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頭身

人になってる。

9月の頭、祖父の暮らす千葉県へ行ったときのこと。わたしは車で来た両親と妹に合流するため、電車を降りる。これまで実家から車で来るのが当たり前だったので、電車で向かうのは新鮮だった。

電車を降りる直前に、母からLINEが来ていた。「いとこも同じ電車に乗っているかもしれない」。いとこはおばたちの車で移動するから合流する必要はないのだけれど、なんとなく周りを気にしていると、本当にいた。けど「コンビニへ行くから、またあとで」と彼とはすぐに別れた。

改札を通る。

車を探そうと遠くを眺めると、おばの姿が目に入った。その隣、おばの腰くらいの位置に頭が見える。いとこの息子だ。厳密に言うと、さっきコンビニの前で別れたいとこの姉の子。

会うのは半年ぶりくらいか、と、いとこの子をしっかり視界に入れようと目線をずらす。

見た瞬間、真っ先に思ったのが「人じゃん!」だった。反射的に心の中で叫んでしまう。もっといい表現はあると思うけど、とにかくそう思った。

向こうに手を振りながら、なぜ自分がそんなことを思ったのか理由を考える。

おそらく、頭身の話なんだろうと思う。細い手足がすらっと伸び、顔が最後にあったときよりずっと小さく見える。ずんずんこちらに向かってくる、その足も大きい。成長のスピードに慄いてしまう。もう赤ん坊の頃のような、なんとも言えぬマスコットのような頭身の時代は、とっくに過ぎ去っている。

近くまで来たとき、思わず「おっきくなったなあ〜」としみじみ言ってしまう。よく親戚に言われていた言葉を、つい自分も言うようになった。彼は人見知りなので、なかなか目は合わない。

彼の年齢が自分の中であやふやで、聞くと来年もう小学生になると言う。そりゃ、人になっていくよね。

2024年9月18日(水)  晴れのち曇りのち雨

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