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とりあえず文字を

ああ、め、めんどうだなあ。

「noteを書く」の緑色のボタンを押して、新しいページを立ち上げながら思う。

「めんどうだ〜……」は、しょっちゅう頭の中によぎってしまうけれど、それにはグラデーションがある。特に濃い日があったりして、それがこれを書いているいまこの瞬間だ。

何も浮かばないぞ、という感覚が色濃く出る。一日、決して何もなかったわけではないのだ。

と、ここまで打ってみて思い出すのは、先日読んだ品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)さんの『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』に収録されている『アイデア』の一編だ。

創作者がいつも「ない、ない」と弱音を吐いているアイデアと、「あげようか?」と差し出されるアイデアは全く種類が違うのである。
(中略)
そして、彼らが無いと嘆く「アイデア」は、植物で言えば種子の育成ノウハウを意味する。
種子をいかにして大きくするのか。肥料を工夫するのか。水をやる頻度はどうするか。日光に当てるべきか……。それが「つじつま合わせのアイデア」であり、創作活動において最も大変でかったるく、試行錯誤を要し、考えに費やされる時間の大部分を占めるものである。

『キリンに雷が落ちてどうする』収録『アイデア』より

ここまで骨組みがしっかりした考えではないけれど、読んだときにけっして他人事ではないように思った。先ほど、「一日、決して何もなかったわけではないのだ」と書いたけど、ここにちょっとリンクする。

むりやり自分ごとに変換してみると、日々のささやかなできごと、会話した誰かの言葉、見た景色、そういう欠片をどう書いてみるかというところで手が止まってしまう。悩んで、「つじつま合わせのアイデア」で躓いてしまい、それが安直に「めんどうだな……」へと繋がってしまうのかもしれない。

と、こんなふうに冒頭で「めんどうだな」をいったん正直に書いてみたところ、なんとか最後まで書き切った。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます! サポートしていただいたら、大好きな漫画やコーチング関連の書籍等に使わせていただき、noteや日々の活動に還元できたらと思います。