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4年に一度の日でも、馴染みのある一日

仕事帰り、カフェで人を待つ。

両隣の席に、それぞれ二人組の女性が座っていた。はずむように会話をしている。どちらかと言えば、左隣のペアの会話の方が耳に入ってくる。

女性の一人が、見ただけではわからない怪我を足に負っているという。その経緯を熱心に話していて、相手も熱心に聞いていた。引っ越しの荷解きをした際に起きた災難だったようだ。ほどなくして、全く違う話題に移り変わっていた。

ハッとして、もう盗み聞きしてしまわないよう、耳に会話が入らないよう、意識を別のものに移そうと試みる。

今日は2月29日、閏日だ。4年に一度の日。

わたしは閏日がある閏年の3月に生まれたので、自分の歳が4の倍数になると、2月29日当日のみならず、「閏年だ」とぼんやり頭によぎる。

「閏日は祝日に該当してもおかしくないのでは」といった内容の投稿を見かけた。「そうかな?」と思ったし、「そうかも」とも思った。

4年に一度しか訪れない日、その事実だけ見つめてみると、レアでとても特別な日ではないかと自然と思わされる。

実際祝日になっても、異論は出にくいかもしれない。それどころか、もし次の閏日、2028年2月29日が、同年のカレンダー上で知らないうちに祝日設定されていたら「ラッキー!」と思って、すんなり受け入れてしまうだろう。

考えてみると、祝日が策定されるとニュースになるけど、敢行されるのは一年後くらい。そうなると忘れたころに、祝日が増えたり、減ったり、日にちが変わったり、名前が変わったりしていて、「いつの間に」と新鮮に驚くことが少なからずある。閏日もそうなっていいのに。

意識を飛ばすためにここまで考えている間、待ち合わせ相手からLINEが届いた。隣の2人組は、おすすめの化粧品についてこれまた熱心に話しているようだった。窓の外を見るとビニール傘を指している人が数人横切った。雨が降っている。

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