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熟睡する小さな女の子

目の前の電車の座席で、3歳か4歳くらいの女の子が体をくの字にするように小さくなって寝ている。その左隣にはおそらく彼女の母親、右隣にはその母親の友人らしき女性が座っている。

時刻は18時を回った。女の子は微動だにしない。どこかへ遊びに行った帰りなんだろう。疲れ果てて、眠ってしまっているに違いない。

ショッピングモールに行ったんだろうか? なにかしらの遊園地に行ったのだろうか? けどお土産のようなものを、両隣の2人が持っていない。買い物関連の予定ではなさそうだ。公園でピクニックとか? もしかしたら別の共通の友人の家に遊びに行っていたのかも。

なんにせよ、女の子の熟睡っぷりをみるととても充実した1日を過ごしたのではないかと勝手にうらやましい気持ちになる。

電車がある駅で停車する寸前くらいに、母親が立ち上がった。眠ったままの女の子を母親がぐっと抱え上げる。友人に向かって小さな声で「じゃあね」という。

母親の後ろ姿と、彼女の肩に頭を乗せた女の子の顔が見えた。目はちょっと半開きでトロンとしている。

見ているとこちらにもその微睡が伝染するようだった。なんだか瞼が重くなってくる。

わたしはこれから出かけるところだ。ひとつイベントを終えたであろう3人と、これからのわたし。帰りはわたしも、あの女の子のように心地よい疲労感と共に、思わず眠りにつくのだろうか。

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