なくしたピアス、見つかる
「見当たらないなあ」と思っていたピアスが見つかった。
それはコロナ禍前にイタリアへ弾丸旅行へ行ったときに購入したもので、小さな青い、キューブ型のガラスでできたものだった。小さな空間の中で薄い青から濃い青へ、色の層を重ねている。
日曜日、雨のフィレンツェで数少ない開店しているお店の中から見つけたものだ。あのとき、なんでも良いから旅の証に持ち帰りたいなあと目を皿にし、ようやっと見つけたのがこのピアスだった。
一緒に赤色のものも購入したのだけれど、気づいたら青い方だけ無くなっていた。
あまり装着した記憶はない。なんでだっけ、と少しの間逡巡し、「あ」とすぐに思い出す。受話器を耳に当てたとき、痛かったんだ。
小ぶりだし、ちょうどいいなと会社につけていったとき。電話応対をしようとしたら、耳に刺さるような痛みがあった。金具が少し長いことに、その時気づいた。
わたしはなんとなく、大ぶりのピアスは休日に、小ぶりのピアスは平日ーー特に出勤時につけるものだから、自然と選ばなくなってしまった。
ピアスは、ピアスボールを開ける前に使っていたイヤリングを収納していたボックスの中から見つかった。イヤリングしか入っていないと思い込んで、しばらく開けていなかったのだ。棚を整理しようと取り出したら、仕切られたスペースの一角にちょこんと2個入っていた。
ボックスから取り出して、なんとなく洗面台の照明にピアスを透かしてみる。深い青の中で、光がきらりと瞬いて、反射的に「素敵だ」と思う。同時に、初めて手に取った時もこうしたことを思い出した。
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