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たまごごはん

たまご一個をボウルに割り入れて、菜箸で軽く解きほぐす。

醤油と砂糖を、好きな割合で適当に入れる。甘いのが好きなら砂糖が多くなり、そうではないと醤油が多くなる。

玉子焼きのレシピのようだけど、そうじゃない。これは「たまごごはん」の作り方。わたしが小学校低学年のころ、母から教わった「名もなき料理」だ。火の扱いだけ気を付ければ、とても簡単なもの。

このあと、熱して油を敷いたフライパンの上にほぐしたたまごを流しいれる。適当にぐるぐるとスクランブルエッグ上にしたら、好きなタイミングでご飯を投入する。火を止めてフライパン上でたまごとごはんを混ぜ込んだら、器にうつして完成。

材料の分量は何もかもが目分量というか、適当なので正しい量はわからない。

この前、とても久しぶりに作った。多分4年ぶりくらい。しかも人にふるまった。

そのことを母に伝えたら、「たまごごはんって、ひいおじいちゃんの味なんだよね」とさらりと言われた。ずっと母独自のレシピだと思い込んでいたので驚いた。

母方のひいおじいちゃん、つまり母にとっての祖父。会ったことはない。ひいおじいちゃんは全く家事をしない人だったそうだ(時代もあるんだろう)。けどそんな彼が唯一作ってくれた料理が、あのたまごごはんだった。

「子どもの頃、おばちゃん(母の姉)が会うと『作って!』って言って、その度に作ってくれてたよ」

基本的に、気持ち砂糖多めでたまごごはんは甘くつくる。母も、そしてひいおじいちゃんもそうだったという。

すごく簡単な料理だ。けど脈々と受け継がれていたものだと知って、なんだか以前よりも誇らしい、輝くような存在になった心地がする。

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