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過去を見る目

午前中に一件取材が入っていた日だった。取材先が入っているビルに30分以上前に到着し、同じビル内にあるカフェに入った。

こういう時、ホットよりもアイスのドリンクを頼むことが多い。熱いと、すばやく飲み干すのがむずかしいときがあるから。たとえ店内がどんなに涼しかろうと、ストローを使ってぐっと飲み切れるアイスのドリンクには、安心感がある。

というわけで、頼んだのはショートサイズのアイスソイラテ。二人掛けのテーブル席に座る。テーブルに丸い水滴が付く前に、カップの中身があっという間に半分以上減った。

飲みながら取り出した資料に目を通す。資料というか、以前自分が書いた記事だった。取材対象者は、この日これから行く取材先と同じ。

読んでいると、思わず二の腕のあたりが痒くなるような感覚に襲われる。もう出来上がったものだけど、赤字を入れたくて仕方ない。

ここ、略したほうが読みやすい。この表現ではなくて……。「ああ」と小さな小さな、ほとんどため息みたいな声が漏れ出る。一年以上前とはいえ、気になることが多くて気分が沈んだ。

でも、過去の自分の原稿に対して、厳しい読者の目線で読めたことはちょっとうれしい。「書く」については歯がゆいことばかりだけれど、気を取り直していこうと一気にアイスソイラテを飲み干した。

2024年9月20日(金) 晴れ時々曇り

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