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午後の茶
「そちらのご予約は、14時30分以降となっております」
電話口から聞こえる、申し訳なさそうな男の人の声。「ああっ! そういうこと!」と衝撃が走り、胸に抱えていたちょっとのイライラがすぅっと氷解していくのを感じた。同時に、無知な自分が恥ずかしい。
アフタヌーンティーのことである。
先日、ケーキを購入した。そのとき連想ゲームでまだ果たせていない約束を思い出した。「そういえば、アフタヌーンティーを予約するって言っておいて、してなかったな」。
行きたいね、と候補に挙がっていたお店のアフタヌーンティーは絶対に予約した方が良いメニュー。スマートフォンで検索をかけ、予約ページを開く。アフタヌーンティーのメニューを予約すること自体、はじめてのこと。
日にち、人数、時間……と入力していくと、自動的に空きを教えてくれる予約システムだった。
「そちらのコースを予約できる時間帯はありません」
なんで? ちょっとスクロールすると、カレンダーが表示されている。予約したい日にちの欄は全時間帯がまだ「◯」表記。何度もお店の公式HPを行き来する。予約できる時期が決まっていて、まだなのだろうか? そもそも予約不可のメニューなのか?
結局よくわからなくて、電話での予約にチェンジすることにした。そして冒頭の台詞である。
アフタヌーンティー。Afternoon tea。午後の茶。
改めて検索してみると、そもそもアフタヌーンティーは、「イギリスで、午後4時から5時くらいに紅茶と菓子・軽食を楽しむ優雅なお茶会」を指すとのこと。16~17時。結構夕方だったとは知らなかった。
恥ずかしいが、わたしはずっとランチの時間帯を指定し続けていたため、ネットで予約ができなかったのだ。
そのまま電話でメニューを予約する。「わかりにくくて申し訳ないです」と受付の人に謝らせてしまった。ちょっと考えればわかることだった。めちゃくちゃ「午後」って言ってるのに。次が(もしあれば)間違えることはないと思いたい。
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