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10円ありますか?

「10円ありますか?」

ドラッグストア支払いしている時、店員にたずねられる。「えっ」と一瞬その意図がわからなかった。

出張に行く準備をしていたとき、旅行用のミニボトルに入ったコンタクト洗浄液が切れかかっていたのに気づいて、ドラッグストアへ向かった。それだけ買うつもりが、あぁそういえばあれもこれもと手にとって、合計は3003円になった。

財布の中を確認すると、5000円札が1枚。3円出したくてジャラジャラと小銭が収納されている部分を眺めるが、1円玉は1円分しかなかった。ありゃ。

トレイに5000円札を置く。「これでお願いします」。1997円のお釣りが返ってくるのを待つ。

そして、冒頭の「10円ありますか?」。聞かれて反射的に「あ、あります」と答えると、

「出した方がいいですよ、細かくならないから」

え? え? と突然の出来事に10円を出しつつ必死で暗算する。簡単な計算のはずなのに、びっくりするとなかなか頭の中のそろばんは反応しない。

アワアワしているうちに返ってきたのは2007円。千円札2枚と5円玉が1枚、1円玉が2枚。

10円をプラスせずに支払った場合返ってくるおつりは1997円。千円札1枚と500円玉1枚、100円玉が4枚、50円玉1枚、10円玉4枚、5円玉1枚、1円玉が2枚。

前者は小銭が合計3枚で、後者は13枚になる。……というのを、会計終わり落ち着いてから確認した。

か、かしこー! これは、店員も客もウィンウィンじゃないか。店員は小銭たくさん出す必要がないし、客はそれを受け取ることで財布がパンパンにならない。

もちろんキャッシュレス決済も存在するし、自動精算機もあったりして、こういう工夫をする必要はない時もある。けど全部が全部対応しているわけじゃないし。

はじめて店員にそんなことを聞かれた、というか提案されたので、衝撃が……。なんだったら感動すら覚えている。ふだんいかにぼーっとしてるかを思い知らされた。ひとつ賢くなった気がするぞ。

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