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行ったり来たりを忘れない

大学生の頃、大箱の授業が苦手だった。受講する学生が100~200人くらいのもの。こんなご時世だけど、もう復活しているんだろうか。必須科目によく採用されていたと思う。

苦手だったのは、ほかの学生による私語が嫌だったからだ。後ろに行けば行くほど、その確率は上がる。本音を言えば、「後ろで授業を受けたい」と思うときもあったけれど、私語が耳に入る方がしんどくて前の方に着席していた。

しんどい、と思っていた理由を考えてみるといくつかある。

シンプルに迷惑だったし、講義の内容が入ってこないのが嫌だった。あと、先生によってはどこ吹く風というタイプや、「静かにしなさい!」と怒鳴るタイプと色々な人がいたけれど、特に後者の怒りの声もすごく苦手だった。連帯責任のような空気に、「なぜ……」と思っていたなあ。

なかでも大きかったのは、「自分が教壇に立つ側だったら」を想像してしまうことだった。「嫌だろうな」「やる気なくしそう」。そんなことを想像するとお腹の左あたりが気持ち悪い感じがしてくる。自分があちら側だったら、この状況に耐えられるのか、と思った。

一言で言ってしまえば、「目の前の人に感情移入しやすい」ということなんだろうか。

以前、就職サイトを運営する会社の人と話す機会があった。当時の採用事情、みたいなテーマ。そのとき、自分が学生の人たちに感情移入していることに気づいた。「それって、学生の方はどう思うんでしょうか?」「嫌な思いをさせませんか?」。

そういう視点も、不要なものではない。けど打ち合わせ中の自分を振り返ったとき、そこに傾倒しすぎるとちょっと危険な気もした。なにごとも結局バランスの問題で、毒にも薬にもなると言ってしまえばそこまでなんだけど。

相手のことばかりではなく、自分(たち)のことにも目を向ける。その視点の行き来を失念しないようにしないとなあ、なんてことを思った。

今日のヘッダー。エスカレーターから降りながら

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