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きっかけのエッセイ、エッセイのきっかけ。

「エッセイっておもしろいんだ!」と知ったのは、音楽家で俳優である星野源さんのエッセイ集『そして生活はつづく』だった。それを読むきっかけは、妹だった。

大学に通うため、一人暮らしをしていた妹が帰省していたときだ。たぶん夏。実家のダイニングテーブルに、ブックカバーがかけられた文庫本が置いてあった。妹のものだとおもったのは、そこが彼女の席だったから。

妹は、少なくともわたしより本を読むほうではなかった。だから、本が置いてあること自体が意外で、興味が湧く。

「この本、A(妹)の? タイトル見ていい?」

ソファーで横になっている彼女に声をかけると、「んー」とイエスかノーかよくわからない返事が返ってきた。ページをめくる。星野源さんの『よみがえる変態』だった。「おもしろい?」「んー、まあ、うん」「ほー」。わたしたち姉妹が交わす言葉は、たぶん世間の平均より少ない気がする。

そのあと本屋へ足を運んだ時、あのエッセイ集が頭の中に残っていた。読むなら彼の1作目からがいいな。文庫本のコーナーで、『そして生活はつづく』を手に取った。

エッセイを書いてみて気づいた、というより思い知らされたことがある。わたしは、エッセイを書くことが苦手だということ。自分の心の動きを観察する力が、まだまだだな、とおもう。

書くのが苦しい時も、やっぱりある。

でも、もちろん役者の才能も文章の才能も特にないのはわかってたけど、わかってるからこそやれるようになりたいし、上手くできないことだからこそ憧れるわけで。最初からもし上手くできたらそれはそれでいいのかもしれないが、やれなかったことができるようになったらそれはすごいことだし、実はそっちのほうがおもしろいんじゃないかと思う。
『そして生活はつづく』/星野源著

そんな時にふと思い出すのは、『そして生活はつづく』の一節。

エッセイ、書けるようになりたいし、なによりわたしは、わたしが書くことが好きだって信じたいんだよなぁ。

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「書くこと」に対する苦しみ、身に覚えがあります……。

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