法を何度も試していますが、最近気に入っているのはこんなやり方です。

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          ハリウッド・メソッド:写真の部屋

          写真でもムービーでもそうですが、演出して撮る側は「演技においてのグルメ」でないといけないと思っています。たとえば泣く演技。涙をスポイトで垂らして撮れば終わりではありません。なぜ写っている人はそこで泣いているのか、観る人がその涙に感情移入できるかどうか、が大事です。演出は小説を読んだり、映画を観たりすることで訓練できますが、そこで得られるデータは「してはいけないこと」の膨大なストックになります。 たとえば映画を観ていて、ここで主人公がこんなに泣くのはおかしい、と感じたとします

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          22歳の社長:Anizine

          「カレーショップ『ココイチ』のフランチャイズを25店舗経営する群馬県の会社の新社長に22歳のアルバイトが就任」というニュースを見ました。15歳の高校生の時からアルバイトを始め、その能力が認められたということですが、とてもいいことだと思います。 接客業は個人の能力の差が大きく、時々、突出した才能を見せる人がいます。以前もあるコーヒーチェーンで働く女性店員の話を聞いて驚いたことがあります。店に来る常連客数百人がいつも注文する物を、あの人はコーヒーとバタートーストとジャム、のよう

          22歳の社長:Anizine

          写真は「驚き」の成分が大きいので、いつもと違うものを見たときにはシャッターを押す回数が増えます。そしてそのほとんどがただの物珍しさだけだと気づくのですが、押さないよりはいい。いつもと違うものを見続けることはとても大事で、そのためには物理的な移動をサボらないことです。

          写真は「驚き」の成分が大きいので、いつもと違うものを見たときにはシャッターを押す回数が増えます。そしてそのほとんどがただの物珍しさだけだと気づくのですが、押さないよりはいい。いつもと違うものを見続けることはとても大事で、そのためには物理的な移動をサボらないことです。

          ギャラ問題:写真の部屋

          相変わらず、平林監督が書いたことに影響されていますが、ギャランティの問題についてです。 平林監督の定期購読マガジンは非常に大事なことが書かれているので、是非とも。これに払う500円をケチると、今後の人生でいくら損をするかわかりません。で、私のほうも生々しい話になりますので、ここからメンバーのみに。

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          サービスとブランディング:PDLB

          ケーキを買っている外国人女性の映像を見ました。ある程度日本語が話せるその女性が「そのケーキが欲しい」と伝えると、日本人店員が「持ち歩きの時間はどれくらいですか」と聞きます。それを理解できなかった女性が「すみません、もう一度お願いします」と言うのですが、店員はまったく同じフレーズを繰り返しました。そうではなく「持ち歩き」などというおかしな日本語が通じるのは日本人だからだとわからないといけません。

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          かたくなであること:Anizine

          年齢を重ねるとできなくなるのが「変化すること」だと思っています。中年にさしかかると、若いときに思っていた「これでいいのだろうか」という不安がなくなっていき、今までこうしてきたのだから正しいのだろうという硬直を生みます。そのときに考えるべきことは、それで何が成し遂げられたのか、です。中年が若者に疎まれるのは結果を伴っていないからで、あなたは偉そうなことを言うけどYoutuberよりも収入が少ないじゃないか、とか、結局たいした功績を残していないじゃないか、という反論に答えられなく

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          チンダン化現象:Anizine

          人生の中で、飛行機に乗り遅れた経験が二度あります。一度目はもう30年も前のことですが、九州でのロケハンに行くときでした。その頃は遠くにロケに行った経験があまりなく、緊張していました。それほど早い便ではなかった気がしますが、遅刻人間だった私は慎重を期して羽田空港のホテルに前泊することにしました。ベッドサイドにあるアラームをセットして寝ましたが目が覚めて腕時計を見ると飛行機が出発する時間を過ぎています。ベッドのデジタル時計は昨日とまったく同じ時間を表示していました。壊れていたので

          チンダン化現象:Anizine

          ロジックとエモーション:Anizine(無料記事)

          昨夜は高円寺のスタジオで恒例の生配信でした。いつも思うのですが、みんな様々なことで悩み、それは他人からしたら取るに足りないことなのかもしれませんが、本人にとっては命をも揺るがすほどの切実な問題なのだと感じます。それについて私のようにルーズな人間が無責任に発言してもいいのかと毎回考え込んでしまいます。 世界はすべてが相対的で「作用と反作用」が釣り合っているものだと思います。自分がマイナスだと思っている部分があるからこそ生まれている別のプラス面があるんじゃないかということです。

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