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ヘアカットしたあとは、良いことが起きてほしい。

髪の毛先には悪い気が溜まりやすいんだよ、と言っていたのは誰だったか。迷信だろうけど、なんとなく自分の中に残っていて、髪を切るたびに何かを祓っているような心持ちになる。切ったあと、良いことがあるといいなあと思っちゃう。

調子が悪いとき、やたら眠いとき、なんだかなあ……と心の中がぐずつく。今の空模様とも、気持ちがリンクしてしまう。仕方ないよねえ、と思いつつも少しでも気を晴らしたい。そういうのが溜まると、頭に意識が向く。毛量が気になってくる。

成人式を迎えて以来、ずっと短いヘアースタイル。美容院へ行くたびにどんどん短くなる。気が向いた時には刈り上げてもらうくらいになった。

ちょっと伸ばしてみようかなあ、といつもより美容院へ行く間隔をあけていたけれど、限界がやってきた。

せめて長さはほとんど変えず、梳(す)いてもらうだけに留めてもらおう。そう思いながらいつもの美容院へ。ドアをくぐり、荷物を預け、シャンプー台で頭を洗ってもらう。そして、席に着く。

「今日はどうしますか?」
「髪を梳いて、……短くしてください!」

……結局こうなるんかい!

席に座って、美容師さんと一緒に鏡の前にうつる自分を見ると、毎回短くしたい気持ちが膨れ上がってしまう。

ほんとうにこれは一体なんなのか……。やっぱり伸ばすには、成人式の前撮りのためとか、それなりの理由がないと伸ばせないタチなのかもしれない。インナーカラーとか、やってみたい気持ちはあるのにね。どうしてだろう。

切り終わった後、床に落ちた自分の髪の毛をみると、多いこと多いこと。いつも子犬1匹分のぬいぐるみでも作れてしまうんじゃないかと思う。伸ばしてみた、といっても短い髪型なのに。見る人によっては、カットのビフォーアフターはアハ体験レベルなのに。

切り終わって、美容院を出ると、じめっとした空気を肌で感じる。けど、頭が軽くて、すうっと風が当たる感覚は心地よかった。髪を伸ばすのはまた延長してしまったけど、結局、切ると気分はいいんだよね。ついでにやっぱり、なにか憑き物も切った髪の毛とともに一緒に落ちてくれていればいいなと思う。

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